医療業界、特に看護師の労働環境は過酷だと言われています。実際に働いている看護師たちは、どんな瞬間に「ブラックだな…」と感じるのでしょうか。
今回、看護師にアンケートを実施し、最も多く挙げられた問題をランキング形式で紹介します。現場でのリアルな声を元に、看護師が抱える課題に迫ります。
1位:サービス残業の多さ
今回のランキングで1位となったのは、「サービス残業の多さ」です。看護師が仕事を終えて帰ることができない理由の一つに、サービス残業が挙げられます。就業前に患者情報の収集や準備が必要なことが多く、終業後も仕事が終わらず残業が続くことがあります。
「就業前の患者の情報収集が当たり前、処置などがあればそれの準備など前残業が当たり前。キラキラしている優しい看護師さんのドラマの様な世界ではない。」(ゆーん/30代前半)
「超過勤務を発生させないために、終業時間になったら、仕事が残っていてもタイムカードを打刻しに行くという決まりがありました。残務がある場合には、タイムカード打刻後に、再度病棟に戻って仕事をしていました。超過勤務申請書は、部署には置かれておらず、普段はどこにあるのかも不明でした。」(ClimbingNurse/30代後半)
「毎日4時間ぐらいは残業をしているのに「残業は2時間まで」と勝手に上司が出勤簿を訂正していたこと」(抹茶ぷりん/40代前半)
「前残業が普通にあり、場所によっては1時間前から勤務に入り情報収集や点滴作りをしている。もちろん残業代はつかない」(さくさく/30代後半)
このように、看護師は予期せぬ時間外労働に苦しんでおり、これが業界のブラックさを象徴する問題として広く認識されています。
2位:有給の取りづらさ・シフトへの不満
2位は「有給の取りづらさ」と「シフトへの不満」です。看護師は三交代制などで働いているため、休暇を取りにくい環境にあります。特に人員が少ない場合、急な休みに対応することが難しく、休みを取ることがストレスに繋がります。
「三交代勤務であれば、日勤→深夜、準夜→日勤があると休む時間がなく、ハードだと感じる。」(りち/20代後半)
「有休使用不可、辞める時も有休全捨て。」(りん/30代後半)
「スタッフの人数が少ないためか、夜勤の拘束時間が24時間と長い。仕事状況によっては仮眠が取れない時もあるためブラックと感じる。」(くりーむぱんな/30代前半)
「普通に夜勤が月5~6回あるだけでもブラックだと思います。起きてるだけでご苦労さんだと思うのに走り回ったり、ミスできない薬を触ったり。不穏患者の相手したり。それでいて薄給。正直、自分の子どもが「医療職を目指す」といったときは、勧めませんでしたから。」(北のおっさんナース/40代後半)
「連勤が続くシフト。深夜勤入りや準夜勤明けも休みでカウントされてしまう。」(かつこ/50代前半)
看護師のシフト勤務は身体的にも精神的にも負担が大きいため、有給の取りづらさが問題となっています。シフトが原因で休暇が取れず、疲れが溜まる一方で、心身の健康を保つのが難しくなります。
3位:ハラスメント、労働環境
3位は「ハラスメント、労働環境」です。
看護師の業務は多岐にわたり、常に多忙な状態が続きます。特に患者数が多かったり、急患が来ると、一人あたりの負担が増えてしまいます。この忙しい労働環境、またそれに伴って起きるハラスメントが業界のブラックさを感じさせる要因となっています。
「労働環境の改善がまったくないところ。実際に病棟で働いてる側が忙しいと言っても特に改善はなし。忙しさについていけず退職者が出ても、すぐに求人かけたら次の人はくる。人がやめても、替えはいると思ってるのでずーーーーーーーっと労働環境は変わらない。こんな病院ばっかりで、本当にこの業界ブラックだなと思う。」(もも/30代後半)
「看護教育が変化しているのに、看護の現場での新人教育や若手の育成に携わる人が、昔ながらの指導をしている。メンタルを病む新人が増えている。新人だけではなく、看護に魅力を感じず、離職率も上がっている。」(かつこ/50代前半)
「日勤夜勤問わずイベントがたてこんだ時は休憩や仮眠の時間はありません。食事だけかけこんで、座る暇もなくすぐ仕事にもどるということも多々あります。通常時でも時間通りに休憩や仮眠をとることは滅多にありません。休憩や仮眠をとることができなかったとしても給料がプラスになることもなく代わりに休憩や仮眠の時間をとれるわけでもないのでそういう時はやっぱりブラックな業界だなぁと感じます。」(空丸/30代前半)
現場が忙しく、看護師が休憩を取る暇もなく働くことが続く中、過労が問題視されています。
まとめ
看護師が「医療業界はブラックだな…」と感じる瞬間は、過酷な労働環境から来るものであることが分かります。
特にサービス残業の多さやシフト勤務による有給取得の難しさ、忙しさが大きな原因となっています。また、労働環境の改善が求められている中で、ブラックな状況が続くことが多いという声も上がっています。
転職を考える看護師も多く、医療業界の改善が待たれるところです。
この記事は、2024年11月時点の情報を元に作成しています。