在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料(CPAP)の算定要件|2026年度改定の点数、治療器加算・材料加算の3か月分とレセプト記載

睡眠時無呼吸症候群の患者にCPAP(持続陽圧呼吸療法)を行うクリニックでは、毎月の算定がほぼ同じ組み立てになります。一方で、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)では、管理料2が250点から240点に下がり、使用時間のモニタリング体制を評価する持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算が新設されました。あわせて、留意事項通知には使用時間が極端に短い患者の管理料の扱いが定められています。

この記事では、改定後の点数表と通知に沿って、CPAPで算定する点数、対象患者、使用時間の要件、遠隔モニタリングとオンライン診療、レセプトの記載を整理します。

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目次
  1. CPAPの算定で使う3つの点数
  2. CPAPの管理料2の対象患者
  3. CPAP使用時間が1時間未満の月の扱い
  4. CPAPの遠隔モニタリング加算とオンライン診療
  5. 持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算の届出
  6. CPAPのレセプト摘要欄の記載
  7. よくある質問
    1. CPAPの使用時間が短い患者は、材料加算も算定できなくなるか
    2. 遠隔モニタリング加算は毎月算定できるか
    3. 他院でCPAPを始めた患者を引き継いだ場合、開始3月以内の例外は使えるか
  8. まとめ
  9. 参考

CPAPの算定で使う3つの点数

CPAP療法で毎月算定するのは、指導管理料1つと、在宅療養指導管理材料加算2つの組み合わせです。

区分 項目 点数
C107-2「2」 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2 240点
C107-2 注2 持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算(届出) 15点
C107-2 注3 遠隔モニタリング加算(届出) 150点×月数(2月まで)
C107-2 注4 情報通信機器を用いた場合(管理料2に代えて) 218点
C165「2」 在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算(CPAPを使用した場合) 960点
C171-2 在宅持続陽圧呼吸療法材料加算 100点

ASV(適応補助換気)を使う慢性心不全の患者は、管理料1(2,250点)または管理料2と、治療器加算の「1 ASVを使用した場合」(3,750点)の組み合わせになります。クリニックで多い閉塞性睡眠時無呼吸のCPAPは、管理料2と治療器加算2です。

在宅療養指導管理材料加算(C165・C171-2)は、令和8年度改定で通則が「特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」とされています。「特に規定する場合」は、連続する3月の間に前後の月を対象とする加算を併せて算定する場合を指し、加算の対象となる月が重複してはならないとされています。受診間隔が2〜3か月の患者は、受診月に来院しなかった月の分の加算をまとめて算定する形になるため、どの月の分かが重ならないよう管理します。

CPAP装置は医療機関が患者に貸与することが前提です(留意事項通知C107-2(5))。材料加算には、装置に必要な回路などの附属品の費用が含まれ、別に請求できません(同C171-2)。装置の保守・管理を販売業者に委託する場合は、業者と保守・管理の契約を結び、内容を患者に説明したうえで、定期的な確認と指導を行うことが求められます。

CPAPの管理料2の対象患者

閉塞性睡眠時無呼吸のCPAPは、留意事項通知C107-2(3)ウの基準で判断します。

基準 内容
(イ) 無呼吸低呼吸指数(AHI)が15以上
(ロ) 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が強く、日常生活に支障を来している
(ハ) 睡眠ポリグラフィー上、頻回の睡眠時無呼吸による睡眠の分断化や深睡眠の減少・欠如があり、CPAPで睡眠の分断が消失し睡眠段階が正常化する

原則は(イ)〜(ハ)のすべてに該当することです。ただしAHIが30以上の患者は、(ロ)を満たせば対象になります。

AHIの値と症状による分かれ目は次のとおりです。

患者の状態 管理料2の対象か
AHI 30以上で、日中の傾眠などの自覚症状が強い 対象((ロ)を満たせばよい)
AHI 15以上30未満で、(イ)〜(ハ)をすべて満たす 対象
AHI 15以上30未満で、睡眠ポリグラフィーでの(ハ)の所見が確認されていない (ハ)を満たさないため対象外。睡眠ポリグラフィーの所見で判断する
AHI 15未満 対象外

また、治療開始後最長2か月間の治療状況を評価し、継続が可能と認められる症例についてのみ引き続き算定の対象とされています(同(4))。

CPAP使用時間が1時間未満の月の扱い

令和8年度の留意事項通知では、使用時間が極端に短い患者について次の扱いが定められています(留意事項通知C107-2(6))。

条件 扱い
対象 (3)ウに該当し、CPAP療法を行っている睡眠時無呼吸症候群の外来患者
モニタリング 使用時間等の着用状況、AHI等がモニタリング可能な機器を活用する
管理料を算定しない場合 指導管理を行う月の前月までの3月の間、すべての月で1日平均使用時間が1時間未満
例外 当該医療機関でCPAP療法を開始してから3月以内の患者
材料加算 管理料を算定しない場合でも、在宅療養指導管理材料加算は算定できる

判定は「3か月すべてで1時間未満」であることがポイントです。3か月のうち1か月でも1日平均1時間以上あれば、管理料は算定できます。そのうえで、レセプトには直近3月のうち1日平均使用時間が1時間以上だった月の1日平均使用時間を記載します(後述)。

実務では、機器から取得した月ごとの使用時間を受診の前に確認し、3か月連続で1時間未満になりそうな患者を早めに把握しておくと、指導や治療方針の見直しにつなげられます。

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CPAPの遠隔モニタリング加算とオンライン診療

受診間隔を空ける患者には、遠隔モニタリング加算とオンライン診療の2つの仕組みがあります。

項目 遠隔モニタリング加算(注3) 情報通信機器を用いた指導管理(注4)
点数 150点×月数(2月まで)を来院時に加算 管理料2の240点に代えて218点
対象 管理料2の対象で、CPAP療法を行っている外来患者 (3)ウに該当し、CPAP療法を行っている閉塞性無呼吸症候群の外来患者
要件 前回受診月の翌月から今回受診月の前月まで、着用状況・AHI等をモニタリングし、必要な指導を行うか療養方針を診療録に記載 CPAPで眠気やいびき等の症状が改善したことを対面診療で確認していること。関係学会の指針に沿う
計画 患者の同意を得て、対面診療とモニタリングを組み合わせた診療計画を作成(急変時の対応を含む) 症状が悪化した場合は速やかに対面診療に切り替える
届出 施設基準の届出(別添2の2) 情報通信機器を用いた診療の届出があればよく、注4として別の届出は不要

遠隔モニタリング加算の療養上必要な指導は、電話またはビデオ通話が可能な情報通信機器を用いて行い、その費用は加算に含まれます。モニタリングで得た臨床所見や指導内容は、加算を算定する月の診療録に記載します。

組み合わせの例として、3か月に1回来院する患者で、間の2か月に遠隔モニタリングで指導を行った場合は、来院月に管理料2(240点)と遠隔モニタリング加算300点(150点×2月)を算定し、材料加算は3月分を重複しないように算定します。オンライン診療の届出や要件は「【2026最新版】オンライン診療の届出方法」も参考になります。

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持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算の届出

令和8年度改定で新設された加算で、管理料2に15点を加算します。施設基準は次の2つです。

要件 内容
モニタリング体制 管理料2の対象で、当該医療機関がCPAP療法の指導管理を行っているすべての外来患者について、着用状況・AHI等をモニタリング可能な機器で定期的にモニタリングしている
使用時間の実績 直近3月以内で、CPAPの延べ管理月数のうち、1日使用時間4時間以上の日が20日以上ある管理月数の割合が4割以上

届出は別添2の様式20の12を用います。算定にあたっては、管理料を算定するかどうかにかかわらず、CPAP療法を行うすべての外来患者について、モニタリングしたうえで1日平均使用時間を診療録に記載することが求められます(留意事項通知C107-2(7))。

届け出るかどうかは、次のように分かれます。

クリニックの状況 考え方
全患者の機器が使用時間を送信でき、使用時間4時間以上・月20日以上の患者が4割を超えている 届出を検討できる。毎月の実績を確認する仕組みを作る
モニタリングできない機器の患者が残っている すべての患者のモニタリングが要件のため、機器の入れ替えが先
実績が4割前後で月によって上下する 直近3月以内の実績で判断するため、下回った月の扱いを事前に確認しておく

CPAPのレセプト摘要欄の記載

診療報酬請求書等の記載要領(別表Ⅰ)は、C107-2について次の記載を求めています。

算定する項目 摘要欄の記載事項
管理料(注4を含む) 一連の治療期間における初回の指導管理を行った年月日、直近のAHI、睡眠ポリグラフィー上の所見、睡眠ポリグラフィーの実施年月日、当該管理料を算定する日の自覚症状等の所見
管理料((3)ウに該当する場合) 直近3月のうち1日平均使用時間が1時間以上であったいずれか1月の1日平均使用時間。当該医療機関でCPAP療法を開始して3月以内の患者は不要
管理料(2月を超えて継続可能と認める場合) その理由
注4(情報通信機器) 症状の改善を対面診療で確認した年月日
遠隔モニタリング加算 当該指導管理料の直近の算定年月
治療器加算1(ASV) 管理料2のアまたはイのどちらの要件に該当するか。イの場合はASV療法の開始日

記載事項にはレセプト電算処理システム用のコードが割り当てられています。レセプトコンピュータのコメントが令和8年度の記載要領に合ったものになっているかを確認しておきます。

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よくある質問

CPAPの使用時間が短い患者は、材料加算も算定できなくなるか

算定できます。前月までの3か月すべてで1日平均1時間未満の場合に算定しないとされているのは管理料で、通知で在宅療養指導管理材料加算は算定できると明記されています。

遠隔モニタリング加算は毎月算定できるか

来院月に、前回受診月の翌月から今回受診月の前月までの期間について、モニタリングを行った月数分(2月まで)を加算します。毎月来院している患者では、対象となる期間がありません。

他院でCPAPを始めた患者を引き継いだ場合、開始3月以内の例外は使えるか

通知の例外は「当該保険医療機関においてCPAP療法を開始してから3月以内の患者」です。文面上は自院で開始した時点が起算と読めますが、他院から継続中の患者を引き継いだ場合をこれに含めるかは通知に明記されていません。該当する患者がいる場合は、疑義解釈資料や地方厚生(支)局の取扱いを確認してから判断します。前医での使用状況は、紹介状や機器のデータで把握しておきます。

まとめ

閉塞性睡眠時無呼吸のCPAPは、管理料2(240点)、治療器加算2(960点)、材料加算(100点)が基本です。対象はAHI 15以上で自覚症状と睡眠ポリグラフィー所見のある患者、またはAHI 30以上で自覚症状の強い患者です。

前月までの3か月すべてで1日平均使用時間が1時間未満の患者は、管理料を算定しない扱いです(開始3月以内を除く)。令和8年度改定では、全患者のモニタリングと使用時間の実績を評価する充実管理体制加算(15点)が新設されました。レセプトには、直近3月のうち1時間以上だった月の1日平均使用時間を記載します。

参考

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732104.pdf
  • 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号)別表I https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732129.xlsx
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提供形態

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