看護師が美容クリニックで働くメリット、デメリットは?

看護師の働き先は、病院や診療所以外にもいろいろあります。その一つが美容クリニックですが、「夜勤なし」「高収入が期待できる」というイメージもあってか、看護師の転職先として高い人気を誇っています。

しかし、実際に働いた結果、「想像と違った」という声も少なくありません。

そこでこの記事では、看護師が美容クリニックで働くことに関する、リアルなメリット、デメリットをお伝えしていきます。

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目次
  1. 美容クリニック看護師の仕事内容とは?
    1. 美容皮膚科で働く看護師の主な仕事内容
    2. 美容整形外科で働く看護師の主な仕事内容
    3. 美容皮膚科・美容整形外科の看護師に共通の主な仕事内容
    4. 病院勤務の看護師との違いは?
      1. 病院
      2. 美容クリニック
  2. 看護師が美容クリニックで働くメリット
    1. 夜勤なし・残業少なめ
    2. 給与が高め
    3. 美容知識が身につく
    4. 社割で施術を受けられる場合が多い
    5. 排泄の処理などの業務がない
    6. 重症・重傷患者をケアすることがない
  3. 看護師が美容クリニックで働くデメリット
    1. ノルマや売上プレッシャーがある
    2. 医療スキルが下がる可能性がある
    3. 救急対応や急性期の経験が積めない
    4. 職場の雰囲気になじめない場合がある
    5. 休みが土日でないことが多い
    6. 離職率がやや高めである
  4. 美容クリニック勤務に向いている人・向いていない人
    1. 美容クリニック勤務に向いている人
      1. 美容が好き
      2. 接客が好き/人と話すのが得意
      3. 細かい作業を丁寧に行える
      4. 数値目標を決めて達成することが好き
    2. 美容クリニック勤務に向いていない人
      1. 救急や医療スキルを磨きたい
      2. 営業が苦手
      3. 土日休みにこだわりたい
      4. 子育て中の人
  5. 美容クリニックで働く看護師の給料・働き方のリアル
  6. 看護師が美容クリニックに転職を考えるときの注意点
    1. 求人票を見るときのチェックポイント
  7. 面接で確認すべき質問例
  8. まとめ

美容クリニック看護師の仕事内容とは?

美容クリニックは、大きく「美容皮膚科」と「美容整形外科(美容外科)」の2種類に分けられますが、このどちらのタイプのクリニックであるかによって、仕事内容に差があります。

美容皮膚科で働く看護師の主な仕事内容

美容皮膚科とは、外科的な手術以外の方法で、肌を美しくするための治療を行うクリニックです。患者は、美容注射・美容点滴、レーザー治療、内服薬やサプリメントの処方などを行っています。

美容皮膚科における看護師の仕事は、

  • 注射・点滴、レーザー機器などを使った施術
  • ピーリングなどの施術
  • 各種機器の消毒や管理
  • 患者のカウンセリングおよびアフターケア

などです。

美容整形外科で働く看護師の主な仕事内容

一方、美容整形外科は、外科的な手術を中心に行うクリニックです。美容整形外科で行っている施術には、脂肪吸引、豊胸手術、鼻筋を高くする隆鼻術などがあります。

美容整形外科においては、看護師の主な仕事は、手術の介助となります。ただし、医療脱毛のメニューなどもある美容外科であれば、レーザー機器を使った施術に関しては、看護師が担当することもあります。

美容皮膚科・美容整形外科の看護師に共通の主な仕事内容

なお、患者の要望や悩みを聞き取るカウンセリングや、処置後のフォローアップとなるアフターケアは、美容皮膚科勤務の看護師だけでなく、美容整形外科勤務の看護師も担うケースが多いです。

また、患者の予約対応や予約管理、医師の診療介助も看護師の仕事であるほか、クリニックによっては、ドクターズコスメの販売や営業を看護師の仕事としているところもあります。

全国に系列院を持つ大手美容クリニックなどは、美容皮膚科と美容整形外科どちらも標榜している複合診療型が多く、この手のクリニックにおいては、看護師は機器を使った施術と医師の介助の両方に携わります。

ただし、カウンセリングやアフターケアに関しては、「カウンセラー」「コンシェルジュ」などと呼ばれる専門スタッフが担当するケースもあります。

病院勤務の看護師との違いは?

病院

・ケガまたは病気の患者に対応
→患者の容態によってはサポートに体力などが必要
→急患対応のための残業やオンコールが発生する

美容クリニック

・ケガや病気の患者はいない
→医療処置をおこなうことはあまりない
→基本的に完全予約制で、残業や夜勤はない

美容クリニックの看護師と病院勤務の看護師との仕事内容の違いとして最も大きなものは、「美容クリニックには、ケガや病気の患者がいない」という点です。

そのため、たとえば「患者の意識が朦朧としていて直接話を聴けない」などといったこともありません。

また、ほとんどの美容クリニックは基本的に予約制であるため、急患対応もなく、患者の予約時間に合わせてうまくペース配分しながら仕事を進めていける点も大きな違いであるといえます。

看護師が美容クリニックで働くメリット

看護師が美容クリニックで働くメリットには、以下のようなものがあります。

  • 夜勤なし・残業少なめ
  • 給与が高め
  • 美容知識が身につく
  • 社割で施術を受けられる場合が多い
  • 排泄の処理などの業務がない
  • 重症・重傷患者をケアすることがない

それぞれ詳しくみていきましょう。

夜勤なし・残業少なめ

ケガや病気の患者がいないことから、急患対応も夜勤も不要となるため、生活リズムを整えやすくなります。ただし、患者のニーズが高いことから、土日は休めるとは限りません。

給与が高め

給料が歩合制のクリニックやインセンティブが用意されているクリニックも多いため、年収が高くなる傾向にあります。

病院勤務の看護師の平均年収は、厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると約508万円ですが、美容クリニックの平均年収は450~600万円程度とされています。

参照: 賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

美容知識が身につく

美容クリニックでは患者のトレンドの流れも早く、最先端の施術や手術を提供し続ける必要があります。そこで働く看護師も、常に知識や技術をアップデートし続けることが不可欠。

そのため、院内でも各種機器の使い方のレクチャーなどを受ける機会が多く、新しい美容知識を吸収できます。

社割で施術を受けられる場合が多い

美容が好きで、自分自身もいろんな美容施術を受けたいと考えている看護師にとっての一番のメリットは、社割で施術を受けられることかもしれません。

また、各種美容機器の使い方を習得するために、看護師同士で相手を患者に見立てて練習することもあるので、そうなると、無料で肌の変化などを楽しめるということになります。

排泄の処理などの業務がない

汚物の処理が苦手という看護師にとっては、排せつ物などを扱わなくていいことは大きなメリットであるといえるでしょう。

重症・重傷患者をケアすることがない

重症・重傷患者を担当することがないぶん、医療リスクを回避できます。

看護師が美容クリニックで働くデメリット

一方、デメリットとしては次のようなことが考えられます。

  • ノルマや売上プレッシャーがある
  • 医療スキルが下がる可能性がある
  • 救急対応や急性期の経験が積めない
  • 職場の雰囲気になじめない場合がある
  • 休みが土日でないことが多い
  • 離職率がやや高めである

それぞれ詳しくみていきましょう。

ノルマや売上プレッシャーがある

前述の通り、美容クリニックのなかには、ドクターズコスメの販売や営業を看護師の仕事としているところもあるほか、コスメ購入や施術メニュー契約で一定の売上を上げることをノルマと課しているクリニックもあります。そのため、営業が苦手であれば大きなプレッシャーを感じやすいでしょう。

医療スキルが下がる可能性がある

美容クリニックでは、病院や診療所のようにさまざまな医療処置が必要とされることがないため、せっかく身に付いた医療スキルが鈍ってしまう可能性があります。

長く美容クリニックで働き続けるのであれば、それでもなんら問題ありませんが、将来的に病院や診療所勤務に戻りたい気持ちがあるなら、スキルが衰える可能性があることがネックとなるのではないでしょうか。

救急対応や急性期の経験が積めない

美容クリニックはケガや病気の患者が利用するものではなく、かつ完全予約制であるケースがほとんどであることから、救急対応や急性期の経験を積めません。

職場の雰囲気になじめない場合がある

美容クリニックで働く看護師の平均年齢は、病院や診療所と比べて低めです。加えて、患者もしくは潜在的患者に「このクリニックで施術や手術を受ければキレイになれる」と思ってもらう目的もあって、華やかな雰囲気の人材が採用されがち。

そのクリニックのスタッフたちより年齢が高い場合や、容姿に自信が持てない場合、職場の雰囲気になじめず、浮いてしまうことがあるかもしれません。

休みが土日でないことが多い

土日休みの会社員などのニーズを考えて、土日にも診療を行っているクリニックは少なくありません。そのため、カレンダー通りに休みを取れるとは限りません。

離職率がやや高めである

美容クリニックの離職率は30%前後といわれています。「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」によると、2021年度の正規雇用看護職員の離職率は11.6%であるため、その3倍近い離職率であることがわかります。

参照: 「2022年 病院看護・助産実態調査報告書」

離職率が高くなる要因としては前述の通り、ノルマや売り上げプレッシャーが大きいことや、土日に休めないこと、また患者のクレーム対応に疲弊してしまうということも考えられます。

美容クリニックを利用する患者は、「キレイになりたい」という一心であるため、思い通りの結果を得られなかった場合の憤りは相当なものとなります。場合によっては訴えられることもあり得るので、対応する看護師も気力が消耗させられる可能性が高くなります。

参照: 美容クリニックスタッフの離職率は高い?主な離職理由も併せて解説

美容クリニック勤務に向いている人・向いていない人

続いては、美容クリニック勤務が向いている看護師、向いていない看護師の特徴を確認していきましょう。

美容クリニック勤務に向いている人

美容クリニック勤務に向いている人の特徴としては次の点が挙げられます。

  • 美容が好き
  • 接客が好き/人と話すのが得意
  • 細かい作業を丁寧に行える
  • 数値目標を決めて達成することが好き

それぞれ詳しくみていきましょう。

美容が好き

美容が好きで、最先端の美容についての知識を常に吸収し続けたい人、自分でもさまざまな美容施術を受けたい人にとっては、美容クリニックで働けることに大きな喜びを感じやすいでしょう。

また、自分自身が高い効果を実感したコスメや施術であれば、自身を持って人にすすめたくなることから「自分が好きなものを人にすすめられるのがうれしい」と感じることもあるでしょう。

接客が好き/人と話すのが得意

美容クリニックの看護師は、カウンセリングやアフターケアで患者とコミュニケーションをとる機会が多いため、人と話をすることが得意であったり好きな人は向いていると言っていいでしょう。

細かい作業を丁寧に行える

美容皮膚科では、全身の医療脱毛や各種レーザー治療などを担当することがあるため、患者が痛みや辛さを感じにくいよう細心の注意を払いながら、丁寧に機器を操作することが求められます。そのため、細かな作業学ではない人は向いているといえます。

数値目標を決めて達成することが好き

営業ノルマを課せられるケースも多いことから、数値目標を決めて、それを達成することに対して意欲的になれる人も向いているといえます。

美容クリニック勤務に向いていない人

美容クリニック勤務に向いていない人の特徴は次の通りです。

  • 救急や医療スキルを磨きたい
  • 営業が苦手
  • 土日休みにこだわりたい、営業が苦手
  • 子育て中の人

それぞれ詳しくみていきましょう。

救急や医療スキルを磨きたい

先にも解説した通り、美容クリニックでは、医療的処置を行う機会は極めて少ないため、医療スキルに磨きをかけていきたい人には向いていないといえます。また、基本的に予約制で急患対応がないことから、救急医療の知識やスキルを深めることも難しいといえます。

営業が苦手

ドクターズコスメや施術を患者にすすめて、購入や契約にもっていくことも、美容クリニックで働く看護師の大切な仕事です。営業が苦手なタイプであれば、この点に大きなプレッシャーを感じやすいでしょう。

土日休みにこだわりたい

美容クリニックは、土日休みでない場合が多いです。そのため、家族との時間を大切にするために、土日はきっちり休みたいという人にはおすすめできません。

子育て中の人

美容クリニックの中でも、美容皮膚科の場合、患者から施術する看護師が指名されることがあるため、子どもの急な発熱による幼稚園からの呼び出しに対応できないことが考えられます。

美容クリニックで働く看護師の給料・働き方のリアル

美容クリニックで働く看護師の給与は、病棟勤務の看護師と同等かそれよりやや高いといわれています。施術の指名料などがインセンティブとしてつくケースもあることから、年収にして500~600万円以上も目指せます。

また、勤務時間はクリニックによって異なりますが、多くの美容クリニックは夜勤なしで日勤のみであるため、たとえば9時半~18時半などの時間帯で働くことになります。

看護師が美容クリニックに転職を考えるときの注意点

看護師が美容クリニックに転職したい場合、転職先候補となる美容クリニックについて、事前に実態をしっかり確認することが不可欠です。

求人票を見るときのチェックポイント

求人票を見るときは、次の点に関しては特に注意深く確認することが大切です。

  • ノルマの有無
  • インセンティブの仕組み
  • 教育体制(未経験者への研修)
  • 残業や休日の実態

これらはいずれも、実際に入職した場合の働きやすさに大きく関わってくる要素です。

ノルマの有無やインセンティブの仕組みなどはクリニックによって異なるので、働き始めてから、「思っていた勤務条件と全然違った」ということがないよう、求人票からはわからないことがある場合に関しては、面接時に直接質問することが大切です。

面接で確認すべき質問例

前述の通り、求人票を見てもわからないことがあった場合、面接時にきちんと確認することが大切です。

美容クリニックの場合、基本的に美容に関心の高い若い世代の看護師が採用されやすい傾向にあることから、

  • 服装などの見た目に関して気を付けるべきこと
  • 働いている看護師の平均年齢
  • 産休・育休などの制度の詳細

などに関しても確認しておくと安心でしょう。

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まとめ

ここまで解説してきた通り、看護師が美容クリニックで働くことには、「夜勤なし」「高収入を目指せる」という大きなメリットがある一方、「ノルマに追われる可能性が高い」「医療処置のスキルは低下する恐れがある」などのデメリットも伴います。

そのため、自分のライフスタイルやキャリアプランとの相性をよく考えて転職活動を進めることが不可欠です。

また、美容クリニックで働きたい気持ちが大きいものの、年齢的に若くはないことから、転職に尻込みしてしまっているなどの場合は、同世代の看護師が活躍する美容クリニックを探すことをおすすめします。

特に、富裕層をターゲットにしている、個人開業医が経営する美容クリニックなどは、落ち着いた雰囲気をまとった、経験豊富な世代の看護師を積極的に採用しているケースがあるので、条件を広げることによって、長く働ける職場を探すことがおすすめですよ。

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提供形態

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診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、

執筆 CLIUS(クリアス )

クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。


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