診療や治療に専念したいのに、日々のカルテ入力や事務作業に追われて、患者と向き合うための十分な時間が取れない……。そんなジレンマを抱えている医師は相当数いると考えられます。どうすればカルテ入力や事務作業の手間を効率よく減らすことができるのかと考え、さまざまに工夫してみても、大幅な時間短縮は実現できなかったという人もいるかもしれません。そこで今回は、診療時間の捻出にもっとも直結しやすい、AIの活用方法を解説していきます。「AI」と聞くとハードルが高く感じられる人もいるかもしれませんが、導入は決して難しいことではないので、まずはAIでどんなことができるのか、この記事を読んで知るところからはじめていきましょう。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
あなたは今日、カルテ入力に何時間使いましたか?
実際のところ、医師が1日にカルテ入力や事務作業に費やす時間はかなりのものです。
たとえば、NTTコミュニケーションズと奈良県が2023年に実施した医療DXの実証実験では、カルテ入力に時間がかかる医師は、1日の勤務時間の約3割をカルテ入力に充てていることがわかっています。
単純計算で、1時間中18分がカルテ入力に充てられているということになりますが、この時間をあともう5分縮めることができたら、60分のなかでさらにもう1人多くの患者を診察できる場合もあるでしょう。その結果、患者の待ち時間が削減されるだけでなく、クリニックの売上も上がることを考えると、カルテ入力時間は極力抑えるに越したことはないといえます。
なお、厚生労働省が令和元年に実施した「医師の勤務実態調査」によると、病院・常勤勤務医の週あたりの勤務時間平均は、男性医師=57時間35分、女性医師=52時間16分であることがわかっています。
間をとって、週あたりの勤務時間は約55時間、週5日勤務と仮定すると、1日あたりの勤務時間は11時間ということになりますが、このうち約3割をカルテ入力に充てているとすれば、1日に3時間20分もの時間をカルテ入力に要している医師がいるということになります。
また、診療科別で考えると、一般内科や精神科は、見た目で判断しやすい外科や皮膚科、検査結果が重要な糖尿病内科などと比べて、面談時間が長くなる傾向にあることから、そのぶんカルテ入力にかかる時間が長くなりがちです。精神科に関しては、生活歴・家族歴・心理社会的背景の詳細記載も重要となることから、さらに入力負担が大きくなるケースが多いでしょう。
そのため、あなたがこれらの診療科に該当する場合、「自分は1日平均でいうと3時間半以上カルテを入力している気がする……」ということもあるかもしれません。
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カルテ入力の時間を30分削減できたら何ができる?
1日に平均3時間以上もの時間をカルテ入力に費やしていたとして、入力時間を1日30分削減できたとしたら、次のようなことが叶います。
収益向上
捻出できた時間を追加診療に使うことができます。
患者1人あたりの診察に15分かかっているなら、1日に2名追加で診療できます。
患者1人あたりの診察に10分かかっているなら、1日に3名追加で診療できます。
例:
再診単価が1,500円の場合、
再診単価 1,500円 × 2人 × 20日
→ 月+60,000円
→ 年+72万円/医師
となるため、収益が向上します。
特に、精神科・内科においては現実的な活用法であるといえるでしょう。
自由診療の時間確保
などの時間を確保することができたら、短時間でも単価が高いぶん、収益インパクトは大きくなります。
医療の質向上
患者一人あたりの対話時間延長
患者一人ひとりとの対話時間を延ばすことも可能です。これによって、アドヒアランスの向上やクレーム回避、紹介率向上などが見込まれます。
精神科においては、時間をかけて説明することによって、患者満足度が大きく上がるケースも多いでしょう。
チームカンファレンスの実施
多職種連携、難症例検討、訪問看護ステーションとの情報共有などに時間を充てて、医療チームとして、医療の質向上を目指すこともできます。
働き方改善
ワークライフバランスの充実
医師の時間外労働は、厚生労働省の働き方改革でも問題視されています。
30分 × 20日 = 月10時間削減
年120時間削減
となれば、ワークライフバランスも保ちやすくなります。
自己研鑽・学会準備
論文執筆、勉強会、新規医療導入検討などに時間を充てることも可能です。これらは、将来価値への投資となります。
【注意点】削減できた時間は自然に埋まりがち!
1日30分のカルテ入力時間を削減できたとしても、その時間を有効に活用することを意識しなければ、30分はあっという間に雑務に吸収されてしまいがちなので注意が必要です。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
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AI×電子カルテ 「今すぐ使える」3つの機能
「AIを活用すると診察がもっと楽になる」と言われても、「AIだなんて使いこなすことはおろか、設定の仕方もわからないし、何から始めたらいいのかチンプンカンプン」という人は多いでしょう。しかし、冒頭で触れた通り、AIを診察に導入することは決して難しくはありません。
特に、次の3つの機能に関しては、該当機能を使えるシステムを導入するだけですぐに使い始めることが可能です。
具体的にどういう機能であるのかを説明していきます。
AI音声入力
「AI音声入力」とは、診察中の医師と患者の会話をAIがリアルタイムで文字起こしした後、文字起こしのなかから重要なポイントをAIが拾い上げて、診察内容を適切な文章にまとめてくれる機能です。
AI音声入力サービス、あるいはAI音声入力機能を備えている電子カルテはいくつかありますが、そのひとつが、医療用語対応の高精度な音声認識が注目されている「medimo(メディモ)」です。medimoは、2023年6月にβ版がリリースされて以降、複数医療機関で実証実験がおこなわれていますが、それらの実験において、カルテ入力時間の80%を削減できたという結果が出ています。
また、2026年1月19日に、『独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)北海道病院』において開始となった「ICT機器を活用した勤務環境改善の先駆的取組をおこなうモデル医療機関調査支援事業」では、AI音声認識システム「今日のAI音声認識」と電子カルテシステム「MI・RA・Is V(ミライズ ファイブ)」とを連携させる実証実験が進められており、今後さらに精度が上がっていくことが予想されます。
参照:NTTドコモビジネス株式会社「厚生労働省事業に採択、JCHO北海道病院でAIカルテ下書き実証開始」
参照:独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)北海道病院「厚生労働省事業に採択、JCHO北海道病院でAIカルテ下書き実証開始 ―診療記録の負担軽減と患者中心の対話回復へ―」
AI問診
「AI問診」とは、患者の回答に応じてAIが次の質問を自動で生成しながら、患者の症状を深堀していく問診システムです。患者はスマートフォンやタブレットを使用して、AIが生成する質問に回答していきます。
web問診との違い
「患者がスマートフォンやタブレットを使用して回答する」ときくとweb問診をイメージするかもしれませんが、web問診とAI問診には明確な違いがあります。
web問診は、質問内容や出現条件を細かく設定することができるため、自院の方針をしっかり反映できます。ただし、予め設定された条件に応じて質問が表示されるため、事前の質問設定が不足していると、患者情報を十分に深堀できない可能性があります。
一方のAI問診は、患者の回答に沿って動的に質問が生成されていくため、診断補助としての側面が期待できます。こうした特徴があることから、患者の症状がクリニックの専門外の領域であっても、早い段階で適切な治療方針を決定しやすくなります。ただし、回答によっては質問数が多くなるなど、患者に入力負担がかかりがちであることはデメリットと考えられます。
AI問診が向いているクリニック・web問診が向いているクリニック
前述のような特徴があることから、AI問診・web問診はそれぞれ次のようなクリニックに向いているといえます。
【AI問診が向いているクリニック】
【web問診が向いているクリニック】
また、AI問診・web問診の共通点としては、次の要素が挙げられます。
受付や看護師のヒアリング負担軽減につながります。
入力内容が電子カルテに自動転記されるため、コピペ作業や医師のカルテ入力時間が短縮されます。
聞き漏れ防止につながるだけでなく、医師ごとの問診のばらつきを防ぐことができます。
診察がスムーズに進み、回転率が向上します。
症状別集計、疾患傾向分析などに役立てられるため、経営データにもなり得ます。
AI問診の一例
47都道府県、1,800の医療機関に導入実績がある「ユビーAI問診」の導入医療機関からは、「問診看護師の省力化と配置最適化で院内改革をスムーズに進められた」「看護師による問診が不要となったことで、今後のタスクシフティングが期待できるようになった」などの声が上がっています。
AI処方予測・AI算定支援
「AI処方予測」とは、電子カルテ内の診療情報をもとに、AIが適切な処方候補を提示する仕組みです。「AI算定支援」とは、取り漏れのある診療報酬算定項目を提案する仕組みのことです。
AI処方予測
患者の主訴、既往歴、検査結果、過去の処方履歴などを解析して、考えられる処方候補を提示します。過去省令に基づく処方候補表示、用法用量の提案、重複投与や相互作用の警告、ガイドライン準拠チェックなどをおこなってくれることから、慢性疾患フォロー、風邪症状などの定型診療、若手医師のサポートなどに役立ちます。
AI算定支援
診療行為に対して、「この検査ならXX加算が算定できます」「この処方ではXX管理料が算定対象です」など、算定漏れを防ぐ提案をおこなってくれる機能です。
代表的な算定支援対象は次の通りです。
など
AI処方予測、AI算定支援の機能を活用することによって、次のような経営的インパクトが期待できます。
【時間短縮】
【収益改善】
AI処方予測、AI算定支援の機能を搭載している電子カルテとしては、エムスリーデジカルなどが挙げられます。エムスリーデジカルのホームページでは、「適応症の自動学習(AI)」「処置行為自動学習(AI)」として、該当する機能が紹介されています。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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AIの活用はセキュリティが心配?
業務効率化のためにAIを活用することに対して、セキュリティ面に不安な気持ちを抱く人もいるかもしれません。しかし、結論から言うと、適切な法令遵守・運用管理をおこなえば、セキュリティ面の課題はほぼクリアできるといえます。
これを踏まえたうえで、AI活用の安全性が高い理由および注意点は次の通りです。
法制度上整備されている
まず、日本の医療情報は、厚生労働省、デジタル庁、個人情報保護委員会などによって保護されています。関連法規としては、「個人情報保護法」「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が挙げられますが、後者においては、「外部クラウド利用可」「適切な暗号化・アクセス制御必須」「委託先管理義務」が明示されています。つまり、安全管理基準を満たしているベンダーなどが提供しているシステムを使うことが重要だということになります。
クラウド型AIの安全性
このうち、「外部クラウド利用可」「委託先管理義務」などは主にクラウド型AIに関係していることですが、クラウド型AIを提供している業者が次の条件を満たす場合、堅牢な体制が整っているといえます。
オンプレミス型AIの安全性
一方、オンプレミス型AIの場合、院内ネットワークで完結しており、外部に送信することはないことから、安全性が高いといえます。
技術面でも安全対策がとられている
現在の医療AIは、主に次の安全対策を前提としています。
通信の暗号化
データ保存の暗号化
アクセス制御
操作ログ管理
データ分離
実際のリスクはどこにあるか?
前述の通り、適切な法令遵守・運用管理をおこなえば、セキュリティ面にはほぼ問題がないといえます。つまり、適切な法令遵守・運用管理ができていない場合にリスクが高まるということになります。
具体的には、次のような場合に、AI活用のリスクが高まります。
つまり、該当システムそのものだけでなく、院内の通信機器すべてに対するセキュリティを強化する必要があるということになります。
医療AI特有の注意点
医療AIを活用する際、特に注意してチェックすべきことは次の通りです。
システムの利用に関して契約書を交わす際には、この点を明確化することを重要視しましょう。
また、大前提として、「医療AIを100%信頼しない」ということも大切です。AI音声入力しろAI問診にしろ、AIの判断が必ず合っているとは限りません。そのため、最終的には医師が確認することが不可欠です。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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導入コストとROI(投資利益率)の試算
医療AI導入検討時には、導入コストとROI(投資利益率)を試算することが大切です。
たとえば、AI音声入力の一例として挙げたmedimoは、月額費用は1ユーザーあたり19,800円です。
これをもとに、まず、自院の医師の人数で月額費用を算出します。
また、AI音声入力を導入するとして、たとえば「1日30分×月20日=10時間の医師時間」を創出できたとして、その時間で追加診察が可能な患者数および月間でいくら売上が増額するかを考えてROIを試算します。
ただし、medimoの導入には初期費用税込15万円がかかるため、初期投資を取り戻すのに要する期間についても別途考えられるといいでしょう。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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失敗しないために知っておくべき「現場とシステムの壁」
AIツールの導入はクリニックに大きな恩恵をもたらしますが、医師の業務効率化だけを先行させると、思わぬ落とし穴にハマる可能性があります。導入前に必ず以下の3つのハードルを考慮し、対策を練っておきましょう。
高齢患者への対応とITリテラシー
AI問診は患者自身のスマートフォンや院内のタブレットでの入力が前提となりますが、高齢の患者が多いクリニックでは「入力画面がわからない」「文字が見えない」といった声が確実に出ます。結果として、受付スタッフや看護師が付きっきりで入力補助をすることになり、かえって現場の業務を圧迫しかねません。「高齢者には紙の問診票を併用する」「音声入力可能なタブレットを用意する」など、患者層に合わせた柔軟な運用フローを事前に決めておく必要があります。
スタッフの業務フロー見直しと教育
AI音声入力を使用する際、録音の開始・停止操作や、マイクのセッティングなどは誰が行うのか。また、AI問診の案内はどのタイミングで誰が行うのか。AIの導入に伴い、看護師や事務スタッフの業務フローは大きく変わります。医師の時間が削減されても、スタッフの負担が増加して不満が出ないよう、業務の再配分と事前シミュレーションを医療チーム全体で行うことが成功の鍵です。
既存の電子カルテとの「連携可否」
見落としがちな最大の注意点が「現在使っている電子カルテと、導入したいAIツールが連携できるか(API連携などが可能か)」という点です。もしシステム連携ができなければ、AIが生成したテキストや問診結果を、わざわざスタッフや医師が手動でコピー&ペーストしてカルテに移すという「二度手間」が発生します。検討中のAIツールが、自院の電子カルテにシームレスにデータ転送できる仕様になっているか、必ずベンダーに確認してください。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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【次回予告 】
【将来の安泰を勝ち取るクリニック戦略シリーズ】第3回では、2027年標準化を見据えた電子カルテの選び方を「総まとめ」としてお伝えします。
- 第1回: 2030年から逆算すれば、2027年が分岐点
- 第2回: AIは「遠い未来」ではなく「今日から使えるツール」
- 第3回: 電子カルテは5つの評価軸で選べば、5年後の後悔はない
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
