通院していたクリニックに通うのをやめて、他のクリニックに通うことにした経験がある患者100人を対象に、もともと通院していたクリニックへの通院を辞めた理由を聞きました。上位の理由は「設備」や「待ち時間」だと予想する人は多いかもしれませんが、実は1位も2位も違う理由でした。9つの選択肢の内訳と、アンケート回答者の実際の声から、離脱の分岐点について考えていきましょう。
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調査の概要
アンケート調査は、株式会社DONUTSが独自に実施したもので、実施期間は2026年9月です。なお、同アンケートは、直近1~2年に、受診したクリニックに通うことを辞めた経験がある患者100人を対象としています。
通院をやめた理由ランキング
アンケート結果の、通院をやめた理由ランキングは次の表の通りです。なお、2つ以上の項目を「通院をやめた理由」として選択した患者も複数人います。
| ランキング | 理由 | 人数 |
|---|---|---|
| 1位 | 医師の態度が冷たい・話を聞いてくれない | 53人 |
| 2位 | 受付やスタッフの態度が悪かった | 24人 |
| 3位 | 待ち時間が長すぎた | 22人 |
| 4位 | 医師の説明が分かりにくい | 19人 |
| 5位 | 院内が不衛生だった | 4人 |
| 6位 | WEB予約やWEB問診がなくて不便だった | 3人 |
| 7位 | 会計の待ち時間が長い | 3人 |
| 8位 | クレジットカードや電子マネーが使えなかった | 2人 |
| - | その他 | 22人 |
1位 医師の態度が冷たい・話を聞いてくれない(53人)
圧倒的1位となった理由は「医師の態度が冷たい・話を聞いてくれない」です。回答者の声をいくつか紹介します。
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「腰の痛みがなかなか引かずに近くの整形外科を受診したのですが、担当してくださったお医者さんがこちらの顔をほとんど見ず、パソコンの画面ばかり見てお話をされる方でした。痛む箇所を説明しようとしても途中で遮られてしまい、湿布を出しておきますねの一言だけで、なぜ痛みが出ているのかや今後の生活での注意点についての説明が一切ありませんでした。こちらとしては不安が残るばかりで、これではお任せできないと感じて別の医院に変えました」
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「下の子がまだ小さかった頃に、酷い鼻水と咳が続いて近所の耳鼻科を受診しました。 でもこちらの不安な気持ちとか、最近夜も眠れないんです…という状態を説明しても、医師はパソコンの画面を凝視したままで、風邪ですねー、薬出しておきます。と一言だけで、まともに顔すら見ずに話を切り上げられてしまいました。 子供が診察室で怖がって泣いてしまったときも、明らかに面倒そうな大きな溜め息をつかれて、質問をしようとしても“混んでるんで!”と遮られてしまって、あまりの冷たさと高圧的な態度にショックを受けました。 親身になってくれない病院には二度と掛かりたくない!と思って、その日を境に別のクリニックへ変えました」
→「医師の態度が冷たい・話を聞いてくれない」を選んだ回答者のコメントでもっとも多かったのが、「画面を見てばかりで自分のことや患部を見てくれない」というものでした。電子カルテの入力に手一杯となり、患者のほうを見る余裕がないという医師も多いのかもしれません。電子カルテの操作が理由の場合は、セット登録やテンプレートの活用、あるいは電子カルテの乗り換えを検討したほうがいいかもしれません。
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「手の湿疹と、唇の荒れが酷く、受診してもらいました。 その病院の医師から“あんた、その唇舐める癖があるからそうなるんだよ” “ほら、それそれ!”と失礼な言い方をされて本当に腹が立ちました。 別の患者さんが、とても怒って帰って行くのを見て“一体何があったのだろう”と思っていたので、あとからその医師と何かあったのだと確信しました」
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「精神科って、先生が親身になって話を聞いてくれて、気持ちや症状を引き出してくれ、それにあった薬を出すものと思うのですが、そこは、予約不要でいけたので、初回受診しました。傷病手当の書類を書くまでは早かったのですが、“復帰する、仕事辞めるの相談なんて聞いてくれない。頑張れとしか言いようがない”といわれました」
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「第一子の妊娠中のことです。妊娠初期でつわりもあり、わからないことも多い中、当時まだ仕事をしていました。その仕事中にトイレに行ったら出血があり、軽いパニックになり、職場に事情を説明し、かかりつけの病院にも連絡を入れ、すぐに通っていた産婦人科へ受診しにいきました。不安でいっぱいの中、長い時間待たされましたがようやく名前を呼ばれ診察室へ。検査をしてもらいドキドキしながら医師の話を聞きました。しかし、医師の口から言われた一言が衝撃的すぎて今でも忘れません。医師は半ば呆れた顔で“妊娠初期にはよくある話し。こんなことで来るな”と言われました。急な受診だったため、いつもの担当医ではなかったのですが、こんなに冷たい発言をする医師がいるのかとショックでした。不安でいっぱいだったり、妊娠初期でメンタルもやられていたこともあり、泣くのを堪えながら当時の私は謝り診察室を出ました。でも流石に納得がいかず病院のアンケートにその意思の苦情を申し立てました。いくら疲れていたり、診療慣れしていたとしてもあまりにもひどいと書きました。もともと里帰り出産をする予定だったのですが、本来予定していた里帰り時期より早めに地元へ戻り、その医師にはその後一度も会っていません。二度と会いたくないと思いました」
→患者が不安な気持ちで受診していることを、医師がまるで理解していないという趣旨のコメントも数多くみられました。このような思いをした患者の多くは、悪い口コミを投稿したくなる傾向にあるので、一度、自院の口コミときちんと向き合ってみるといいかもしれません。
2位 受付やスタッフの態度が悪かった (24人)
2位にランクインした理由は、「受付やスタッフの態度が悪かった」です。回答者の声をいくつかみていきましょう。
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「虫歯の治療で歯科に通っていたのですが、そこに勤務している1人の歯科衛生士さんの態度が私にだけものすごく冷やかでした。話したこともない初めて会った衛生士さんで、私は何もしていないのに、受付では目も合わしてくれず、冷ややかな目と表情をされ、声のトーンも低く、話し方も冷たかったです。他の患者さんにもそうなのかと思い見ていましたが、他の患者さんにはとても愛想良くしていて、なんで?私何かしたかな?と思い、そこの歯科には行きたくなくなりました」
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「風邪で受診したのだが、普段はかかりつけの患者が多いのか、かかりつけの人にはにこやかに対応しているのに、初診の私には冷たい対応だった。看護師の態度に驚いたし、とても嫌な気持ちになった。せめて営業スマイルくらいできないのかと思った。ただでさえ、体調悪くて来院しているのに、あまりに冷たい(笑顔もなく怖い顔)態度に気持ちも萎えたので、それ以来行っていない」
→「他の患者への態度と自分への態度に違いを感じる」という声はちらほらみられました。顔なじみの患者に対して自然と笑みがこぼれるのは悪いことではありませんが、そうであるならなおさら、新規の患者や、世間話をしない患者に対しても丁寧に対応することが大切です。
- 「受診した際、受付の対応に不快な印象を持ちました。受付では挨拶がなく、帰るときにも“お大事に”といった言葉がありませんでした。特別なサービスを求めていたわけではありませんが、基本的な声かけがないことで、冷たい対応だと感じました。病院では診察だけでなく、受付でのやり取りも安心感につながると思います。そのため、患者への気づかいが感じられなかった点が、特に気になりました」
→基本の挨拶ができていないとなると、患者の多くがよくない印象を抱いて当然です。こうした口コミが複数入った場合、スタッフのマナー研修を改めて実施することを考えたほうがいいでしょう。
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「子どもを耳鼻科に連れて行ったときに、別姓で事実婚のため保険証の子どもの名前と被保険者の苗字が違うのに気づいた受付の人が、コソコソ他の人に話し始めた。その後待合室でも聞こえるくらいの声で、チラチラこちらを見ながら、“苗字別とか確認するの大変だよね…”などと、パソコンに情報を入力し終えるまで言われて見られ続けてすごく嫌だった。先生はよくても、その受付には関わりたくなくてもう行かない」
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「上の子(7歳)の鼻炎のため、かかりつけの耳鼻咽喉科を受診した。下の子(2歳)も鼻水が出ていたので、一緒に連れて行くしついでに受診してみた。患者さんが多いのはいつものことで、子どもたちも静かにしていたし気にならなかった。順番になり、上の子からベッドで診察、慣れていて問題なく終了した。下の子は初めてだったこともあり、泣きわめいたため、バスタオルで巻かれ診察となった。安全のために必要なことは理解していた。なんとか診察が終わり、まだ子どもも私もいるのに、看護師A“上の子はお利口なのに、下の子はすごいね~”と看護師Bに同意を求めていた」
→患者のプライバシーに配慮しない発言、子どもがぐずったときの不適切な対応は、クリニックの信頼度を大きく落としてしまう要因となり得るため、特に注意が必要です。患者からクレームが入った場合などは、誠実に対応するようにしましょう。
3位 待ち時間 が長すぎた(22人)
3位にランクインしたのは「待ち時間が長すぎた」です。回答者の声をいくつか紹介します。
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「歯の痛みがあったので受診。結構人気のところだから患者が多いのは知っていたので時間がかかるのは覚悟していましたが、予約したのに結局2時間も待たされてへとへとになりました。その上、診察はささっと終わらせる感じだったしあまり治った感じはしませんでした。休日にわざわざ時間をとって来ているのにこれではあんまりだと思い、もうここじゃなくて良いかなと感じました」
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「予約制の皮膚科だったのに予約時間になっても呼ばれず、予約時間から2時間経って呼ばれました。 その時点で帰ろうかとも考えましたが予約したし他に行くのも面倒だと思い待ちましたがとても待たされました。 いざ診察となると5分もかからず終わりで、ちゃんとした説明も無く傷跡残らないと言われたのに今も傷跡残っているしとヤブ医者じゃないか!?と思いました。 今度はお会計で時間が30分ほど待たされ会計の方も何でパパっと出来ないんだろうかと疑問に思うほどでした。 なのになぜか混んでるので不思議でたまりませんでした。 もう二度と行きません」
→「待ち時間が長すぎた」の回答者の大半が、「予約したのに待たされた」とコメントしています。これでは、患者側は「予約の意味がない」と感じて当然です。現状、予約した患者も待たせている場合、一つの枠に対して予約できる人数を見直すか、あるいは院内のオペレーションの改善などを検討する必要があるでしょう。
設備要因は下位だった(院内が不衛生だった:4人・WEB予約やWEB問診がなくて不便だった:3人・クレジットカードや電子マネーが使えなかった:2人・会計の待ち時間が長い:3人)
今回のアンケートでは、通院をやめた理由として、「設備が古く清潔感が感じられない」「WEB予約やWEB問診などが整っていない」「キャッシュレスではない」「会計に時間がかかる」などの設備要因を選択した人は少数でした。
ただし、だからといって「設備要因を見直す必要はない」ということではありません。特に次のようなケースに関しては、見直しを検討することをおすすめします。
- 「予約システムがあるんですが、当日しか予約できず、待ち時間がものすごく長いんです。そのうえで、予約システムで待ち時間を知ることができるんですが、待ち時間がおかしく、早めに待ち時間が表示され、待ち時間通りの指定時間に病院を訪れたら、まだ、自分の番ではなく、前の利用者の方がまだ診察中だったことで、診察中の患者さんと今現在の進行度合いが予約システムとミスマッチしていて予約システム自体が信用できないものでした」
→上位にランクインした「待ち時間が長すぎた」と被りますが、「WEB予約の意味がない」と感じている患者が多い場合、早めに設定を見直すべきです。
- 「会計で言われるまで支払いは現金のみということを知ることができなかった(受付含めどこにも書いていなかった)」
→「今の時代、医療機関もキャッシュレスが当たり前」という認識の患者は多いため、導入できていない場合は、現金のみであることを受付やホームページに明示することが大切です。
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「1番初めに通院して感じたのは、かなり汚れの目立つゴム性の床や、塗装の剥がれた床の手入れが、ほとんどされたようすがなく、不衛生な印象でした。かなり前のことですが、今でも昨日のことのようにはっきり覚えています」
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「子供の体調が悪いときに受診したのですが、待合室のキッズスペースがおもちゃが散らかったままで少し気になってしまいました。さらに、予約をして行ったにもかかわらず二時間近く待たされ、ぐずる子供をなだめるのに本当に苦労しました。受付の方も終始お疲れの様子で、こちらが質問しても面倒そうに対応されてしまい、これ以上ここに通うのは少し厳しいなと感じて、別の綺麗な小児科に変えることにしました」
→掃除が行き届いていない状態だと、患者に不快感を与えて当然です。設備が古いものの、内装工事を実施する余裕がないなどの場合、まずは建物のクリーニングを外注することを検討してはどうでしょう。もちろん、院内スタッフで日々の掃除に力を入れていくこともとても大切です。
なぜ「予約システムがない」では患者は離れないのか
前述の通り、予約システムに関しては、「予約システムの有無そのものに不満がある」という回答はみられず、「予約システムがあっても機能していないなら意味がない」という声のほうが目立ちました。
つまり、患者は「予約システムがあるかどうか」よりも「予約していてもしていなくてもスムーズに受診できる」ことを重視していると考えられます。
ただし、腕のある医師がいる医療機関や、地域に根付いた医療機関などは、予約制にしていなければそれなりに待ち時間が生じてしまうことがあり得ます。
では、予約システムを導入していないのに患者が離れていない医療機関にはどういう特徴があるかというと、主に次のような特徴があると考えられます。
医師がしっかり話を聞いてくれる・医師への信頼が強い
まず大切なのは、アンケート結果にランクインした最初の2つを大切にすることです。「この先生はきちんと話を聞いてくれるし、自分の病歴や体質を理解してくれている」と感じている患者は、できる限り、病院・クリニックを変えたくないと考えます。
診断内容や治療も適切で、信頼関係が構築されていれば、予約に関して多少の不便さがあっても通院を続ける選択肢をとるでしょう。
受付やスタッフの感じがいい
受付やスタッフがきちんと挨拶をしてくれると、それだけでファーストインプレッションがよくなります。地域に根付いた医療機関であれば、受付やスタッフに会えることを楽しみにしているお年寄りや子どもも多いと考えられます。
また、待ち時間が発生している場合も、「どのくらい待つのか」「どの時間帯に再訪すれば比較的待ち時間が少なく診察できそうなのか」などを丁寧に説明してくれるスタッフがいれば、患者は安心することができます。
予約システムがなくても別の方法で利便性を確保している
「WEB予約はできないが電話でなら予約できる」「混雑していない時間帯を案内している」「会計の際、再診の予約をとっている」などであれば、予約システムがなくても患者が不便だと感じにくいといえます。
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患者の記述から見える3つの分岐点
続いては、アンケート回答者が、「この病院・クリニックには二度と来たくない」と強く感じることとなった3つの要因にフォーカスしていきます。
説明を遮られた瞬間
1つめの要因は、「医師の態度が冷たい・話を聞いてくれない」を選択した回答者の声として多くみられた「こちらの話を遮られる」です。たとえば次のような声が上がっています。
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「湿疹が悪化して受診したのですが、診察がとても雑に感じられました。患部を一瞬見ただけで“薬を出しておきます”とだけ言われ、こちらが症状の経過を説明しようとしても途中で遮られてしまい、質問にもほとんど答えてもらえませんでした。待ち時間は長いのに診察は数十秒で終わり、流れ作業のような対応に不安が強まり、別の医院へ変えることにしました」
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「発熱と強い倦怠感があったときに受診した際のことです。受付で体調の悪さを伝えたものの、スタッフの方には終始無表情で冷淡な対応をされて、非常に居心地が悪く感じました。また診察室に入っても、医師はこちらの顔を見ることもなくパソコンの画面ばかりを眺めていて、症状や不安に思っていることを説明しようとしても“ただの風邪ですね”と話を途中で遮られてしまいました。辛い体調の中で頼りにして受診したにもかかわらず、全く親身になってもらえず、不快感と大きな不信感だけが残る結果となりました」
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「慢性的な手荒れと湿疹の症状がなかなか良くならず、悩んで新しい皮膚科を受診しました。しかし、担当した医師は診察室に入った瞬間からパソコンの画面ばかり見てこちらを一度も目を合わせず、患部をほんの一瞬チラッと見ただけで“よくある手荒れですね”と一言で片付けられてしまいました。こちらから日常のケア方法について質問しようとしても遮られ、“薬を出しておくので様子を見てください”と冷たく言い放たれ、まったく親身になって話を聞いてもらえなかったため、不信感を抱き二度と通うのをやめました」
→「気になる症状について聞いてほしい」「治療や薬について質問したい」という患者の思いを無視して、簡単な診断で済ませようとすると、結果的に誤診となったり、あるいは患者が薬を誤った方法で使ったりといった可能性が考えられます。加えて、患者の医師に対する不信感も大きくなるので、患者の話にきちんと耳を傾けることはとても大切です。
別の医療機関で違う診断が出た
2つめの要因は、「別の医療機関で違う診断が出た」です。医師が「話を聞いてくれない」ことに不信感を覚え、病院・クリニックを変えたところ、誤診であることが発覚して、不信感が増したというものです。たとえば次のような声が上がっています。
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「のどの右側に違和感があり、痛みもあったので、仕事が忙しかったが早退し耳鼻咽喉科を訪れた。順番が回ってきて症状を伝えたところ、“のどの痛みに右も左もない”とのどの状態を見ることもなく言い放ち、かぜだと診断され、薬を出された。間違いなく右側が痛いし、風邪なんかでは絶対ないと確信があったので、翌日別の病院に行ったところ、肉芽腫だと診断された。最初の病院の医者の態度があまりにいい加減すぎて、二度と行くまいと誓った」
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「顔中にニキビのような出来物ができてしまった時に受診した皮膚科なのですが、何の検査もせずに“とりあえず保湿をしてください”とだけ言われ、ワセリンだけ処方されて終わった。もちろん治るはずもなく、違う皮膚科に行ったらアレルギー症状ということで抗生剤と塗り薬をもらいだんだん良くなってきた。混んでいるクリニックだったので機械的に回している感じがしてとても嫌でした」
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「結果、更年期だったのだが指の関節が痛いのと指の腫れが出てきたので リウマチかもしれないと思って整形外科に行き検査して数値にでなかったので違ったのだが、細かい症状を伝えても普通の捻挫や打ち身とかそういう痛みとひとくくりにされるような診断で、痛み止めと湿布だけ出すような感じ。婦人科系に疎いのに、さも知ったふうに小指だけじゃないので違う(小指だけだとへバーデン結節だがという感じの判断)!と言い切られ 結局産婦人科に行って小指以外の関節の痛みもそれに該当すると教えてもらったしテレビでも整形外科の先生が情報でこの症状の話を言ってるのをきいてやっぱりあの医者はおかしいと改めて思った。 よく知らないくせに勝手に言い切って反論したら勝手に不満そうにされて馬鹿にされたのは今思い出しても腹ただしい」
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「包丁で指を切って、数ヶ月経っても治らず、ぐじゅぐじゅしてきたので受診しました。めちゃめちゃ人気の病院なのもあって、期待していましたが…ちゃんと診てくれていない感じでした。話は丁寧に受け答えもしてくれましたが、何でこうなっているのか、みたいな説明はなく、菌が入ったわけではない、バンドエイドをしといてとだけ伝えられ、塗り薬を処方されました。結果、全く治らず。違う皮膚科に行ったところ、伝えられたことと真逆でバンドエイドで塞いではいけないし、きちんとどうなっているか伝えてくれました。すぐ治りました。はじめのところは美容皮膚科もしているところだったので、適当だったんだなと思いました」
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「私は野球をしており、肩が脱臼した。そのため、病院を受診したところ、炎症ですので数週間安静にしていれば治ります、と言われた。しかし、自分でも炎症のみのわけではないと思っており、それを伝えたが炎症以外考えられないと言われた。そのため、セカンドオピニオンを受診したところ、肩の靭帯が切れていることが判明した。診断内容に対しての信頼がなくなった」
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「足の膝下に湿疹ができた時に皮膚科に受診しました。 皮膚科なのである程度待ち時間は仕方ないんですが、先生が電子カルテ入力ばかりしてこちらを見ずに話を進めて、足の湿疹を見てくれたんですけど、乾燥ですねの一言。 膝下だけ乾燥なのがしっくりこなくて質問しても、乾燥だからと詳しく根拠を説明してくれなかった。 結局保湿剤だけだされて塗ってたけどよくなるわけもなく、痒みと痛みがあり膠原病内科に行ったらりんご病だと診断された。 医師の態度や説明が不十分だとそれだけで信頼感が下がるのに、誤診だったこともありもう行かないと決めました」
→「すべての知見を使っても正しい診断ができない」ということはもちろんあり得ます。ただし、「こういう症状の場合は大体この疾患だからこの薬を出しておけばいい」などと一辺倒な診断・治療を続けることは危険です。また、患者の話を聞かず、患部をよく見もせず、診断を下してしまうことも、よくない結果を招きかねません。最悪の場合、患者の命に関わることもあるので、初心を忘れることなく、一人ひとりの患者と真摯に向き合うことを大切にしましょう。
スタッフの私語が聞こえた
また、スタッフの私語に対して厳しい目を向ける回答もみられました。
- 「肌荒れが気になって仕事帰りに通えるクリニックを探して行ったのですが、まず事前のWEB予約や問診票のシステムが一切なくて、紙の問診票をその場で書いてから一時間以上待たされました。やっと呼ばれて診察室に入ったのは良かったのですが、受付の方の私語が待合室まで聞こえてきたり、お会計のときの対応がぶっきらぼうで冷たい印象を受けたりして、すごく残念な気持ちになりました」
→スタッフの私語に関しては、診察をしている院長は気づけない場合もあるかもしれません。しかし、院内でのマナーやルールについて定期的にスタッフにも見直してもらうようにすることで、スタッフの意識を育てることができますし、“スタッフ同士の目”でお互いに監視してもらうことにもつながるでしょう。
院長が明日から変えられること
患者が別の医療機関に乗り換えるのを防ぐために、院長が今すぐできることはいくつかあります。
患者の話を最後まで聞く時間をつくる
患者が通院を続ける理由の一つに、医師への信頼があります。
診察時間が限られていても、患者の話を遮らず、症状や不安を確認する姿勢は、診療への納得感につながります。
では、具体的にどういうアクションを取り入れるといいかというと次の通りです。
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診察の冒頭で「今日はどうされましたか?」と尋ねる
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患者の訴えを途中で遮らずに聞く
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患者が気になっていることを最後に確認する
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診察終了時に「ほかに気になることはありますか?」と声をかける
患者が「自分の話を聞いてもらえた」と感じられる診療を目指すことがポイントです。
診療方針をわかりやすく説明する
患者は、診断や治療内容だけでなく、「なぜこの治療をするのか」「今後どうなるのか」を理解したいと考えることがあります。
説明が不十分だと、患者が不安を抱えたまま通院を続ける可能性があります。
具体的にとりいれるべきアクションは次の通りです。
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検査や治療の目的を説明する
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専門用語をできるだけわかりやすく言い換える
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次回受診の目安を伝える
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患者が理解できたか確認する
たとえば、「今回の検査では、○○の状態を確認します。結果によって今後の治療方針を考えていきましょう」などと説明します。
待ち時間に対する不満を放置しない
予約システムがない医療機関では、患者が待ち時間を予測しにくい場合があります。待ち時間そのものを完全になくせなくても、患者が状況を把握できるようにすることは、明日から取り組める改善策です。
具体的に次のような方法が役立ちます。
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待ち時間が長くなる場合は、受付から説明する
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診療が遅れている理由を可能な範囲で案内する
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混雑する時間帯を把握する
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院長自身が待ち時間の実態を確認する
ただし、待ち時間への評価は患者によって異なるため、実際の不満を把握することが重要です。
受付・スタッフとの連携を見直す
患者が接するのは院長だけではありません。受付や看護職員の対応も、医療機関全体の印象に関係します。
院長のほうでまずすべきことは次の通りです。
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受付スタッフから患者の困りごとを聞く
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患者から寄せられた意見をスタッフと共有する
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説明不足や案内のばらつきを確認する
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スタッフが患者対応で困っていることを把握する
院長が現場の声を聞くことで、診察室からは見えにくい課題を発見できる可能性があります。
次回受診の理由を伝える
継続通院が必要な患者に対しては、次回受診の目的や目安を具体的に説明することが大切です。
たとえば、「次回は血液検査の結果を確認して、薬の効果を見ながら治療方針を調整しましょう」などと説明します。これによって、患者が次回受診の必要性を理解しやすくなります。
患者の不満を「クレーム」として片づけない
患者からの意見には、医療機関の改善につながる情報が含まれている場合があります。
たとえば、「待ち時間が長い」「説明がわかりにくい」「電話がつながりにくい」などです。これらを「そういわれても仕方ない」と一蹴するのではなく、「どうすれば改善できるか」を考えることが大切です。
必要に応じて、スタッフにも一緒に改善方法に関して意見を出してもらいましょう。
よくある質問
続いて、患者が通院をやめる理由に関してよくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. 症状が改善した患者が通院をやめるのは問題ですか?
A. 治療の終了や経過観察への移行が適切なケースもあります。一方で、患者が自己判断で通院を中断している場合は、病状の再発や悪化につながる可能性があります。治療終了の目安や継続受診の必要性を、患者にわかりやすく説明することが重要です。
Q. 患者が通院をやめる前兆はありますか?
A. 予約のキャンセルや無断キャンセルの増加、受診間隔の長期化、治療や薬に関する質問の減少などが、受診継続に関する変化のサインとなる場合があります。ただし、これらの行動だけで通院中断の意思を判断することはできません。
Q. 通院を辞めた患者に、医療機関から連絡してもよいですか?
A. 患者の病状や治療内容、連絡に関する同意や院内ルールなどを踏まえて判断する必要があります。受診が必要な患者への案内では、連絡の目的や受診の必要性を明確に伝え、患者のプライバシーにも配慮しましょう。
Q. 患者が通院を辞めた本当の理由を知るにはどうすればよいですか?
A. 患者アンケートや任意の聞き取り調査、受診中断の傾向分析などが方法として考えられます。「なぜ来なくなったのか」と直接尋ねるだけでなく、回答しやすい質問形式や匿名性にも配慮するとよいでしょう。
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患者の通院継続率が大きく向上する「一言」とは?
患者が通院をやめない病院・クリニックを目指すために、やるべきこと・やったほうがいいことはいくつかありますが、すべてを一度に変えることは難しい場合もあるでしょう。そのため、まずは誰にでもできる簡単な習慣をとりいれることをおすすめします。具体的にどのようなことかというと、診察終了時に患者に「ほかに気になることはありますか?」と質問するだけです。この一言があるだけで、患者は「この医師はちゃんと私の話を聞いてくれる」「信頼できる医者だ」と感じやすくなります。診療・治療に納得してもらい、患者に安心して通院してもらうためにも、まずはこの一言を習慣化することからはじめてみてはいかがでしょうか。
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
