在宅自己導尿指導管理料は、自然排尿が難しい患者が自宅で自己導尿を行う場合に、その指導管理を評価する点数です。算定の可否を分けるのは「対象疾患」と「残尿を伴う排尿困難」の2点で、実際の請求では特殊カテーテル加算の区分選びと、外来で行った処置が算定できなくなる点でつまずきやすくなります。
この記事では、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の点数表と留意事項通知に沿って、算定できる条件・できない条件、加算、記載のルールを順に整理します。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
在宅自己導尿指導管理料の点数と対象患者
| 区分 | 名称 | 点数 |
|---|---|---|
| C106 | 在宅自己導尿指導管理料 | 1,400点(月1回) |
点数表の注1で「在宅自己導尿を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅自己導尿に関する指導管理を行った場合に算定する」とされています。カテーテルの費用は管理料に含まれず、第2款の在宅療養指導管理材料加算(C163 特殊カテーテル加算)で算定します(注2)。
対象となる患者は、留意事項通知で次のように限定されています。次のいずれかに該当し、かつ残尿を伴う排尿困難があって、医師が在宅自己導尿を必要と認めた患者です。
| 対象疾患 | 例 |
|---|---|
| ア 神経因性膀胱 | 諸種の原因によるもの |
| イ 下部尿路通過障害 | 前立腺肥大症、前立腺癌、膀胱頸部硬化症、尿道狭窄等 |
| ウ 腸管を利用した尿リザーバー造設術の術後 | ― |
傷病名だけでなく「残尿を伴う排尿困難」があることが要件です。残尿測定の結果など、排尿困難の根拠をカルテに残しておくと、審査で対象患者かどうかを問われたときに説明できます。
在宅自己導尿指導管理料を算定できる条件とできない条件
在宅療養指導管理料には、第1款の通則と留意事項通知の共通ルールがかかります。C106に関係するものを、算定できる場面とできない場面に分けると次のとおりです。
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 患者本人または看護に当たる家族に指導し、カテーテル等を支給した | 算定できる |
| 同じ月に2回指導した | 月1回のみ。1回目の指導を行ったときに算定する |
| 来院した家族だけに指導し、患者本人を診ていない | 算定できない |
| 同じ医療機関で在宅酸素療法など別の在宅療養指導管理も行っている | 主たる指導管理の所定点数1つのみ(材料加算は別にそれぞれ算定できる) |
| 2つの医療機関が同じ在宅自己導尿の指導管理をしている | 主たる指導管理を行う医療機関だけが算定する |
| 入院中の患者に退院時に指導した | 退院の日に1回算定できる。その場合、同じ月の外来での指導管理料は算定しない |
| 退院月に、退院日に算定した医療機関とは別の医療機関で算定する | 算定できるが、摘要欄に算定理由を記載する |
在宅療養に必要な消毒薬、脱脂綿・ガーゼ等の衛生材料、カテーテルなどは医療機関が提供することとされ、加算として評価されるもの以外は管理料に含まれます。患者に購入させる運用は認められていません。
入院施設のない診療所が在宅療養指導管理料を算定する場合は、緊急時に連携できる入院施設のある医療機関で、緊急入院できる病床が常に確保されていることが求められます(留意事項通知 第2部第2節 通則10)。
特殊カテーテル加算(C163)の区分と親水性カテーテルの要件
在宅自己導尿に使うカテーテルは、C163 特殊カテーテル加算で算定します。在宅療養指導管理材料加算は原則として3月に3回に限り算定します。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 1 再利用型カテーテル | 400点 |
| 2 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル イ 親水性コーティングを有するもの(60本以上90本未満) | 1,700点 |
| 同上(90本以上120本未満) | 1,900点 |
| 同上(120本以上) | 2,100点 |
| 2 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル ロ イ以外のもの | 1,000点 |
| 3 間歇バルーンカテーテル | 1,000点 |
複数の種類を併せて使った場合は、主たるもの1つだけを算定します。
査定の対象になりやすいのは「2のイ 親水性コーティングを有するもの」です。留意事項通知で、次の条件がすべて付いています。
- 親水性コーティングが施され、包装内に潤滑剤が封入されていて開封後すぐ挿入できるものに限る
- 1月あたり60本以上使用した場合に算定する(他のカテーテルと合わせた本数を含む)。60本に満たない場合は、2のイ以外の主たるものの点数で算定する
- 医学的な妥当性が認められる場合に使うこととし、原則として次のいずれかに該当する患者:ア 脊髄障害、イ 二分脊椎、ウ 他の中枢神経を原因とする神経因性膀胱、エ その他
- 摘要欄に、アからエのいずれに該当するかと、要件を満たす医学的根拠を記載する
前立腺肥大症による排尿困難の患者は、C106の対象にはなりますが、2のイの原則対象であるアからウには当たりません。エ「その他」で算定する場合は、なぜ親水性カテーテルが必要かを摘要欄で具体的に説明します。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
在宅自己導尿指導管理料と同時に算定できない処置
C106を算定している外来患者には、次の処置を行っても費用を算定できません。管理料だけでなく、C106に係る材料加算・薬剤料・特定保険医療材料料のみを算定している患者も含まれます(入院中の患者と、医療型短期入所中の患者は除く)。
| 区分 | 処置 |
|---|---|
| J064 | 導尿(尿道拡張を要するもの) |
| J060 | 膀胱洗浄 |
| J060-2 | 後部尿道洗浄(ウルツマン) |
| J063 | 留置カテーテル設置 |
これらの処置に使った薬剤と特定保険医療材料の費用も算定できません。自己導尿の患者が来院したときに医療者が導尿をしても、処置料は立たないと覚えておくと、会計時の入力ミスを防げます。
在宅自己導尿指導管理料のカルテ記載とレセプト摘要欄
カルテには、在宅療養を指示した根拠、指示事項(方法、注意点、緊急時の措置を含む)、指導内容の要点を記載します(在宅療養指導管理料の共通の留意事項)。在宅自己導尿であれば、残尿量など排尿困難の根拠、導尿の回数と手技、感染徴候が出たときの受診の目安などが該当します。
レセプトは、診療報酬請求書等の記載要領に沿って次のように書きます。
| 場面 | 記載 |
|---|---|
| C106を算定 | 「在宅」欄のその他の項に名称と点数 |
| 特殊カテーテル加算を算定 | 名称と、加算を加えた点数を併せて記載 |
| 在宅自己導尿に用いる薬剤を院内で支給 | 薬剤の項に総点数。摘要欄に薬剤名と支給量等 |
| 特殊カテーテル加算「2のイ」を算定 | 摘要欄に留意事項通知のアからエのいずれかと、医学的根拠 |
| 退院日に他院が算定した月に自院で算定 | 摘要欄に算定理由 |
令和8年度改定での在宅自己導尿指導管理料の扱い
令和8年度診療報酬改定の個別改定項目に、在宅自己導尿指導管理料と特殊カテーテル加算の見直しは含まれていません。点数と要件は、上に挙げた令和8年度の点数表・留意事項通知のとおりです。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
在宅自己導尿指導管理料の算定前チェックリスト
- 傷病名が神経因性膀胱、下部尿路通過障害、尿リザーバー造設術後のいずれかで、残尿を伴う排尿困難の根拠がカルテにある
- 患者本人(または家族と本人)に指導し、指示の根拠・指示事項・指導内容をカルテに書いた
- カテーテルと衛生材料を医療機関から必要量支給した
- 同じ月に他の在宅療養指導管理料を算定していないか、算定しているならどちらが主たるものか決めた
- 親水性カテーテルは月60本以上で、摘要欄に該当要件と医学的根拠を書いた
- 同じ患者の外来で導尿・膀胱洗浄・留置カテーテル設置を算定していない
- 入院施設のない診療所は、緊急入院先の病床を確保している
よくある質問
月の途中から自己導尿を始めた場合も1,400点を算定できるか
指導管理を行い、カテーテル等を支給していれば、その月から月1回算定できます。日割りの規定はありません。
3か月分のカテーテルをまとめて渡したときの加算はどう算定するか
在宅療養指導管理材料加算は3月に3回に限り算定でき、留意事項通知では、連続する3月の間に前後の月を対象とする加算を併せて算定する扱いが示されています。対象となる月が重複しないように、どの月分の支給かをカルテに残しておきます。
親水性カテーテルを月50本しか使わない場合は
2のイは算定できません。2のイ以外の主たるもの(ディスポーザブルカテーテルなら2のロの1,000点)で算定します。
まとめ
在宅自己導尿指導管理料は、対象疾患に当てはまり残尿を伴う排尿困難がある外来患者に、月1回1,400点を算定します。カテーテルは特殊カテーテル加算で別に算定し、親水性タイプは月60本以上と摘要欄の医学的根拠が条件です。算定中の患者に外来で行った導尿・膀胱洗浄・留置カテーテル設置は算定できません。
電子カルテで在宅療養指導管理料の算定月と材料加算の対象月を管理しておくと、月の重複や併算定の誤りを会計前に見つけやすくなります。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
参考
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
- 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732127.pdf
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 個別改定項目について」 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
