外来栄養食事指導料の算定要件|対象患者と特別食、指導料1と2の違い、令和8年度の変更点

外来栄養食事指導料は、医師の指示を受けた管理栄養士が外来患者に栄養指導を行ったときに算定します。算定の可否を分けるのは、「対象患者か」「管理栄養士が誰か」「指導時間と回数」の3点です。管理栄養士のいないクリニックでも、外部の管理栄養士と組めば算定できる区分があります。

この記事では、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の点数表と留意事項通知に沿って、クリニックが算定するときの要件と、改定で変わった情報通信機器・電話による指導の扱いを整理します。外来化学療法の患者を対象にした注2・注3は、施設基準の届出が要り外来化学療法を行う医療機関向けの区分のため、ここでは扱いません。

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目次
  1. 外来栄養食事指導料の点数(令和8年度)
  2. 外来栄養食事指導料の対象患者と特別食
  3. 外来栄養食事指導料1と2の違い
  4. 外来栄養食事指導料の算定回数と指導時間
  5. 情報通信機器・電話による外来栄養食事指導と令和8年度の変更点
  6. 外来栄養食事指導料の栄養指導記録とレセプト記載
  7. 外来栄養食事指導料の算定前チェックリスト
  8. よくある質問
    1. 管理栄養士が週1日だけ来る非常勤でも指導料1を算定できるか
    2. 電話で栄養指導した場合は何を算定するか
    3. 診察と同じ日にオンラインで栄養指導できるか
  9. まとめ
  10. 参考

外来栄養食事指導料の点数(令和8年度)

区分 回 対面 情報通信機器
外来栄養食事指導料1(自院の管理栄養士) 初回 260点 235点
同上 2回目以降 200点 180点
同上 2回目以降の追加的な指導(③) ― 50点(情報通信機器または電話)
外来栄養食事指導料2(診療所が外部の管理栄養士と連携) 初回 250点 225点
同上 2回目以降 190点 170点
同上 2回目以降の追加的な指導(③) ― 45点(情報通信機器または電話)

③は令和8年度に新設された区分で、情報通信機器または電話による追加の指導を評価するものです(後述)。

外来栄養食事指導料の対象患者と特別食

対象は入院中の患者以外で、次のどちらかに当たる患者です。

  1. 厚生労働大臣が定める特別食を、医師が必要と認めた患者
  2. がん患者、摂食機能または嚥下機能が低下した患者、低栄養状態にある患者

特別食は、特掲診療料の施設基準等の別表第三に掲げられています。腎臓食、肝臓食、糖尿食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓食、脂質異常症食、痛風食、てんかん食、フェニールケトン尿症食などの先天性代謝異常の治療食、治療乳、無菌食、小児食物アレルギー食などです。留意事項通知では、心臓疾患などへの減塩食や、高度肥満症(肥満度+40%以上またはBMI 30以上)の治療食も特別食に含むとされています。

外来ならではの扱いとして、留意事項通知で次の2つが特別食に含まれるとされています。入院時食事療養の特別食加算とは範囲が違うので注意が必要です。

特別食に含まれるもの 条件
高血圧症の患者に対する減塩食 塩分の総量が6g未満のもの
小児食物アレルギー食 食物アレルギーを調べた結果(他院の結果を含む)から、食物アレルギーをもつことが明らかな16歳未満の小児

「摂食機能又は嚥下機能が低下した患者」は、医師が嚥下調整食(日本摂食嚥下リハビリテーション学会の分類に基づく)に相当する食事を要すると判断した患者です。「低栄養状態にある患者」は、GLIM基準で低栄養と判定された患者か、医師が栄養管理による低栄養状態の改善を要すると判断した患者を指します。

脂質異常症・高血圧症・糖尿病で通院するクリニックの患者の多くが対象になり得ますが、高血圧の減塩指導は6g未満の指示であることをカルテに残しておかないと、特別食の要件を満たしているか説明できません。

外来栄養食事指導料1と2の違い

指導料1 指導料2
指導する管理栄養士 自院の管理栄養士 自院以外の管理栄養士(日本栄養士会・都道府県栄養士会が運営する栄養ケア・ステーション、または他の保険医療機関の管理栄養士に限る)
算定できる医療機関 病院・診療所 診療所に限る
医師の指示 自院の医師 自院(診療所)の医師

管理栄養士は常勤である必要はなく、要件に合った指導をしていれば算定できます(留意事項通知(4))。週1日の非常勤で雇う場合は指導料1、雇わずに栄養ケア・ステーションへ依頼する場合は指導料2です。

医師から管理栄養士への指示は、熱量・熱量構成、蛋白質、脂質その他の栄養素の量、病態に応じた食事の形態などのうち、医師が必要と認めるものについて具体的に出すことが求められます。「栄養指導をお願いします」だけの依頼では要件を満たしません。

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外来栄養食事指導料の算定回数と指導時間

項目 要件
指導時間 初回はおおむね30分以上、2回目以降はおおむね20分以上
初回の月 月2回まで
その他の月 月1回まで
例外 初回の翌月に2回指導し、初回と2回目の間隔が30日以内なら、翌月に2回算定できる
指導の内容 患者ごとの生活条件・し好を勘案した食事計画案等を必要に応じて交付し、具体的な献立等で指導する

初回を月末に行い、2回目を翌月上旬に行う流れはよくあります。この場合、翌月にもう1回行うと、例外の条件(初回と2回目が30日以内)に当たれば翌月2回の算定が認められます。

併算定では、生活習慣病管理料の種類で扱いが分かれます。

同じ患者に算定している管理料 外来栄養食事指導料
生活習慣病管理料(Ⅰ) 所定点数に含まれ、別に算定できない
生活習慣病管理料(Ⅱ) 包括の対象から除かれており、別に算定できる

生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定している患者に栄養指導を行う場合は、外来栄養食事指導料を別に請求できます。

情報通信機器・電話による外来栄養食事指導と令和8年度の変更点

令和8年度の改定では、次の3点が変わりました(個別改定項目「情報通信機器等を用いた外来栄養食事指導料の見直し」)。

変更点 改定前 改定後
②の手段 電話または情報通信機器 情報通信機器のみ
追加的な指導 区分なし ③を新設。指導料1は50点、指導料2は45点、月1回
指導計画 対面と情報通信機器を組み合わせた計画が必要 対面のみ、または情報通信機器のみの計画でも可

③は、初回を対面か情報通信機器で行った患者に対し、2回目以降に情報通信機器または電話で追加の指導を行った場合に算定します。指導時間の定めはなく、必要な指導をすれば算定できます。ただし、同じ月に2回目以降の①・②を算定した場合は③を算定できません。

情報通信機器で指導する場合(②)は、次の要件がかかります。

  • 外来受診と同じ日に栄養指導を行う場合は、必ず対面で行う
  • 事前に指導計画を作成し、外来受診時の結果等をもとに見直す
  • 画面上で個人情報を扱う場合は患者の同意を得て、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等に対応する
  • 原則として医療機関内で行う

情報通信機器・電話の運用にかかる費用は、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として患者から別途徴収できます。

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外来栄養食事指導料の栄養指導記録とレセプト記載

管理栄養士は患者ごとに栄養指導記録を作り、指導内容の要点と指導時間を記載します。情報通信機器による指導(②)と追加的な指導(③)では、指導した年月日も記載します。

カルテ側には、医師の指示内容(熱量や栄養素量などの具体的な指示)と、対象患者であることの根拠(特別食の種類、低栄養の判定など)を残します。レセプトは「医学管理」欄に、区分ごとに定められた略号(例:外来栄養食事指導料1の初回対面は「外栄初対1」)で記載します。

よくある返戻・査定のパターンは次のとおりです。

  • 傷病名から特別食の対象と読み取れない(高血圧で減塩指導をしたが、塩分6g未満の指示が見えない など)
  • 翌月に2回算定したが、初回と2回目の間隔が30日を超えている
  • 生活習慣病管理料(Ⅰ)と同月に算定している
  • 同じ月に2回目以降の①または②と③を両方算定している

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外来栄養食事指導料の算定前チェックリスト

  • 特別食の対象疾患か、がん・摂食嚥下機能低下・低栄養のいずれかに当たる
  • 医師の指示に、熱量や栄養素量などの具体的な内容がある
  • 自院の管理栄養士なら指導料1、栄養ケア・ステーションや他院の管理栄養士なら指導料2(診療所のみ)
  • 初回30分以上、2回目以降20分以上を記録した
  • 初回の月は2回まで、その他の月は1回まで
  • 生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定している月ではない
  • 情報通信機器の指導は受診日と別の日で、指導計画がある
  • ③は同じ月に2回目以降の①・②を算定していない

よくある質問

管理栄養士が週1日だけ来る非常勤でも指導料1を算定できるか

算定できます。留意事項通知で、管理栄養士は常勤である必要はないとされています。

電話で栄養指導した場合は何を算定するか

令和8年度からは、2回目以降の②(情報通信機器)に電話は含まれません。初回を対面または情報通信機器で行った患者への2回目以降の追加的な指導であれば、③(指導料1は50点)で算定します。

診察と同じ日にオンラインで栄養指導できるか

外来受診と同じ日に栄養指導を行う場合は、対面で行う必要があります。情報通信機器による指導は受診日と別の日に行います。

まとめ

外来栄養食事指導料は、特別食やがん・嚥下機能低下・低栄養の患者に、医師の具体的な指示のもとで管理栄養士が指導したときに算定します。自院の管理栄養士なら指導料1、診療所が外部の管理栄養士と組むなら指導料2です。令和8年度からは、電話による指導が追加的な指導の③(50点・45点)に移りました。

指示内容、指導時間、指導日を電子カルテに残しておくと、回数制限や併算定の確認がしやすくなります。

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参考

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 個別改定項目について」 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
  • 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732127.pdf
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提供形態

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