在宅中心静脈栄養法指導管理料の算定要件|対象患者、輸液セット加算・注入ポンプ加算、算定できない注射とレセプト記載

在宅中心静脈栄養法指導管理料は、中心静脈栄養以外に栄養を保てない患者が自宅で中心静脈栄養を行うとき、その指導管理を評価する点数です。算定の可否を分けるのは「対象患者か」「どの加算を乗せるか」「同じ患者に算定できなくなる注射はどれか」の3点です。

訪問診療を行うクリニックでは、病院を退院して在宅へ移る患者を引き継ぐ形で算定を始めることがほとんどです。この記事では、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の点数表と留意事項通知に沿って、クリニックで算定するときの要件と、算定を始めると取れなくなる手技を整理します。

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目次
  1. 在宅中心静脈栄養法指導管理料と加算の点数(令和8年度)
  2. 在宅中心静脈栄養法指導管理料の対象患者
  3. 在宅中心静脈栄養法指導管理料で算定する輸液セット加算と注入ポンプ加算
    1. 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算(2,000点)
    2. 注入ポンプ加算(1,250点)
    3. 材料加算の「3月に3回」の数え方
  4. 在宅中心静脈栄養法指導管理料の患者に算定できない注射
  5. 在宅中心静脈栄養法で使う薬剤の扱い
  6. 在宅中心静脈栄養法指導管理料のレセプト記載
  7. 在宅中心静脈栄養法指導管理料の算定前チェックリスト
  8. よくある質問
    1. 輸液セットを月に10組使ったら、どう算定するか
    2. 病院が管理料を算定している患者に、クリニックが訪問診療で関わる場合は
    3. 高カロリー輸液を使わず、末梢からの輸液だけで在宅療養している患者は対象か
  9. まとめ
  10. 参考

在宅中心静脈栄養法指導管理料と加算の点数(令和8年度)

区分 点数 算定の単位
C104 在宅中心静脈栄養法指導管理料 3,000点 月1回
C160 在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算 2,000点 3月に3回まで
C161 注入ポンプ加算 1,250点 3月に3回まで

管理料と材料加算を合算して算定します。輸液セットと注入ポンプを両方使っている月は、3,000点+2,000点+1,250点で6,250点です。

在宅中心静脈栄養法指導管理料の対象患者

留意事項通知では、在宅中心静脈栄養法を「諸種の原因による腸管大量切除例又は腸管機能不全例等のうち、安定した病態にある患者について、在宅での療養を行っている患者自らが実施する栄養法」と定めています。

対象患者の要件は次の2つです。

  • 原因疾患を問わず、中心静脈栄養以外に栄養を維持することが難しい
  • 医師が、在宅中心静脈栄養法を行う必要があると認めている

短腸症候群や腸管機能不全のほか、がんなどで経口・経腸での栄養が保てない患者も、原因疾患を問わない要件なので対象になり得ます。入院中の患者は算定できません。

在宅療養指導管理料に共通する要件もかかります。

  • 医師が患者または看護にあたる人に、療法の方法・注意点・緊急時の措置を指導し、必要かつ十分な量の衛生材料と保険医療材料を支給する
  • 来院した看護者にだけ指導した場合は算定できない
  • 指示の根拠、指示事項、指導内容の要点を診療録に記載する
  • 入院施設を持たない診療所は、緊急入院できる病床を連携先の医療機関に常に確保しておく

在宅中心静脈栄養法指導管理料で算定する輸液セット加算と注入ポンプ加算

在宅中心静脈栄養法用輸液セット加算(2,000点)

「輸液セット」は、在宅で中心静脈栄養法を行うときに使う輸液用器具(輸液バッグ)、注射器、採血用輸血用器具(輸液ライン)を指します。

輸液セットを月に7組以上使う場合は、7組目以降の分を特定保険医療材料「在宅中心静脈栄養用輸液セット」として別に算定します(本体1,400円、付属品のフーバー針419円、輸液バッグ414円)。夜間に中心静脈栄養を行い、交換回数が多い患者が主な対象です。

注入ポンプ加算(1,250点)

在宅で中心静脈栄養法を行うために注入ポンプを使った場合に算定します。注入ポンプ加算は、在宅成分栄養経管栄養法や在宅麻薬等注射などにも共通の加算です。

材料加算の「3月に3回」の数え方

在宅療養指導管理材料加算は、特に規定する場合を除き3月に3回に限り算定します。連続する3か月の間に、前後の月の分をまとめて算定することもできますが、対象となる月が重なってはいけません。2か月分の材料を一度に渡した月に2回分を算定する、といった運用ができます。

材料加算は、要件を満たせば管理料を算定するかどうかにかかわらず算定できます。一方、保険医療材料の使用を要件とする加算(輸液セット加算がこれに当たる)は、同じ材料が保険薬局で調剤報酬として算定された場合は算定できません。院外処方で薬局から輸液セットを交付するなら、クリニック側で輸液セット加算は取りません。

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在宅中心静脈栄養法指導管理料の患者に算定できない注射

算定を始めると、次の注射が請求できなくなります。管理料そのものを算定していない月でも、材料加算や薬剤料・特定保険医療材料料だけを算定している患者には同じ制限がかかります。

手技 扱い
G005 中心静脈注射 算定できない
G006 植込型カテーテルによる中心静脈注射 算定できない
訪問診療の日に患家で行ったG001 静脈内注射・G004 点滴注射 算定できない(薬剤・特定保険医療材料の費用を含む)

在宅中心静脈栄養法指導管理料を算定した場合は、C005-2 在宅患者訪問点滴注射管理指導料も算定できません。

反対に、訪問診療の日に患家で中心静脈注射用カテーテル挿入(G005-2)を行った場合は、カテーテルの材料料と手技料を別に算定できます。

カテーテルの詰まりなどで交換した場合も、その都度、材料料と手技料を算定できます。

同じクリニックで2つ以上の在宅療養指導管理を行っている場合は、主たる指導管理の所定点数だけを算定します。ただし材料加算と、それぞれの指導管理で使った薬剤・特定保険医療材料の費用は別に算定できます。病院と診療所がともに関わっている患者では、主たる指導管理を行っている医療機関が算定します。

在宅時医学総合管理料を算定している月でも、在宅中心静脈栄養法指導管理料は別に算定できます。在宅時医学総合管理料に含まれる項目に、在宅中心静脈栄養法指導管理料は入っていません。

在宅中心静脈栄養法で使う薬剤の扱い

留意事項通知では、在宅中心静脈栄養法用輸液を「高カロリー輸液」とし、あわせてビタミン剤、高カロリー輸液用微量元素製剤、血液凝固阻止剤を投与できるとしています。高カロリー輸液以外の電解質製剤などは、別の区分(電解質製剤)として扱われます。

クリニックが薬剤を支給した場合は、在宅医療の薬剤料として算定します。在宅中心静脈栄養法用輸液は、厚生労働大臣の定める注射薬に含まれています。

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在宅中心静脈栄養法指導管理料のレセプト記載

記載要領では、次のように書くことになっています。

  • 在宅中心静脈栄養法指導管理料は、「在宅」欄の「その他」の項に名称と点数を記載する
  • 輸液セット加算・注入ポンプ加算を算定した場合は、あわせてそれぞれの名称と、加算を加えた点数を記載する
  • 在宅中心静脈栄養法に用いる薬剤または特定保険医療材料を支給した場合は、「薬剤」の項に総点数を記載する

退院した月の扱いにも注意が必要です。入院していた医療機関が退院日に在宅療養指導管理料を算定した場合、その医療機関は同じ月に外来や訪問診療で算定できません。退院日に算定した医療機関以外のクリニックが同じ月に算定するときは、摘要欄に算定理由を書きます。患者には、その月に入院していたかを確認しておきます。

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在宅中心静脈栄養法指導管理料の算定前チェックリスト

  • 中心静脈栄養以外に栄養を保てず、医師が必要と認めた患者である
  • 指導内容、指示事項、緊急時の措置をカルテに記載した
  • 緊急入院できる連携先の病床を確保している
  • 輸液セット加算は院外処方で薬局が材料を算定していない
  • 材料加算は3月に3回まで、対象月が重なっていない
  • 中心静脈注射・植込型カテーテルによる中心静脈注射を別に算定していない
  • 訪問診療日の静脈内注射・点滴注射を別に算定していない
  • 退院月は、入院先が退院日に算定していれば摘要欄に理由を書いた

よくある質問

輸液セットを月に10組使ったら、どう算定するか

輸液セット加算(2,000点)に加えて、7組目から10組目までの4組分を特定保険医療材料「在宅中心静脈栄養用輸液セット」として算定します。

病院が管理料を算定している患者に、クリニックが訪問診療で関わる場合は

同じ在宅療養指導管理料は、主たる指導管理を行っている医療機関だけが算定します。どちらが算定するかを連携先と事前に取り決めておかないと、二重請求になります。

高カロリー輸液を使わず、末梢からの輸液だけで在宅療養している患者は対象か

在宅中心静脈栄養法指導管理料は中心静脈栄養法の指導管理が対象です。末梢からの輸液だけの場合は、この管理料の対象にはなりません。

まとめ

在宅中心静脈栄養法指導管理料は、中心静脈栄養以外に栄養を保てない患者の自己実施を指導管理したときに月1回3,000点で算定し、輸液セット加算(2,000点)と注入ポンプ加算(1,250点)を合算します。算定を始めると、中心静脈注射や訪問日の点滴注射は請求できなくなります。

材料の支給月、薬局での材料算定の有無、入院の有無を電子カルテで追えるようにしておくと、3月に3回の管理と退院月の確認がしやすくなります。

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参考

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
  • 厚生労働省「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第73号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001665200.pdf
  • 厚生労働省「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第1号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686844.pdf
  • 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732127.pdf
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無床クリニック向け 在宅向け

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、