資格確認書・資格情報のお知らせ・期限切れ保険証の受付対応|クリニックの判定表と被保険者資格申立書の使い方

受付で迷いやすいのは、患者が出したものだけでは保険診療にしてよいか決まらない場面です。決め手は2つあります。何を提示されたか、そしてオンライン資格確認で資格が確認できたかです。

2026年8月1日から、期限切れの保険証で受診した患者を3割負担で受け付ける暫定措置はなくなりました。この記事では、クリニックの受付・医療事務・院長向けに、提示されたものとオンライン資格確認の結果の組み合わせから、保険診療・一旦自費・後日返金のどれにするかを判定表で示します。被保険者資格申立書を使える条件、返戻を防ぐ確認点、院内掲示の文例もまとめました。

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目次
  1. 2026年8月から期限切れの保険証は「保険証を忘れた場合」と同じ扱い
  2. クリニックの受付で資格確認に使えるもの4つ
  3. 資格確認書・お知らせ・期限切れ保険証の受付判定表
  4. 被保険者資格申立書を使える3つの条件と書いてもらう項目
  5. 返戻を防ぐレセプト請求の確認点|旧資格・不詳・資格確認書の照会
  6. 院内掲示と受付での声かけの文例
  7. スタッフ向けの資格確認の受付フロー
  8. 資格確認書の交付の仕組み|受付で知っておきたい範囲
  9. 資格確認書の受付対応についてよくある質問
    1. 資格情報のお知らせのコピーやスマートフォンの写真でも受け付けられますか
    2. 一旦自費にした患者が翌月に資格確認書を持ってきたら、返金できますか
    3. オンライン資格確認の機器が故障して誰も照会できないときはどうしますか
  10. まとめ
  11. 参考

2026年8月から期限切れの保険証は「保険証を忘れた場合」と同じ扱い

従来の健康保険証は、2025年12月1日で有効期限が終わりました。ただ、期限切れに気づかずに保険証を持ってくる患者や、「資格情報のお知らせ」だけを持ってくる患者は後を絶ちませんでした。そこで厚生労働省は、被保険者番号でオンライン資格確認システムに照会したうえで、3割などの負担で保険請求してよいとする暫定措置を設けました。期限は当初2026年3月末で、その後7月31日まで延びています。

この暫定措置は2026年7月31日で終わりました。厚生労働省の2026年7月1日付の事務連絡は、今後は期限切れの保険証だけを持ってきた場合、保険証を忘れた場合と同じ対応が基本になるとしています。マイナ保険証など有効な資格と本人を確認できるものを持っておらず、その場で資格を確認できない場合が対象です。

資格情報のお知らせだけを持ってきた場合も、扱いは同じと考えてよいでしょう。お知らせには「このお知らせのみでは受診できません」と印字されています。そのうえで、お知らせのみで受診できた根拠は、7月末で終わった暫定措置だけでした。

クリニックの受付で資格確認に使えるもの4つ

保険医療機関は、療養担当規則第3条により、患者が保険診療を求めたときは資格を確認しなければなりません。確認方法として規則に書かれているのは、オンライン資格確認(電子資格確認)と資格確認書の提示です。患者がマイナ保険証での確認を求めた場合は、オンライン資格確認で応じる義務があります。例外は、紙レセプトでの請求が認められている医療機関です。

受付で使えるものは、次の4つです。

提示されるもの 単独で保険診療にできるか 補足
マイナ保険証(カード、または対応施設ならスマートフォン) できる 顔認証付きカードリーダーで確認する
資格確認書 できる 被保険者番号でオンライン資格確認に照会する
マイナンバーカード+資格情報のお知らせ、またはマイナポータルの資格情報画面 マイナ保険証が読めないときに限りできる お知らせ単独、画面単独では不可
被保険者資格申立書 条件付きでできる マイナンバーカードを提示した初診患者だけ(後述)

マイナンバーカードの電子証明書が切れていても、有効期限が来た月の末日から3か月間は、マイナ保険証として資格情報を確認できます。この間は通常どおり受け付けてください。期限切れの通知が出ても、医療保険の資格がなくなったわけではありません。

資格確認書・お知らせ・期限切れ保険証の受付判定表

提示されたものとオンライン資格確認の結果の組み合わせで、受付の対応は次のように分かれます。「保険診療」は3割などの一部負担金で受け付け、資格を確認したうえで保険請求することを指します。

提示されたもの オンライン資格確認の結果 受付の対応
マイナ保険証 資格(有効) 保険診療
マイナ保険証 「資格(無効)」「資格情報なし」、読み取りエラー、機器の不具合 マイナポータル画面かお知らせで確認できれば保険診療。できなければ、再診は口頭で確認して保険診療、初診は被保険者資格申立書で保険診療
マイナ保険証(スマートフォン)だが自院が未対応 照会できない その場でマイナポータルの資格情報画面を出してもらえれば保険診療。出せなければ一旦自費
資格確認書 資格(有効) 保険診療
資格確認書 資格(無効) 転職・転居などで加入先が変わっていないかを聞く。新しい資格が確認できれば、その資格で保険診療。確認できない場合の扱いは院内ルールで決めておく(下記)
資格情報のお知らせのみ カードがないため照会できない 保険証を忘れた場合と同じく一旦自費。マイナンバーカードを持っていれば、カードで受け付ける
期限切れの保険証のみ 照会できない、または資格(無効) 保険証を忘れた場合と同じく一旦自費。財布にマイナンバーカードや資格確認書がないか必ず確かめる
何も持っていない 照会できない 一旦自費。後日、有効なものの提示があれば返金して保険請求する(院内ルール)

資格確認書を出したのに「資格(無効)」と返る場合は、資格を失った後の受診である可能性があります。ただし資格確認書は規則に書かれた正規の確認方法なので、「無効なら必ず自費」とは決まっていません。そのまま保険請求すると返戻になりやすく、預り金で受け付ければ患者の負担が増えます。どちらにするかを院長と事前に決め、受付ごとに判断が変わらないようにしておきます。

「一旦自費」にした後の返金にも、全国共通の決まりはありません。よくあるのは、レセプトを出す前の同じ月のうちに有効なものを持ってきてもらえれば、差額を返して保険請求する運用です。期限を過ぎたら、患者が加入先に療養費を申請して払い戻しを受ける流れになります。患者への説明のしかたは保険証を忘れたときの対応の記事にまとめています。

なお、緊急でやむを得ず資格を確認できず、資格があることが明らかな患者は、規則上の確認義務の例外にあたります。

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被保険者資格申立書を使える3つの条件と書いてもらう項目

被保険者資格申立書は、マイナ保険証で受け付けられなかった患者に、加入している保険を申し立ててもらう書類です。これがあれば、被保険者番号が分からなくても3割などの負担で保険診療にできます。厚生労働省の資料では、次の3つすべてに当てはまる場合に限って使えるとされています。

  1. 受診時点で有効な保険資格を持っている
  2. マイナンバーカード(実物)を提示している
  3. 自院での初診である

資格確認書だけ、スマートフォンのマイナ保険証だけを出した患者には使えません。期限切れの保険証だけ、何も持っていない患者にも使えません。

再診の患者は、申立書は要りません。過去の受診で資格情報を持っていれば、変更がないかを口頭で確かめ、その資格で請求します。同じ月に2日以上通う患者は、次の来院時に資格を確かめて、判明した資格で請求します。

申立書の書き忘れや誤りは、そのまま返戻につながります。特に間違えやすいのは次の2項目です。

  • 保険種別:「社保」と「国保」の書き間違いは審査支払機関で補正できない
  • 連絡先電話番号:後日、資格を確かめるときに必要になる

返戻を防ぐレセプト請求の確認点|旧資格・不詳・資格確認書の照会

マイナ保険証で受け付けられなかったときの請求は、次の順で選びます。

  1. 現資格:患者から聞き取るなどして分かった、現在の被保険者番号で請求する
  2. 旧資格:「資格(無効)」の画面や過去の受診歴から分かった、以前の被保険者番号で請求する
  3. 不詳:申立書の内容を摘要欄に書き、被保険者番号等は「7」を必要な桁数分入れて請求する

旧資格で請求しても、新しい保険者が資格を登録していれば、審査支払機関のレセプト振替・分割機能で請求先が自動で切り替わります。過去の資格が分かるなら、不詳ではなく旧資格で出します。

不詳で請求する前には、患者から資格情報の連絡が来ていないかを確かめます。連絡がなければ、こちらから電話して確認します。摘要欄には、不詳である旨、カナ氏名、保険種別、保険者等の名称、事業所名、住所、連絡先、患者へ連絡した日を書きます。厚生労働省は、患者の連絡先の未記入が特に多く、資格を特定できずに返戻になるケースがあると注意を促しています。

資格確認書を出されたときも、照会は省かないでください。厚生労働省は、照会すれば資格を失った後の受診に気づけるので、返戻を防ぐためにも受診のたびにオンライン資格確認をするよう求めています。月の途中で転職した患者の資格確認書は、券面だけでは有効に見えるからです。

オンライン資格確認の対応状況をまとめた資料があります

受付での確認や返金の手間は、資格確認をオンラインで完結できるかどうかで変わります。経過措置の考え方と、対応ベンダーの一覧をまとめました。

オンライン資格確認の解説と対応ベンダー一覧を見る

院内掲示と受付での声かけの文例

暫定措置が終わったことを知らない患者は、まだ一定数います。受付の前で揉めないよう、掲示と予約時の案内で先に伝えておきます。

院内掲示の文例です。

受付では、マイナ保険証(マイナンバーカード)か資格確認書をご提示ください。
従来の健康保険証は有効期限が終わっており、2026年8月1日からはご利用いただけません。
「資格情報のお知らせ」だけでは受診できません。マイナンバーカードと一緒にお持ちください。
いずれもお持ちでない場合は、医療費をいったん全額お支払いいただきます。
当月中に有効なものをお持ちいただければ、差額をお返しします。

最後の1文は、返金のルールを決めている院だけが載せます。施設基準など、ほかの院内掲示とあわせて整えるなら、院内掲示のテンプレートの記事も参考になります。

期限切れの保険証を出されたときの声かけの例です。

こちらの保険証は有効期限が終わっていて、今日から保険の確認に使えなくなっています。マイナンバーカードか、保険者から届いた「資格確認書」はお持ちではないですか。

何も持っていない患者への説明の例です。

本日は医療費をいったん全額お支払いいただきます。今月中にマイナンバーカードか資格確認書をお持ちいただければ、差額をお返しします。

予約の電話やウェブ予約の確認メールにも、「マイナ保険証か資格確認書をお持ちください」と一文入れておくと、当日の一旦自費が減ります。

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スタッフ向けの資格確認の受付フロー

受付スタッフが迷わないよう、判断の順番を1枚にしておきます。

  1. 「マイナンバーカードか資格確認書はお持ちですか」と最初に聞く。期限切れの保険証を出されても、まずこの質問をする
  2. マイナンバーカードがあれば、顔認証付きカードリーダーで受け付ける
  3. 資格確認書があれば、被保険者番号で照会する。無効なら加入先が変わっていないか聞く
  4. カードで受け付けられないときは、マイナポータル画面かお知らせ、再診なら口頭、初診なら申立書の順で確かめる
  5. どれでも確認できなければ一旦自費にし、返金のルールと期限を伝え、連絡先を控える
  6. 申立書や旧資格で受け付けた患者は、レセプト提出前にリストで洗い出し、資格を確かめてから請求する

資格確認書の交付の仕組み|受付で知っておきたい範囲

資格確認書は、マイナ保険証を持っていない人に、加入している保険者から申請なしで交付されます。対象は、マイナンバーカードを持っていない人、健康保険証の利用登録をしていない人、登録を解除した人、電子証明書が切れた人です。高齢者や障害のある人など、マイナンバーカードでの受診が難しい人は、申請すれば交付を受けられます。

有効期限は5年以内で、保険者が決めます。形もカード型、はがき型、A4の紙、電子的な提供と保険者ごとに違います。受付では、書類の上部に「資格確認書」と書かれているかを見て、資格情報のお知らせと区別します。

後期高齢者医療の加入者には、2026年7月末まで全員に資格確認書が交付されていました。8月以降は、85歳以上の人と、マイナ保険証を普段使っていない84歳以下の人に資格確認書が届きます。マイナ保険証を普段使っている84歳以下の人には、資格情報のお知らせが届きます(千葉県後期高齢者医療広域連合の例)。高齢の患者が資格情報のお知らせだけを持ってきた場合は、マイナンバーカードを持っていないか確かめてください。

資格確認書の受付対応についてよくある質問

資格情報のお知らせのコピーやスマートフォンの写真でも受け付けられますか

受け付けられません。お知らせは、マイナンバーカードと一緒に紙で提示されたときだけ使えます。スマートフォンで見せる場合は、マイナポータルの資格情報画面(PDFでの保存も可)をマイナンバーカードと一緒に提示してもらいます。

一旦自費にした患者が翌月に資格確認書を持ってきたら、返金できますか

返金するかどうかは院内のルールによります。レセプトの提出後に請求を出し直す手間がかかるため、返金の期限はレセプトを出す前の「当月中」にしておくと扱いやすくなります。期限を過ぎた場合は、患者が加入先に療養費を申請します。協会けんぽの場合、領収書と診療内容を書いた証明書が必要です。

オンライン資格確認の機器が故障して誰も照会できないときはどうしますか

マイナンバーカードを出した患者は、マイナポータル画面かお知らせ、再診なら口頭確認、初診なら被保険者資格申立書で保険診療にできます。資格確認書を出した患者は、券面で資格を確かめて受け付け、復旧後に照会します。

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まとめ

2026年8月から、期限切れの保険証や資格情報のお知らせだけでは保険診療にできなくなりました。受付では、提示されたものとオンライン資格確認の結果の組み合わせで対応を決めます。被保険者資格申立書は、マイナンバーカードを出した初診の患者だけに使えます。資格確認書の照会、申立書の保険種別と連絡先、一旦自費にしたときの返金ルールの3つを院内で決めておけば、返戻と受付での揉め事を減らせます。

参考

  • 厚生労働省「資格確認方法について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50657.html
  • 厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45470.html
  • 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40406.html
  • 厚生労働省保険局「マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行に向けた準備セミナー」資料 https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001598112.pdf
  • 厚生労働省「オンライン資格確認 QA集」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24976.html
  • 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第3条 https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50000100015
  • 厚生労働省保険局医療介護連携政策課 事務連絡「健康保険証の有効期限終了に伴う今後の医療機関・薬局の受診時等の対応について(周知)」(令和8年7月1日。岐阜県保険医協会掲載) https://gifu-hkn.jp/2026/07/post-1625/
  • 厚生労働省保険局医療課・医療介護連携政策課 事務連絡「健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(周知)」(令和7年6月27日。日本病院会掲載) https://ajhc.or.jp/siryo/20250627-k.pdf
  • 全国健康保険協会「医療費の立替(療養費)」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/medical_expenses/001/index.html
  • 千葉県後期高齢者医療広域連合「資格確認書について」 https://www.kouiki-chiba.jp/site/seido/5130.html
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無床クリニック向け 在宅向け

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提供形態

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診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、