施設基準の院内掲示テンプレート|クリニックが掲示・ウェブ掲載する事項の一覧と、そのまま使える掲示文(令和8年度対応)

クリニックの院内掲示は、届け出た施設基準の数だけ増えていきます。しかも、掲示の中身は加算ごとに通知で決められていて、「届出をしています」と書くだけでは足りないものがあります。

この記事は、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の通知をもとに、診療所が掲示しなければならない事項を根拠ごとに一覧にし、そのまま貼れる掲示文をまとめたものです。自院が届け出ている加算の分だけ選んで使ってください。個々の加算の算定要件は、それぞれの解説記事にリンクしています。

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目次
  1. 施設基準の院内掲示が必要になる4つの根拠
  2. 施設基準の院内掲示とウェブサイト掲載の一覧(診療所で届け出ることが多い加算)
  3. 院内掲示テンプレート(全クリニック共通の4枚)
    1. 医療法の掲示(管理者・医師・診療時間)
    2. 施設基準の届出事項の掲示
    3. 明細書発行の掲示
    4. 保険外負担(実費徴収)の掲示
  4. 加算ごとの院内掲示テンプレート
    1. 一般名処方加算
    2. 電子的診療情報連携体制整備加算
    3. 生活習慣病管理料・地域包括診療加算
    4. 機能強化加算
    5. 外来感染対策向上加算
    6. 時間外対応体制加算
    7. 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算(院内処方の診療所)
  5. 施設基準以外で院内掲示しておくもの
  6. 施設基準の院内掲示を貼る場所と見直しのタイミング
  7. よくある質問
    1. ホームページがないクリニックもウェブ掲載が必要か
    2. 掲示物は1枚にまとめてもよいか
    3. 届出が要らない加算も掲示が必要か
  8. まとめ
  9. 参考

施設基準の院内掲示が必要になる4つの根拠

院内掲示の義務は、次の4つの根拠から生まれます。ウェブサイトへの掲載が必要かどうかも根拠によって違います。

根拠 掲示する事項 ウェブサイト掲載
医療法第14条の2 管理者の氏名、診療に従事する医師の氏名、医師の診療日と診療時間 規定なし
療担規則第2条の6+掲示事項等告示 届出事項(施設基準)、明細書の発行状況、保険外負担(実費徴収) 原則として必要
療担規則第5条の4 保険外併用療養(選定療養など)の内容と費用 原則として必要
各加算の施設基準通知 加算ごとに決められた文言 加算ごとに規定

「原則として」とされているのは、自ら管理するホームページ等を持たない保険医療機関は、この限りではないとされているためです。ホームページがあるなら、院内の掲示と同じ内容をウェブサイトにも載せる前提で準備します。

掲示事項等告示の留意事項通知(令和8年3月27日保医発0327第6号)は、届出事項について「届出を行ったことにより患者が受けられるサービス等を分かりやすく掲示する」ことを求めています。加算の名前を並べるだけでなく、患者にとって何があるのかを一言添えるのがこの記事のテンプレートの考え方です。

施設基準の院内掲示とウェブサイト掲載の一覧(診療所で届け出ることが多い加算)

加算・施設基準 掲示する内容 院内 ウェブ
一般名処方加算 医薬品の供給状況、長期収載品の選定療養を踏まえ、一般名処方の趣旨を患者に説明すること 必要 原則必要
電子的診療情報連携体制整備加算 オンライン資格確認で取得した情報を診療に活用していること、マイナ保険証の促進など医療DXへの取り組み、詳細な明細書を無料で交付していること 必要 原則必要
明細書発行体制等加算 詳細な明細書を無償で交付していること 必要 規定なし(明細書の発行状況は告示で原則必要)
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ) 28日以上の長期投薬またはリフィル処方箋の交付に対応できること 必要 規定なし
地域包括診療加算 健康相談・予防接種の相談、介護支援専門員等からの相談への対応、28日以上の長期投薬またはリフィル処方箋への対応 必要 原則必要
機能強化加算 かかりつけ医機能として行っている対応(服薬管理、専門医への紹介、健康診断結果の相談、保健・福祉サービスの相談、時間外の緊急時対応の情報提供)、医療機能情報提供制度で医療機関を検索できること 必要 必要(ホームページ等)
外来感染対策向上加算 院内感染防止対策の取り組み、発熱患者等の受け入れを行うこと(公表) 必要 規定なし
時間外対応体制加算 対応者、緊急時の対応体制、連絡先(院内掲示・文書配布・診察券への記載などで周知) いずれかで周知 規定なし
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算 後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいること(受付・支払窓口)、医薬品の供給不足時の対応と、薬剤が変わる可能性があること 必要 原則必要
情報通信機器を用いた診療 初診で向精神薬を処方しないこと、オンライン診療指針のチェックリスト ― 必要

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算は、院内処方で後発医薬品を調剤している診療所向けの加算です。令和8年度改定で外来後発医薬品使用体制加算が廃止され、医薬品の安定供給に資する体制の評価として新設されました。

院内掲示テンプレート(全クリニック共通の4枚)

どのクリニックにも必要な掲示です。【】の部分を自院の内容に置き換えて使います。

医療法の掲示(管理者・医師・診療時間)

【医療機関名】
管理者 【氏名】
診療を担当する医師 【氏名】(【曜日】)、【氏名】(【曜日】)
診療日・診療時間 【月〜金 9:00〜12:30/15:00〜18:30、土 9:00〜12:30】
休診日 【日曜・祝日】

医師ごとに担当曜日が違うなら、曜日と時間帯が分かる表にしておきます。

施設基準の届出事項の掲示

当院は、厚生労働大臣の定める施設基準に適合しているものとして、【〇〇厚生局長】に次の届出を行っています。

・【機能強化加算】 かかりつけ医として、他の医療機関の受診状況やお薬の把握、専門医療機関へのご紹介、健康診断の結果に関するご相談などに対応しています。
・【外来感染対策向上加算】 院内感染防止対策を講じたうえで、発熱などの症状がある方の診療を行っています。
・【外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)】 職員の賃金の改善に取り組んでいます。

届出の受理通知に書かれた名称をそのまま使い、1行ずつ「患者が受けられること」を添えます。届出を取り下げた加算は、掲示からも外します。

明細書発行の掲示

当院では、医療の透明化や患者さんへの情報提供を推進する観点から、領収証の発行の際に、個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を無料で発行しています。
明細書には、使用した薬剤の名称や行われた処置などの名称が記載されます。明細書の発行を希望されない方は、会計窓口でお申し出ください。

明細書発行の考え方と、発行を希望しない患者への対応は「明細書発行体制等加算とは?」で整理しています。

保険外負担(実費徴収)の掲示

当院では、以下の項目について、実費のご負担をお願いしています。
・診断書(当院書式) 【〇〇円】
・【証明書名】 【〇〇円】
・【予防接種名】 【〇〇円】
なお、衛生材料等の治療(看護)行為及びそれに密接に関連した「サービス」や「物」についての費用の徴収や、「施設管理費」等のあいまいな名目での費用の徴収は、一切認められていません。

後半の一文は、留意事項通知の掲示例にある文言です。実費を取っていない項目まで並べる必要はありませんが、この一文は残します。

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加算ごとの院内掲示テンプレート

届け出ている加算の分だけ使います。

一般名処方加算

当院では、後発医薬品のある医薬品について、特定の医薬品名を指定するのではなく、薬剤の成分をもとにした一般名処方(一般的な名称により処方箋を発行すること)を行う場合があります。
医薬品の供給が不安定な状況でも、一般名処方によって、薬局で在庫のある同じ成分の医薬品を受け取ることができます。
後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)を、医療上の必要性がないのに患者さんのご希望で選ばれた場合は、選定療養として特別の料金がかかります。
ご不明な点は、医師または受付にお尋ねください。

通知が求める3つの要素(供給状況、長期収載品の選定療養、一般名処方の趣旨の説明)がすべて入っています。詳しくは「一般名処方加算の施設基準」をご覧ください。

電子的診療情報連携体制整備加算

当院は、診察室でオンライン資格確認等システムにより取得した診療情報・薬剤情報等を活用して診療を行っています。
マイナ保険証の利用を促進するなど、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいます。
算定した診療報酬の区分・項目の名称と点数を記載した詳細な明細書を、無料で交付しています。
【加算1を地域の診療情報共有ネットワークへの参加で満たす場合】当院は【ネットワーク名】に参加しており、【医療機関名】と診療情報を共有しています。

令和8年度改定で医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算が再編され、この加算になりました。要件の全体は「電子的診療情報連携体制整備加算の要件・掲示・届出」で解説しています。

生活習慣病管理料・地域包括診療加算

当院では、患者さんの状態に応じ、28日以上の長期の投薬、またはリフィル処方箋の交付に対応しています。
【地域包括診療加算の場合】健康相談、予防接種に関するご相談を受け付けています。介護支援専門員(ケアマネジャー)、相談支援専門員からのご相談にも対応しています。

機能強化加算

当院は、かかりつけ医として次の対応を行っています。
・他の医療機関の受診状況、処方されているお薬を把握し、必要な服薬管理を行います
・症状に合わせて、専門の医師・医療機関をご紹介します
・健康診断の結果などに関するご相談に応じます
・保健・福祉サービスに関するご相談に応じます
・診療時間外を含む、緊急時の対応方法をお知らせします
地域のかかりつけ医機能を持つ医療機関は、医療機能情報提供制度(医療情報ネット)で検索できます。

機能強化加算は、この内容を書いた文書を院内の見やすい場所に置き、患者が持ち帰れるようにすることも施設基準です。掲示とあわせて、A4の配布用を受付に置きます。

外来感染対策向上加算

当院では、院内感染防止対策として、感染管理の担当者を中心に、標準予防策の徹底、職員への研修、院内の定期的な巡回を行っています。
発熱など感染症を思わせる症状のある方も、受診歴の有無にかかわらず診療を行っています。来院前にお電話ください。時間や動線を分けてご案内します。

時間外対応体制加算

診療時間外のお問い合わせは、【電話番号】で【対応者:医師/看護職員】が受け付けます。
緊急時は【対応の流れ:当院で対応/連携医療機関をご案内】します。電話がつながらなかった場合は、折り返しご連絡します。

院内掲示のほか、同じ内容を診察券に書くか文書を渡すことでも周知の要件を満たせます。

地域支援・外来医薬品供給対応体制加算(院内処方の診療所)

当院は、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用に積極的に取り組んでいます。
医薬品の供給が不足した場合には、処方内容の変更などで適切に対応できる体制を整えています。そのため、お渡しするお薬が変わる場合がありますが、その際は十分にご説明します。

前半の一文は、受付と支払窓口の見やすい場所に掲示することが求められています。

算定を間違えないカルテの選び方

算定や記録の抜け漏れは、カルテ側で必要な情報が見えるかどうかで変わります。選ぶときに何を見ればよいかを整理した資料です。

一番やさしい電子カルテの選び方ブックを見る

施設基準以外で院内掲示しておくもの

施設基準ではないものの、掲示やウェブ掲載が求められる、または掲示しておくと窓口の説明が減るものです。

項目 根拠・位置づけ 詳しい記事
長期収載品の選定療養 保険外併用療養として掲示が必要(療担規則第5条の4) 長期収載品の選定療養とは?
カスタマーハラスメントへの対応方針 2026年10月から事業主に防止措置が義務づけられる カスハラ義務化は2026年10月から
休診・臨時休診のお知らせ 医療法の診療日・診療時間の掲示を変える場面 休診のお知らせ例文&貼り紙テンプレート

施設基準の院内掲示を貼る場所と見直しのタイミング

  • 通知の文言は「保険医療機関の見やすい場所」。受付や待合室など、患者が必ず通る場所に貼ります
  • 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算のように「受付及び支払窓口」と場所が指定されているものは、その場所に貼ります
  • ウェブサイトは、トップページから1〜2クリックで届く「院内掲示事項」のページにまとめると、更新忘れが減ります
  • 届出を行った保険医療機関は、毎年8月1日時点で施設基準の適合性を確認して報告します。この確認のときに、掲示の内容と届出の一覧が合っているかも見直します
  • 新しく届出をした日、届出を取り下げた日、医師の担当曜日を変えた日は、その日のうちに掲示とウェブを直します

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詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

よくある質問

ホームページがないクリニックもウェブ掲載が必要か

自ら管理するホームページ等を持たない保険医療機関は、ウェブサイトへの掲載は求められていません。院内の掲示は必要です。

掲示物は1枚にまとめてもよいか

通知は掲示する内容を定めていて、枚数や様式は定めていません。1枚にまとめても、加算ごとに分けても差し支えありません。受付と支払窓口のように場所の指定があるものだけ、その場所に貼ります。

届出が要らない加算も掲示が必要か

一般名処方加算や明細書発行体制等加算は届出が要りませんが、院内掲示そのものが施設基準の一部です。掲示がなければ施設基準を満たさず、算定できません。

まとめ

クリニックの院内掲示は、医療法、療担規則と掲示事項等告示、選定療養、各加算の施設基準という4つの根拠から決まります。療担規則と多くの加算は、ホームページがあればウェブサイトへの掲載も原則として求めています。

届出一覧と掲示の対応表を1枚作っておき、届出を変えるたびに掲示とウェブを同じ日に直すと、施設基準の不備で算定を落とすことを防げます。

参考

  • 医療法 第14条の2(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205
  • 保険医療機関及び保険医療養担当規則 第2条の6・第5条の4(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/332M50000100015
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の実施上の留意事項について」の一部改正について(令和8年3月27日保医発0327第6号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732116.pdf
  • 厚生労働省「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第7号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732097.pdf
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732104.pdf
Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、