特定疾患処方管理加算の算定要件|56点・28日以上の数え方と、令和8年度改定で外れた胃潰瘍の扱い

特定疾患処方管理加算は、診療所または許可病床数200床未満の病院が、別に定める疾患を主病とする外来患者に28日以上の処方をしたときに、月1回56点を加算する項目です。処方料(F100)と処方箋料(F400)のどちらにも同じ加算があります。

2つの改定で形が変わっています。令和6年度改定で「加算1」「加算2」の区分がなくなり、令和8年度改定(2026年6月1日施行)では胃潰瘍・十二指腸潰瘍に除外条件が付きました。古い資料のまま運用していると、算定できない処方で請求してしまいます。

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目次
  1. 特定疾患処方管理加算の点数と位置
  2. 令和6年度改定で加算1が廃止され、56点に一本化された
  3. 算定できる条件は6つ
    1. 28日以上はリフィル処方箋の合計でも数えられる
  4. 対象疾患は告示の別表第一で決まる
    1. 令和8年度改定で胃潰瘍・十二指腸潰瘍に除外条件が付いた
  5. 生活習慣病管理料を算定した月は算定できない
  6. レセプトの摘要欄に書くこと
  7. 返戻・査定になりやすいパターン
  8. よくある質問
    1. 処方した薬のうち1剤だけが28日分でも算定できますか
    2. 初診の日に算定できますか
    3. リフィル処方箋で14日分を2回とした場合は算定できますか
    4. 令和8年度改定で点数は変わりましたか
  9. まとめ
  10. 参考

特定疾患処方管理加算の点数と位置

区分 加算の位置 点数 回数
F100 処方料 注5 56点(1処方につき) 月1回
F400 処方箋料 注4 56点(1処方につき) 月1回

院内処方なら処方料に、院外処方なら処方箋料に加算します。同じ月に処方料と処方箋料の両方を算定した場合でも、どちらか一方の加算として月1回に限られます。

令和6年度改定で加算1が廃止され、56点に一本化された

令和6年度改定の概要では、次の見直しが示されています。

改定前(令和4年度) 令和6年度改定後
特定疾患処方管理加算1(28日未満の処方) 廃止
特定疾患処方管理加算2(28日以上の処方)66点 特定疾患処方管理加算 56点
リフィル処方箋は対象外 リフィル処方箋も算定可

令和8年度の告示でも、処方料・処方箋料ともに「特定疾患処方管理加算 56点」のままで、1・2の番号はありません。レセコンやカルテに「加算2」の名称が残っていれば、マスタが古い可能性があります。

同じ令和6年度改定では、特定疾患療養管理料と特定疾患処方管理加算の対象疾患から、脂質異常症・高血圧・糖尿病が除外されました。

算定できる条件は6つ

留意事項通知(F100の(9))で示されている条件を、事務で確認する順に並べます。

  1. 診療所または許可病床数200床未満の病院であること
  2. 患者が入院中以外で、別に定める疾患(特定疾患)を主病としていること
  3. 特定疾患に対する薬剤の処方期間が28日以上であること。その患者に処方した薬剤すべてが28日以上である必要はない
  4. 2以上の診療科を受診している場合は、主病と認められる特定疾患の治療に当たっている診療科でのみ算定する
  5. 初診料を算定した初診の日でも算定できる
  6. やむを得ない事情で、看護等に当たっている人から症状を聞いて薬剤を投与した場合でも算定できる

28日以上はリフィル処方箋の合計でも数えられる

処方箋料の注4では、リフィル処方箋の複数回の使用による合計の処方期間が28日以上の処方も対象に含めています。たとえば1回14日分を2回使えるリフィル処方箋は、合計28日として扱えます。

処方料(院内処方)側には、このリフィルの読み替えはありません。

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対象疾患は告示の別表第一で決まる

対象は「特掲診療料の施設基準等」の別表第一に掲げる疾患で、特定疾患療養管理料と共通です。

分野 対象疾患
感染症・腫瘍 結核、悪性新生物
内分泌・代謝 甲状腺障害、処置後甲状腺機能低下症、スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害、ムコ脂質症、リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症(家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限る)、リポジストロフィー、ローノア・ベンソード腺脂肪腫症
循環器・脳血管 虚血性心疾患、不整脈、心不全、脳血管疾患、一過性脳虚血発作及び関連症候群
呼吸器 単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎、詳細不明の慢性気管支炎、その他の慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、喘息、喘息発作重積状態、気管支拡張症
消化器 胃潰瘍及び十二指腸潰瘍(下記の除外あり)、胃炎及び十二指腸炎、肝疾患(経過が慢性なものに限る)、慢性ウイルス肝炎、アルコール性慢性膵炎、その他の慢性膵炎
その他 思春期早発症、性染色体異常、アナフィラキシー、ギラン・バレー症候群

脂質異常症は、家族性高コレステロール血症等の遺伝性疾患に限って対象です。通常の脂質異常症・高血圧症・糖尿病を主病とする患者では算定できません。

令和8年度改定で胃潰瘍・十二指腸潰瘍に除外条件が付いた

令和8年度改定で、別表第一の「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」は次のように1行にまとめられました。

胃潰瘍及び十二指腸潰瘍(消化性潰瘍のある患者への投与が禁忌である非ステロイド性抗炎症薬の投与を受けている場合を除く。)

消化性潰瘍の患者に禁忌とされている非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の投与を受けている患者は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病としても対象から外れます。この改正は特定疾患療養管理料にも同じくかかります。

事務側でできるのは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を主病とする患者のレセプトで、同じ月にNSAIDsの処方が無いかを見ることです。どの薬剤が禁忌に当たるかは添付文書で決まるため、判断は医師・薬剤師と確認してください。

生活習慣病管理料を算定した月は算定できない

令和6年8月29日の疑義解釈資料(その11)で、次の取扱いが示されています。

  • 特定疾患処方管理加算は、特定疾患療養管理料と同じ特定疾患を対象に処方した際に算定できる
  • 特定疾患療養管理料と生活習慣病管理料は併算定できない
  • したがって生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定した月は、算定日とは別の日であっても特定疾患処方管理加算は算定できない

生活習慣病管理料に切り替えた患者で、加算が自動算定のまま残っていないかを確認します。

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レセプトの摘要欄に書くこと

記載要領の別表Ⅰでは、処方料・処方箋料の特定疾患処方管理加算について、隔日投与、漸増投与、漸減投与、週1回投与などで投与する場合にその旨を記載することとされています。

処方日数だけでは28日以上に見えない処方でも、隔日投与などで実際の処方期間が28日以上になる場合があります。摘要欄に投与方法が書かれていないと、審査側は28日以上かを確認できません。

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返戻・査定になりやすいパターン

パターン 根拠
高血圧症・糖尿病・(遺伝性でない)脂質異常症を主病として算定している 令和6年度改定で別表第一から除外
NSAIDsを投与中の胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者で算定している 令和8年度改定で除外条件が追加
特定疾患に対する薬剤が28日未満の処方で算定している 加算1は令和6年度に廃止済み
同じ月に処方料と処方箋料の両方に加算している いずれか一方で月1回
生活習慣病管理料を算定した月に算定している 令和6年8月29日の疑義解釈
主病を診ていない診療科で算定している 主病の治療に当たる診療科のみ
隔日・漸減等の投与で、摘要欄に投与方法の記載がない 記載要領の別表Ⅰ
200床以上の病院で算定している 診療所または200床未満の病院に限る

よくある質問

処方した薬のうち1剤だけが28日分でも算定できますか

算定できます。特定疾患に対する薬剤の処方期間が28日以上であればよく、処方したすべての薬剤が28日以上である必要はないと留意事項通知に書かれています。28日以上の薬剤が、主病の特定疾患に対するものであることが前提です。

初診の日に算定できますか

算定できます。初診料を算定した初診の日でも算定できることが、留意事項通知に明記されています。

リフィル処方箋で14日分を2回とした場合は算定できますか

院外処方(処方箋料)であれば算定できます。処方箋料の注4で、リフィル処方箋の複数回の使用による合計の処方期間が28日以上の処方も対象とされています。

令和8年度改定で点数は変わりましたか

令和8年度の告示でも56点です。変わったのは対象疾患で、胃潰瘍・十二指腸潰瘍に非ステロイド性抗炎症薬の除外条件が付きました。

まとめ

特定疾患処方管理加算は、診療所または200床未満の病院で、別表第一の疾患を主病とする患者に28日以上の処方をしたとき、処方料か処方箋料のどちらかに月1回56点を加算します。令和6年度に加算1が廃止されて28日以上に一本化され、令和8年度には胃潰瘍・十二指腸潰瘍に非ステロイド性抗炎症薬の除外条件が加わりました。

まず確認するのは、主病が別表第一に入っているか、生活習慣病管理料を算定した月ではないか、の2点です。隔日投与や漸減投与の患者は摘要欄の記載も忘れずに入れます。

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参考

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