往診料の点数と算定要件|緊急・夜間・休日・深夜加算の判定表と、訪問診療料と同じ日に算定するときのレセプト記載

往診料は、患者や家族から電話などで求められ、医師が必要と判断して臨時に患家へ行ったときの点数です。定期的・計画的に行く訪問診療とは算定の仕組みがまったく別で、両者の違いと在宅医療の始め方は「訪問診療と往診の違い」にまとめています。

この記事では、往診料を請求する医療事務の方と院長に向けて、往診のたびにレセプトで迷うところに絞ります。加算がいくらになるかは「時間帯」だけでなく、「患者がどの区分か」と「自院が在宅療養支援診療所か」の組み合わせで決まります。ここを取り違えると、1回の往診で数百点から千点以上ずれます。

内容は令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)の告示・留意事項通知・施設基準通知・記載要領で確かめています。

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目次
  1. 往診料は720点、算定できるのは求めに応じた臨時の往診だけ
  2. 往診料の緊急・夜間・休日・深夜加算は患者と医療機関の区分で決まる
    1. 「往診料に規定する患者」に当たる4つの場合
    2. 加算の点数表
  3. 往診料の加算の時間帯は何時から(判定表)
    1. 患家での診療が1時間を超えたとき
  4. 往診料と訪問診療料を同じ日に算定できる場合
  5. 同じ家や施設で2人以上を診たときの往診料
  6. 往診料と一緒に算定するもの、往診料が算定できない往診
  7. 往診料のレセプト摘要欄に書くこと
  8. よくある質問
    1. 往診料の夜間加算は何時からですか
    2. かかりつけでない人から往診を頼まれました。加算は付きますか
    3. 往診の日に再診料の外来管理加算は取れますか
    4. 往診の翌日に家族が薬だけ取りに来ました。再診料は取れますか
  9. まとめ
  10. 参考

往診料は720点、算定できるのは求めに応じた臨時の往診だけ

往診料(C000)は720点です。令和8年度改定でも基本点数は変わっていません。

留意事項通知では、算定できるのは次の流れを踏んだときに限られます。

  1. 患者または家族など看護に当たる人が、医療機関に電話などで直接往診を求める
  2. その医療機関の医師が往診の必要性を認める
  3. できるだけ速やかに患家へ行って診療する

定期的・計画的に患家へ行った場合は往診料を算定できません。月2回決まった曜日に行っているなら、それは訪問診療(在宅患者訪問診療料)で請求します。

往診料は単独では請求しません。初診料または再診料(外来診療料)とセットで算定し、留意事項通知では、往診料を算定した場合にも、再診料の外来管理加算と、初診料の夜間・早朝等加算を算定できるとされています。

往診料の緊急・夜間・休日・深夜加算は患者と医療機関の区分で決まる

往診料の注1の加算は、次の2つを掛け合わせて決まります。

  • 患者が、告示で定める「往診料に規定する患者」に当たるか
  • 自院が、機能強化型の在宅療養支援診療所か、それ以外の在宅療養支援診療所か、どちらでもないか

「往診料に規定する患者」に当たる4つの場合

施設基準通知(第14の4)では、次のいずれかに当たる患者で、患者または家族などが往診を行う医療機関に電話等で直接往診を求め、医師が必要性を認めたものとされています。

# 患者の条件
1 自院で、過去60日間に在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)または在宅がん医療総合診療料を算定している
2 連携する医療機関で、過去60日間に同じ点数を算定している(連携医療機関が診療情報の共有体制を持ち、対応できない時間帯の連絡先を患者に文書で渡していることが条件)
3 過去180日間に自院の外来を受診し、再診料・外来診療料・小児科外来診療料(再診時)・地域包括診療料・小児かかりつけ診療料(再診時)・外来腫瘍化学療法診療料(再診時)を3回以上算定している
4 自院が協力医療機関になっている介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホームに入所していて、情報共有などの要件を満たしている

在宅療養支援診療所の届出をしていない一般のクリニックで、外来のかかりつけ患者から呼ばれる往診は、3に当たるかどうかが分かれ目です。「過去180日に再診料などを3回以上」は、レセコンの算定履歴で数えて確かめられます。初めて受診する人や、半年に1回しか来ない患者からの往診依頼は、3には当たりません。

加算の点数表

医療機関の区分 患者の区分 緊急往診加算 夜間・休日往診加算 深夜往診加算
イ 機能強化型の在支診(病床あり) 規定する患者 850点 1,700点 2,700点
イ 機能強化型の在支診(病床なし) 規定する患者 750点 1,500点 2,500点
ロ イ以外の在宅療養支援診療所 規定する患者 650点 1,300点 2,300点
ハ 在支診ではない医療機関 規定する患者 325点 650点 1,300点
ニ 区分を問わない 規定する患者以外 325点 405点 485点

在支診ではない一般のクリニックで、外来のかかりつけ患者(上の3に当たる人)を深夜に往診すると、往診料720点に深夜往診加算1,300点が付きます。同じ深夜往診でも3に当たらない患者なら加算は485点です。差は815点で、患者の区分を確かめずに一律で入力すると、ここがずれます。

イ〜ハについては、在宅医療充実体制加算・在宅療養実績加算1・2の届出をしていれば、それぞれ200点・75点・50点がさらに加わります(注8)。

往診料の加算の時間帯は何時から(判定表)

加算の時間帯は留意事項通知で決まっています。

加算 時間帯 付かない場合
緊急往診加算 標榜時間内で、外来診療に従事している時間(概ね午前8時から午後1時まで) 標榜時間外。緊急性の要件を満たさない往診
夜間往診加算 午後6時から午前8時まで(深夜を除く) その時間帯が標榜時間に含まれている
休日往診加算 日曜・祝日、1月2日・3日、12月29日〜31日 休日が標榜日になっている
深夜往診加算 午後10時から午前6時まで その時間帯が標榜時間に含まれている

緊急往診加算の「緊急」は、患者や家族の訴えから速やかに往診しなければならないと判断した場合で、通知は具体的に、急性心筋梗塞・脳血管障害・急性腹症などが予想される場合を挙げています。15歳未満の小児(小児慢性特定疾病の対象なら20歳未満)では、低体温・けいれん・意識障害・急性呼吸不全などが予想される場合も含まれます。また、自院か連携先が訪問診療をしている、医学的に終末期と考えられる患者への往診も対象です。

緊急往診加算は「午前中の外来を抜けて行った往診」の評価と覚えておくと判定しやすくなります。午後の休診時間や夕方以降の往診には付きません。夕方以降は夜間・深夜の加算で見ます。

患家での診療が1時間を超えたとき

患家での診療時間が1時間を超えると、患家診療時間加算として30分またはその端数ごとに100点が付きます(注2)。数えるのは実際に診療に当たっていた時間で、交通の都合などで患家に滞在した時間は入りません。

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往診料と訪問診療料を同じ日に算定できる場合

在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の注1は、訪問診療を算定する日には往診料を算定しないとしています。留意事項通知も、往診料・訪問診療料・訪問看護指導料などは同じ日に1つしか算定できないのが原則です。

例外は訪問診療をした後に病状が急変して、もう一度往診に行った場合です。この場合は同じ日でも往診料を算定できます。レセプトの摘要欄には、往診が必要になった理由をコメント(830100086)で書きます。

同じ日に起きたこと 請求
定期の訪問診療だけ 訪問診療料
定期の訪問日を待たず、呼ばれて臨時に行った 往診料(初診料または再診料と)
訪問診療の後、急変で呼ばれてもう一度行った 訪問診療料+往診料。摘要欄に理由(830100086)
往診の後、家族が薬だけ取りに来院した 再診料は算定しない

特別の関係にある医療機関同士でも同じ扱いで、片方が訪問診療料を算定した日は、もう片方は訪問診療料等を算定できません。ただし急変で往診した場合の往診料は例外です。

同じ家や施設で2人以上を診たときの往診料

同じ患家、または有料老人ホームなどでホーム全体を1つの患家とみなすのが適当な場合に、2人以上を診療したときは、2人目以降は往診料を算定しません。2人目以降は初診料または再診料と、検査・処置などの特掲診療料だけを算定します。

2人目以降の患者の診療時間が1時間を超えた場合は、その旨を摘要欄に書いたうえで、患家診療時間加算を算定できます。

夫婦で暮らす家に往診して両方を診た、という場面がこれに当たります。2人分の往診料を入れてしまうと返戻になります。

訪問診療のカルテに求められること

在宅の算定は要件が細かく、記録の書き方で査定が変わります。訪問先で記録を完結させる仕組みについてまとめました。

在宅医療(訪問診療)向けの資料を見る

往診料と一緒に算定するもの、往診料が算定できない往診

場面 扱い
患家に行ったが、すでに他の医師が診ていて診察しないで帰った 往診料は保険の対象外。患者負担
保険診療を目的に、定期または不定期に事業所へ出向いて診療した 往診料として扱わない
定期的・計画的に行う対診 往診料は算定しない
患家が医療機関から半径16kmの外で、そこから往診する絶対的な理由がない(患者の希望だけ) 保険では算定せず患者負担
往診にかかった交通費(自家用車を含む) 実費を患家が負担。自転車・スクーターの費用は往診料に含まれる

16kmの判定は直線距離で、自院を中心にした半径16kmの円の外に患家があるかどうかで見ます。道のりではありません。

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往診料のレセプト摘要欄に書くこと

記載要領の別表Ⅰで、往診料に関係するコメントは次のとおりです。※は令和8年6月1日適用として追加されたものです。

場面 書くこと コメントコード
訪問診療料と同じ日に往診料を算定した 病状の急変など往診が必要になった理由 830100086
連携医療機関で過去60日以内に訪問診療料などを算定している患者(上の表の2) 訪問診療を行っている医療機関の名称 830100814
協力医療機関になっている介護保険施設の入所者(上の表の4) 入所している施設の名称 830100815
在支診が、普段訪問診療をしている患者に、氏名を事前に伝えていない医師が往診した ※ 往診日と往診した医師の氏名 850100499/830100932
往診時医療情報連携加算を算定した ※ 定期的に訪問診療を行っている医療機関の名称 830100990
患家診療時間加算 診療時間 114000970
在宅療養支援診療所の指示で連携医療機関が往診した 「支援」と、指示した在支診の名称 830100085

氏名を事前に伝えていない往診医の記載は、令和8年度改定で留意事項通知に加わった項目です。夜間・休日を当番の医師で回している在支診では、どの医師が行ったかを往診記録に残しておかないと、レセプトを作る段階で分からなくなります。

よくある質問

往診料の夜間加算は何時からですか

夜間往診加算は午後6時から翌午前8時まで、深夜往診加算は午後10時から午前6時までです。どちらも、その時間帯が自院の標榜時間に入っていると算定できません。

かかりつけでない人から往診を頼まれました。加算は付きますか

付きますが、点数が低い区分になります。告示で定める患者に当たらない場合は、医療機関の区分にかかわらず、緊急325点・夜間休日405点・深夜485点です。

往診の日に再診料の外来管理加算は取れますか

取れます。留意事項通知に、往診料を算定した場合にも再診料に加えて外来管理加算を算定できると書かれています。

往診の翌日に家族が薬だけ取りに来ました。再診料は取れますか

取れません。留意事項通知で、往診や訪問診療の後に患者や家族が単に薬剤を取りに来た場合は、再診料・外来診療料を算定できないとされています。

まとめ

往診料720点そのものは迷いませんが、加算は「患者の区分 × 医療機関の区分 × 時間帯」の掛け算です。一般のクリニックでは、往診を受けた患者が過去180日に再診料などを3回以上算定しているかを確かめるのが最初の作業になります。

訪問診療の日に急変で往診したとき、同じ家で2人を診たとき、在支診で当番医が往診したときは、摘要欄の書き方が決まっています。往診の記録に「誰が・何時に・なぜ」を残しておけば、請求の段階で迷いません。

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参考

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、