眼科クリニックの集患・増患ポイントとは?|認知拡大~リピーター獲得のヒント

クリニックの開業を考えたとき、忘れてはならないのが「いかに患者さんに来てもらうか?」です。

医師といえども開業後は個人事業主。従業員のためにも、ある程度は「稼ぐ」必要があります。経営がうまくいかずに潰れてしまっては、ご自身だけでなく、その地域の医療にもダメージを与えることになりかねません。

今回は眼科クリニックを対象に、いかにして自院を認知してもらうのか?いかにしてリピーターを増やすのか?などについて解説します。

眼科クリニックの「診療圏」について

集患ポイントをお伝えする前に、まずは眼科クリニックの「診療圏」についてお伝えします。

診療圏とはそもそも、「クリニックに通える人がいる範囲」を指し、「その場所にクリニックを開業した場合、1日当たりどのくらいの患者数を見込めるのか」を把握するための調査を、診療圏調査と言います。

この診療圏の大きさは、診療科目や、患者数の大小によっても変わります。

例えば開業クリニック数が最も多い内科の場合、ほとんどの患者さんは、家や勤務先の最寄りのクリニックを選ぶでしょう。

そのため、電車で移動する人が多い都市部であれば駅徒歩3分以内、郊外であれば車で5~10分以内を診療圏とするケースが多いようです。

では、眼科の場合はどうなのか?についてですが、特定の疾患に対応している診療科は、急を要する患者は少ないと考えられます。

ただ、手術など1回だけで済む場合は別としても、何度も通うことになる場合は、遠すぎたら選んでもらえないこともあります。

地域人口や競合クリニックの特性などなどあらゆる要素が絡み合うために一概には言い切れませんが、まずはおおよそ「内科の2~3倍程の大きさ」で考えて見るといいでしょう。

この診療科目の特性と診療圏の大きさを踏まえて、どのような集患方法があるのか?について以下で解説します。

 

眼科クリニックの「集患ポイント」とは?

まずは、眼科クリニックの「集患」(患者さんを集めること。この記事では主に「知ってもらうため」にできること、とします。)について、オンライン・オフラインの両面から見ていきます。

まず大事なのは「独自性」

「開業時にはコンセプトが大事です」とはよく言われていますが、眼科のように、特定の器官に対する処置を行う診療科にとっては、より重要なものとなっています。

内科など患者数が多く、症状も軽い風邪や腹痛などの場合が多い診療科に比べ、眼科など特定器官の疾患に対応する診療科では、来院前のリサーチには多くの時間をかけることが多いもの。医師の技量や人柄、診療内容、立地やクリニックの内観・外観、口コミに至るまであらゆる面で比較を行った上で訪れるのです。

さらには「広い診療圏」の影響もあります。診療圏が広くなると、それだけ対象の患者さんも増えますが、同時に、同じ診療圏内に競合クリニックが存在する可能性も高くなります。

「眼科」として行う保険診療はある程度決まってくることもあって、何かしらの独自性を出し、他のクリニックとの差別化を図る必要があります。その独自性を上手くコンセプトとしてアピールできれば、競合に負けないクリニックとなるでしょう。

また、競合にない独自の強みを得たときには、しっかりとHPなどで宣伝しておきましょう。地名を含めておくと、診療圏内のローカルSEO効果も期待できます。 >>ローカルSEOとは? クリニックのHP◆知識ゼロの医師が開業後半年足らずでSEO上位を獲得できたワケ

そのためにも、自院の診療圏はどのくらいなのか?患者さんの属性はどうか?診療圏内にはどんな競合がいる(競合は何を強みとしている)のか?などについてしっかりと調査し、そのうえで差別化を図れるようにアイデアを出していく必要があります。

競合が手術を行っている場合は、基本的には、こちらも同様かそれ以上の施術を提供する必要があるかと思います。

中には、眼瞼下垂などの手術ノウハウを活かしながら、自身の夢であった美容皮膚科を併設したクリニックもあります。 >>【開業医にインタビュー:ヨーダー公子 医師】患者需要を把握し、眼科から皮膚科・美容皮膚科まで展開した経緯とは

このケースでは、目の治療のついでとして患者さんの悩みに寄り添ったことが新たな集患・増患の手掛かりとなっています。

このように、患者ニーズを見つけ(探り)、自院に積極的に取り入れていくことも、競合クリニックとの差別化の1つのヒントとなるでしょう。

次の項からは、実際に眼科の場合はどんな集患方法があるのか?について、オンラインとオフラインに分けて解説します。

 

眼科の集患方法

ホームページの作成・運用(SEO対策)

現代のクリニック運営において、オンライン戦略の基本中の基本です。

ホームページがなければ、ネット上で正しい情報を発信できる場所を得られないのと同じだといってもいいと思います。つまり、それだけ「患者さんから選ばれないクリニック」になってしまう、ということです。

検索の結果、ホームページが見つからなければ他院へと流れてしまう可能性も高くなります。

また、ホームページの内容についても気を付けなければなりません。

患者さんが欲しい情報(有益な情報はなにか?)を意識できていないと、内容が専門的になりすぎるケースもあります。そうなると当然、患者さんには「わかりづらい」印象を与え、来院にもつながらなくなってしまうでしょう。 >>クリニックのHPで集患・増患するには?|医療ブランディングを手がける株式会社シンフォニカル・戸川侑英さまインタビュー

さらにホ―ムページは作るだけでなく、運用していかなければ意味を成しません。運用する際には「SEO」を意識する必要があります。

SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、日本語では「検索エンジン最適化」と言われるものです。

「何かのキーワード(「新宿 眼科」「東京 レーシック おすすめ」など)で検索された際に、検索ユーザーの目につきやすい場所に自らのサイトやコンテンツを表示させるための施策」を指します。

例えば、自院でレーシックの手術を行っている場合には「レーシック手術とはどういうものか?」を解説する記事を掲載するのもいいでしょう。

レーシックという手術方法そのものの説明や、視力が回復する仕組みやの解説、さらに起こりうるデメリットと、それを解消するために自院で行っている対策、または自院での実績について、などのコンテンツがあると患者さんの選択の助けにもなります。

デメリットに対する対策に説得力があると安心感を持てますし、施術依頼につながることもあるでしょう。

どのサイトのどんなコンテンツが「目につきやすいところ」に表示されるかはGoogleのアルゴリズムで決まっていますが、そのアルゴリズムは定期的に変動します。

その影響によって、自院のWebサイトやコンテンツの表示される順位が下がってしまうこともあります。よって、定期的なテコ入れも必要になってきます。

Googleアナリティクスなどの分析ツールを用いてアクセス数などの数値は定期的に観測しておくと、ユーザーに人気のコンテンツがどんなものかもわかるうえ、アルゴリズムの変動に合わせた内容の変更などにも活かせます。

MEO対策

MEOとは、「Map Engine Optimization」の略で、Googleマップを対象とした地図エンジンにおいて最適化を図ることを指します。

「地域名+業種」で検索した際、Googleマップの枠に表示される事業所は上位3位までと決まっています。そのため、クリニックを開業しているエリアにおいて検索されたとき、ここに入ることができるよう施策を講じておかないと、患者の目に留まらなくなってしまう可能性が大きくなります。「近くにあること」を認知してもらうためにも、必須の対策です。

まずは自院の基本的な情報(住所、電話番号、HPや予約フォームへのリンク、院内外の写真など)についてGoogleビジネスプロフィールにしっかりと記入し、最新情報などがあればそちらも都度更新しましょう。 >>クリニックの集患に欠かせないMEO対策とは?|基礎知識~押さえておきたいポイントをご紹介

Googleマップ上には患者さんからの口コミも書き込まれるため、クリニックの評価にも影響します。星5や星4などの高評価であればプラスになりますが、星1や星2などの低評価の場合、そのほとんどが医師をはじめとしたスタッフへの苦言や、待ち時間の長さなどクリニックでの体験について書かれるものです。

中には事実とは乖離した、感情のままに書き込まれた理不尽なものもあるでしょう。

そうした低評価コメントには、自院に非がある場合にはしっかりと謝罪をしたうえで改善をする旨を、自院に非がない場合にはしっかりと「事実のみを客観的に書く」ことがおすすめです。

クリニック側が感情のまま反論してしまうと、クリニックの印象はより悪い方へと行ってしまうので注意しましょう。 >>クリニックの低評価口コミから見る患者の心理とは?対処法も併せて解説

近くのクリニック(特に眼科は重点的に)がどんな口コミ対策を行っているのかを定期的ンチェックしておくのもいいでしょう。

リスティング広告を打つ

リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンでなにかのキーワードを検索した際、検索結果の上位に表示される頭に「広告」の文字が入っているものがこれに該当します。

そのキーワードの検索結果の上位に表示されるため、「広告を打って目につくようになったおかげでアクセスが増える」効果が期待できます。

しかしその代わり、URLをクリックされるたびに広告費が発生します。費用は「検索ワード」によってまちまちですが、ビッグワード(検索される数が多いワード)については1クリックあたりの値段が相対的に高くなります。

実際の通院につながらないことも少なくないため、やはり広告をクリックした先のリンクページ(ほとんどの場合はクリニックのホームページになると思いますが)の出来も重要です。

ここでも重要なのは「競合との差別化」です。

競合にはない自院の強みをしっかりと文面でアピールできると、その分集患力も向上します。

SNSを活用する

ホームページには、診察時間や診察内容、ドクターのプロフィールやクリニックからのメッセージなどのベーシックな情報を載せ、SNSで最新の情報を発信するのも1つの手法です。

ホームページのトップページに最新情報を載せておいた場合、サイトを訪問してくれた人には見てもらえますが、クリニックから患者に直接情報を届けに行くことはできません。

一方、TwitterやFacebook、Instagramなどで情報を発信すれば各SNSのタイムラインに表示されるため、情報収集に対して受け身な人にも最新の情報が届きやすくなります。

とくに、美容皮膚科を併設したり、レーシック手術を専門としていたりする場合は、ターゲットには若年層が多くなることもあり、その世代の利用割合が多いSNSに広告を出すことも有効です。

最新の機器による施術を受けられることや価格がリーズナブルな点をアピールすると、多くのターゲットに注目されるでしょう。

多くの施術例を掲載できると、SNS自体がそのまま宣伝媒体としての強みを持ちます。自院で運用を行える場合は掲載料などもかからないので、低コストかつ高リターンが期待できるものと言えるでしょう。

 

眼科クリニック・リピーター獲得のヒント

次に、リピーター獲得のためのポイントについてもいくつかご紹介します。

院内での対策

クリニックに寄せられるクレームの中で最も大きなものが「待ち時間が長い」という声です。

多くのクリニックで様々な対策が取られていますが、なかには、待合室のモニターに自院で行っている施術方法の解説動画を流すこともあるようです。

そうすることによって、体感の待ち時間を軽減する効果も期待できますし、施術の内容も理解してもらえたうえ、その施術の依頼にもつながる可能性があります。

会計時の待ち時間対策としては、自動精算機を導入するなどキャッシュレス決済への対応や、後払い決済を行えるようにしておく、などが考えられます。

院内での待ち時間対策については、こちらの記事も併せてご覧ください。 >>クリニックの「待ち時間」はクレームの原因に…改善のためにできること

コンタクト併設

眼科で最もリピート率の高い検査・処方といえば、やはりコンタクトではないでしょうか。

視力矯正のみならず、美容やおしゃれの面からも需要が高く、また一定期間での交換が推奨されているものでもあるため、非常に大きな収入源となるでしょう。

コンタクトレンズの購入に処方箋は必須ではないとはいえ、医師による診断や所見がないまま使用方法や使用期限、適合するレンズを守らずに使用し、目に障害を負うなどのトラブルが生じる可能性もあることや、初めての装用や、度数に変化が出ることも考えられます。

眼科クリニックの中では提携する販売店での購入を条件に発行するケースも少なくありませんので、患者さんとしても抵抗感なく受け入れてもらえる方法の1つになるでしょう。

自由診療を取り入れてみる

レーシックなどを代表例として、近年ではコンタクトや眼鏡にかかわらず、目そのものに対しての施術を行うことで視力を矯正する施術方法も増えて来ています。

オルソケラトロジーやICLなど、眼内に直接レンズを埋め込むものも発明されました。

これらの治療法を導入するには、新たな機器や知識、手技、ライセンスの獲得などのハードルはありますが、どれも自由診療となっているためにある程度好きに診療費用を決められることや、より幅広いニーズに応えた診療が可能になることなどから、集患・増患にも大いに役立つものだと思います。

そのほか、先にご紹介した美容皮膚科の併設なども需要は高くなるでしょう。

 

まとめ

まずは知ってもらうために何ができるのか?知ってもらった後は、どうすればまた来たいと思ってくれるのか?などについて、いくつかの方法をご紹介しました。

競合と比較しながら、自院の強みを活かしていきましょう。

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執筆 CLIUS(クリアス )

クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。


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