標準型電子カルテは、厚生労働省とデジタル庁が医科の無床診療所向けに開発している電子カルテで、2026年度中の完成が目標です。これとは別に、民間の電子カルテ向けに国が定めた「標準仕様(基本要件)第1.0版」が2026年3月31日に公表され、この仕様に沿っていると国が認証した製品は、2027年4月の提供開始が目指されています。
一方、「2027年にクラウド型が必須になる」という話は、法律にも厚生労働省の資料にも見当たりません。この記事では、電子カルテを導入している、またはこれから導入する診療所の院長・事務長に向けて、時期と義務の有無を一次情報で整理し、自院が次の更新や導入でいつ何を判断すればよいかをまとめます。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。
標準型電子カルテはいつから?2030年までの時期の一覧
国の電子カルテ政策の時期を、厚生労働省の資料で確かめられた範囲で並べると次のとおりです。「目標」「予定」とあるものは、まだ実現していない計画です。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2023年6月 | 医療DX推進本部が「医療DXの推進に関する工程表」を決定。「遅くとも2030年には概ねすべての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指す」とした |
| 2025年7月 | 厚生労働省推進チームが、オンプレ型でカスタマイズした電子カルテから、クラウドネイティブを基本とする廉価なものへ移行を図る方針を示した |
| 2025年12月12日 | 医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)が公布。政府は2030年12月31日までに電子カルテの普及率が約100%になるよう取り組むことが法律に書かれた |
| 2026年3月31日 | 「医科診療所向け電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様書(基本要件)第1.0版」を公表 |
| 2026年9月(予定。10月9日時点で厚生労働省の標準仕様ページは「今後掲載」のまま) | 標準仕様の認証制度要綱を公開し、その後に申請受付と審査(2026年6月の資料による) |
| 2026年9月9日 | 厚生労働省が「電子カルテ普及計画」を公表。認証製品の導入支援などを令和9年度概算要求に盛り込んだ |
| 2026年度中(目標) | 標準型電子カルテ(導入版)の完成 |
| 2027年4月(目標) | 標準仕様Ver1.0の認証製品の提供開始 |
| 2030年12月31日 | 電子カルテの普及率約100%の達成期限(政府の責務) |
「2027年」という年は、国が認証した民間製品が出てくる時期であって、診療所が何かを終えなければならない期限ではありません。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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「標準型電子カルテ」と「標準仕様に準拠した電子カルテ」は別のもの
検索すると両方が「標準型電子カルテ」と呼ばれていることがありますが、厚生労働省の資料では別のものとして扱われています。
| 標準型電子カルテ | 標準仕様に準拠した電子カルテ | |
|---|---|---|
| 作る主体 | 厚生労働省・デジタル庁 | 民間の電子カルテベンダー |
| 対象 | 医科の無床診療所 | 医科診療所(中小病院向けの仕様は別にある) |
| 時期 | 2026年度中の完成が目標 | 認証製品は2027年4月の提供開始が目標 |
| 位置づけ | 電子カルテ未導入の診療所向け。「導入版」は国の医療DXに対応する機能に絞ったもの | 国の標準仕様を満たすと厚生労働省が審査・認証した製品 |
標準型電子カルテ(導入版)は、紙カルテの業務はそのままに、電子カルテ情報共有サービスで届いた診療情報提供書や検査データを閲覧したり、診療情報提供書の送付や電子処方箋の発行をしたりできるものとして開発されています。紙カルテで診療している診療所が、国の医療DXに最低限つながるための入口という位置づけです。
標準型電子カルテと民間のクラウド型電子カルテの違いは「標準型電子カルテと民間クラウド型電子カルテの違い」で詳しく説明しています。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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標準型電子カルテでクラウド必須化はあるか:法律と厚労省資料で確かめる
結論から言うと、診療所にクラウド型の電子カルテを使うよう義務づける規定は、確かめた範囲の法律・資料にはありません。誤解が生まれやすい点を3つに分けて整理します。
1. 法律が義務を課しているのは政府
令和7年法律第87号で改正された地域医療介護総合確保法の第12条の3第4項は、「政府は、令和12年12月31日までに、電子カルテの普及率…が約100パーセントとなることを達成するよう、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術…その他の先端的な技術の活用を含め、医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならない」と定めています。主語は政府で、医療機関にクラウド型の導入を求める条文ではありません。
2. クラウド型が要件なのは「標準仕様に準拠した製品」
標準仕様(第1.0版)は、電子カルテが国のクラウドサービス(ガバメントクラウド)の対象となるパブリッククラウド上で動くこと、すべての医療機関に同じコードで提供するSaaS型・マルチテナント方式であることなどを要件にしています。つまり「認証を受けたい製品」にはクラウドが必須ですが、それは製品側の条件です。
3. オンプレミス型が使われ続けることも国は想定している
2026年3月の厚生労働省の資料は、標準仕様に準拠したクラウドネイティブ型への移行を進めるとしたうえで、「個々の医療機関の判断で、オンプレミス型等の電子カルテが活用されることも、想定される」とし、オンプレミス型等も国の医療DXサービスとの接続を進めるとしています。
国の方針がクラウド型への移行を後押ししているのは事実です。ただ、それは「次にシステムを更新するときに、標準仕様に準拠したクラウド型へ移る」ことを促す方針で、期限を切った義務ではありません。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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標準仕様(第1.0版)が電子カルテに求める主な要件
次の更新や新規導入で候補の製品を比べるとき、標準仕様の要件がそのまま確認項目になります。2026年6月の資料で示された認証制度の要綱案から、診療所の院長が見ておきたいものを抜き出しました。
| 区分 | 主な要件 |
|---|---|
| 医療DXサービスとの接続 | オンライン資格確認、電子処方箋管理サービス、電子カルテ情報共有サービス、クラウド型レセプトコンピュータとの接続。電子処方箋と共有サービスは、クラウド間連携の実現後一定期間内の実装を前提に経過措置がある |
| 可用性 | 直近1年間の稼働率99.9%以上 |
| データ保管 | データを日本国内で保持し、海外に送信しないこと。マルウェアに備えて隔離したバックアップ環境があること |
| セキュリティ | ISMAP、またはISMS認証とISMSクラウドセキュリティ認証の取得(Ver1.0の審査では2027年6月末までの猶予あり)。第三者による侵入テストや脆弱性診断 |
| アーキテクチャ | パブリッククラウド上のSaaS型・マルチテナント構成。医療機関ごとの個別改修やカスタマイズをしないこと |
| 情報公開 | 価格を自社サイトで公開すること。電子カルテ間のデータ移行に必要な事項(データ形式を含む)や部門システムとのインターフェイス仕様を開示できること |
価格の公開とデータ移行に必要な事項の開示が要件に入っている点は、診療所にとって大きな意味があります。導入前に費用を比べやすくなり、将来ほかの製品に乗り換えるときにデータを持ち出しやすくなるからです。
電子カルテ情報共有サービスで何ができるかは「電子カルテ情報共有サービスとは」で解説しています。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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自院の状況別:標準型電子カルテ・標準仕様への対応はいつ何を判断するか
国の方針では、電子カルテを導入済みの医療機関は次回のシステム更改時に、未導入の医療機関は標準化された電子カルテを導入するときに、電子処方箋と電子カルテ情報共有サービスへの対応を進めることになっています。一般診療所の電子カルテ普及率は2023年時点で55.0%で、約4.7万の診療所が未導入です(普及率の推移は「電子カルテの普及率」を参照)。
| 自院の状況 | 判断するタイミング | 確かめること |
|---|---|---|
| 紙カルテ(電子カルテ未導入) | 電子カルテの導入を考えたとき。標準型電子カルテ(導入版)の完成(2026年度中目標)後は、その普及の案内も確認する | 紙カルテのまま導入版で医療DXにつなぐか、電子処方箋と共有サービスに対応したクラウド型電子カルテを入れるか |
| オンプレミス型を使用中 | サーバーやシステムの次回更新の1年ほど前 | 更新時期が2027年4月より後なら、標準仕様の認証製品を候補に入れられる。今のベンダーに認証取得の予定と、電子処方箋・共有サービスへの対応時期を聞く |
| クラウド型を使用中 | 認証制度の申請受付が始まった後 | 使っている製品が標準仕様の認証を取る予定か。電子処方箋と共有サービスへの対応状況 |
ベンダーに聞くときは、「標準仕様に対応予定です」という回答で終わらせず、次の3点を具体的に確かめておくと比較しやすくなります。
- 標準仕様Ver1.0の認証を申請する予定があるか、あるならいつか
- 電子処方箋と電子カルテ情報共有サービスに、いつまでに対応するか
- 他社製品へ移るとき、データをどの形式で、どこまで出せるか
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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標準型電子カルテの導入に補助金はあるか
2026年9月9日に厚生労働省が公表した「電子カルテ普及計画」では、令和9年度(2027年度)の概算要求として、認証されたクラウドネイティブ型電子カルテを導入する医療機関への導入経費の補助(2分の1、上限あり)、オンプレミス型から認証製品へのデータ移行費用の補助(2分の1)、標準型電子カルテ(導入版)を導入する医科診療所への機器購入・設置経費の補助が盛り込まれました。ただし概算要求の段階で、内容は今後の予算編成や国会審議で変わる可能性があります。現時点で、これらの補助が始まっているわけではありません。
補助の対象や条件は予算が決まった後に示されます。更新や導入の時期が近い場合は、厚生労働省の「医療情報のデジタル化と利活用」のページで新しい情報が出ていないかを確認してください。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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よくある質問
今使っている電子カルテは、2027年以降使えなくなりますか
使えなくなるという規定は、確かめた範囲の法律・資料にはありません。2027年4月は標準仕様の認証製品の提供開始が目指されている時期です。国はオンプレミス型等が使われ続けることも想定し、国の医療DXサービスとの接続を進めるとしています。
電子処方箋は義務化されますか
2025年7月に厚生労働省推進チームが示した新しい目標は、「患者の医療情報を共有するための電子カルテを整備するすべての医療機関への導入を目指す」というものです。電子カルテを導入済みの医療機関には、更新のタイミングで電子カルテ情報共有サービスへの対応と一体的に導入を進める方針です。資料上は導入の目標として示されています。
紙カルテの診療所は、何から始めればよいですか
まずは、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスに参加するために電子カルテが必要かを考えることです。標準型電子カルテ(導入版)は、紙カルテの業務を変えずに、国の医療DXに対応する機能だけを使えるように開発されています。完成は2026年度中が目標なので、本格的な電子カルテを入れるかと合わせて比べてください。
クラウド型電子カルテ「CLIUS」
クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。
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まとめ
標準型電子カルテは2026年度中の完成、標準仕様の認証製品は2027年4月の提供開始が目標で、診療所にクラウド型を義務づける規定は確かめられません。自院の電子カルテの次の更新時期を確かめ、その1年ほど前にベンダーへ認証取得の予定とデータ移行の条件を聞くところから始めてください。
参考
- 電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様(基本要件)(厚生労働省)
- 医科診療所向け電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様書(基本要件)第1.0版(令和8年3月31日)
- 電子カルテの普及について(第28回 医療等情報利活用ワーキンググループ 資料1、令和8年3月12日)
- 電子カルテの普及について(第33回 医療等情報利活用ワーキンググループ 資料3、令和8年6月26日)
- 電子カルテ普及計画(厚生労働省、令和8年9月9日)
- 電子処方箋・電子カルテの目標設定等について(第196回社会保障審議会医療保険部会 資料3、令和7年8月28日)
- 医療情報のデジタル化と利活用(厚生労働省)
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、2026年3月時点の情報を元に作成しています。
