ORCAで労災・自賠責のレセプトを作るには|保険の登録から労災診療費請求書・自賠責の診療報酬明細書の出力まで

この記事は ORCA 5.2.0(2026年10月時点)の公式マニュアルをもとに書いています。

ORCAで労災・自賠責のレセプトを作る流れは、健康保険と大きくは変わりません。違うのは次の3点です。

  • 保険を「12 登録」の「労災・自賠」(Shift+F9)から患者ごとに登録する
  • レセプトを「42 明細書」で、労災・自賠責の種類を選んで印刷する
  • その前に「101 システム管理マスタ」の「4001 労災自賠医療機関情報」を一度だけ設定しておく

この設定が済んでいないと、点数の単価も、窓口負担も、レセプトの記載も正しく出ません。以下、設定、受付、入力、出力の順に見ていきます。

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目次
  1. 健康保険・労災・自賠責の違い|誰に請求し、何を出すか
  2. 最初に一度だけ設定する|101 システム管理マスタ「4001 労災自賠医療機関情報」
  3. 受付での保険の登録|12 登録の「労災・自賠」で保険組合せを作る
    1. 労災保険の登録
    2. 自賠責保険の登録
    3. 交通外傷で健康保険を使う場合(第三者行為)
  4. 診療行為と病名の入力|労災の保険組合せを選び、病名にも保険を付ける
  5. 労災レセプトの出力|紙で出すか、労災レセ電で出すか
    1. 紙で出す場合
    2. 労災レセ電(電子請求)で出す場合
  6. 自賠責の診療報酬明細書の出力|新様式と従来様式の使い分け
  7. ORCAで労災・自賠責のレセプトがうまく出ないときの確認先
  8. WebORCA(クラウド版)とオンプレ版で違うところ
  9. 労災・自賠責で電子カルテと連携している場合
  10. よくある質問
    1. 労働保険番号が分からなくても登録できますか
    2. 様式第5号や様式第7号はORCAで印刷できますか
    3. 治療が終わって、休業の証明だけをする月はどう入力しますか
    4. 交通外傷の患者が健康保険を使いたいと言ったら、断れますか
  11. まとめ
  12. 参考

健康保険・労災・自賠責の違い|誰に請求し、何を出すか

最初に、3つの保険で請求先と提出書類がどう違うかを押さえます。

健康保険 労災(自院が労災指定) 労災(自院が労災指定でない) 自賠責
請求先 審査支払機関 都道府県労働局 患者が労働基準監督署へ請求 損害保険会社(任意保険の一括払いのときは任意保険会社)
1点単価 10円 12円(非課税医療機関は11円50銭) 同左(支給額の物差し) 新基準では労災準拠。薬剤等は12円、技術料は20%加算を上限
患者の窓口負担 負担割合どおり なし いったん全額 保険会社か患者かで変わる
医療機関が出すもの 診療報酬明細書 労働者災害補償保険診療費請求書(診機様式第1号)と診療費請求内訳書(労災レセプト) 様式第7号(1)の医療機関の証明欄 自賠責の診療報酬明細書と診断書

注意したいのは、様式第5号は医療機関の請求書ではないことです。様式第5号(通勤災害は第16号の3)は、被災した労働者が出す「療養の給付請求書」です。医療機関は受け取ったものを労災レセプトと一緒に労働局へ送ります。ORCAで作るのは、診療費請求書と診療費請求内訳書のほうです。

労災の患者に健康保険は使えません。健康保険法第55条は、同じ傷病で労災保険の給付を受けられるときは健康保険の給付を行わないと定めています。一方、自動車にはねられたなどのけがは、健康保険を使えます。厚生労働省の通知(平成23年8月9日)は、自動車による傷病も、ほかの病気やけがと同じく医療保険の給付の対象としています。

受付で患者に何を確かめるかは、労災の受診の流れで整理しています。

最初に一度だけ設定する|101 システム管理マスタ「4001 労災自賠医療機関情報」

「91 マスタ登録」→「101 システム管理マスタ」で、管理コード「4001 労災自賠医療機関情報」を開きます。主な項目は次のとおりです。

項目 選ぶもの 間違えると起きること
労災指定医療機関 0 指定なし/1 指定あり 「指定なし」では患者負担100%、「指定あり」では0%で会計する
指定病院番号 労災の指定番号(全角) 「指定あり」のときは必須
点数単価 1 11.5円/2 12円 労災・自賠責とも必須。課税医療機関は12円
労災レセ回数記載 1 記載なし/2 記載あり 労災レセプトに請求回数が出ない
自賠責区分 1 労災準拠/2 健保準拠 自賠責の点数の計算方法が変わる
加算率(自賠責・労災準拠) 自賠責の加算割合 新基準の技術料加算が反映されない
文書料消費税 1 無し/2 有り 自賠責の診断書料・明細書料に消費税がかかるか

労災の点数単価は、厚生労働省の「労災診療費算定マニュアル」(令和8年6月版)で、課税医療機関が12円、国や公益法人等の非課税医療機関が11円50銭と決まっています。自院がどちらかは、法人税法上の医療保健業の扱いで決まります。

レセプトの見た目は「2005 レセプト・総括印刷情報」で決めます。「労災・自賠責」タブで労災レセプトの様式と枠の有無、労災コメントを傷病の経過欄と摘要欄のどちらに出すか、自賠責の様式(従来様式・新様式・OCR様式)を選びます。同じ画面の総括表の設定には「労災診療費請求書」の様式選択(OCR専用様式と確認様式)があります。OCR専用様式を選ぶときは、医療機関情報の電話番号をハイフンで区切っておく必要があります。

受付での保険の登録|12 登録の「労災・自賠」で保険組合せを作る

労災保険の登録

「12 登録」で患者を開き、「労災・自賠」(Shift+F9)を押すと労災自賠責入力画面が開きます。「労災自賠保険区分」で該当する労災保険を選び、患者が持ってきた様式第5号(または第16号の3)を見ながら入力します。

  • 傷病年月日、事業の名称、事業場の所在地:様式第5号に書かれた内容を入れる
  • 労働保険番号:分からなければ空欄で登録できる。「警告!!労働保険番号が未入力です。」と出るが、そのまま登録できる
  • 災害区分、新継再別、労災基準監督署:コンボボックスから選ぶ
  • 四肢特例区分:傷病の部位が四肢や手指のときに選ぶ。選んでおくと、処置などで労災の1.5倍・2倍の加算が自動で算定される
  • 療養開始日・療養終了日:終了日が空欄なら、毎月1日から末日までを療養期間として記載する
  • 転帰事由:レセプトの転帰はここから出る

「登録」(F12)で保存すると、健康保険とは別の労災の保険組合せができます。

自賠責保険の登録

同じ画面で自賠責を選びます。労災と違う項目は次の4つです。

  • 自賠責請求区分:保険会社に請求するか、患者に請求するか
  • 自賠責点数算定区分:0 は4001の設定に従う。特定の患者だけ労災準拠・健保準拠を変えたいときに1・2を選ぶ
  • 自賠責担当医:空欄なら、医療機関情報に登録した管理者(院長)の氏名が載る
  • 自賠責保険会社名:OCR様式で出す場合は15文字を超えると印字されない。マニュアルに載っている略称で入れる

交通外傷で健康保険を使う場合(第三者行為)

患者が健康保険での受診を希望したときは、労災自賠保険区分で「6 第三者行為」を選びます。登録すると「医保+第三者行為」の保険組合せができ、公費欄に「970 第三者行為」が入ります。第三者行為だけの保険組合せは作られません。レセプトの特記事項に「10第三」を載せるかどうかも、この画面で選びます。

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診療行為と病名の入力|労災の保険組合せを選び、病名にも保険を付ける

「21 診療行為」で患者を呼び出すと、労災・自賠責の保険がある患者では、その保険組合せが優先して表示されます。同じ患者が風邪で健康保険の受診をした日は、コンボボックスで保険組合せを選び直します。医保と労災・自賠責は、1つの画面で複数科保険入力ができません。

労災の算定は健康保険の点数表が原則ですが、労災独自の項目があります。令和8年6月1日以降の診療分の主なものは次のとおりです。

項目 金額 ORCAで気をつけること
初診料 3,850円 円で算定する。労災コードは入力欄に「//R」で一覧が出る
再診料 1,430円 同上
療養の給付請求書取扱料 2,200円 様式第5号・第16号の3を取り扱ったときに算定する。再発、転医始診、様式第7号では算定できない
四肢の処置の加算 1.5倍・2倍 四肢特例区分を登録すると自動算定。倍率の違う部位を同時に算定するときは合成コード(「//RG」で一覧)を使う
労災電子化加算 5点 電子請求したときに内訳書1件につき算定。令和10年3月診療分までの予定

病名は「病名登録」で入れますが、保険適用欄で労災保険または自賠責保険を選ばないと、労災・自賠責のレセプトに病名が出ません。病名の転帰もレセプトには反映されず、労災自賠責入力画面の転帰事由が載ります。

労災レセプトの「傷病の経過」欄は、病名登録か「24 会計照会」の「コメント」から、症状詳記区分「AA 労災レセプト『傷病の経過』」で入力します。自賠責の診断書料・明細書料や、ポリネックなどの特定器材は、ユーザが点数マスタを作って使います。コードの範囲は、診断書料が09591、明細書料が09592、特定器材等が09593で始まる範囲です。

労災レセプトの出力|紙で出すか、労災レセ電で出すか

紙で出す場合

「42 明細書」でレセプトを作ります。労災・自賠責・公害は指定印刷のみで、印刷指示画面でレセプトの種類にチェックを入れたものだけが印刷されます。

労災の用紙は、OCRの読取り欄がある2色刷りの専用用紙です。ORCAは、労働基準監督署から入手した用紙に印刷する前提で作られています。そのためサーバから印刷すると、労災レセプトは枠なしで出ます。種類の違う用紙を同時に選ぶと確認メッセージが出ます。「OK」を押すと、すべて手差しトレイの用紙に印刷されるので注意します。

続いて「43 請求管理」を確認し、「44 総括表・公費請求書」で労働者災害補償保険診療費請求書を作ります。労災は、返戻年月が入っていても返戻分の請求書を別には作らず、請求年月ごとにまとめて集計します。

労災レセ電(電子請求)で出す場合

「2005 レセプト・総括印刷情報」の「レセ電」タブで、レセプト電算出力区分の「労災」(アフターケアも出すなら「アフターケア」)を「0 出力なし」以外にします。そのうえで、42と43を医保と同じように処理し、44の画面で「労災レセ電」(Shift+F5)を押します。アフターケアは「労AFレセ電」(F4)です。

09593で始まるコードを入力した患者は、レセ電データを作れず紙で出すことになります。この設定にしておくと、「41 データチェック」でその患者を拾えます。

提出先は都道府県労働局です。厚生労働省の案内では、オンライン請求は毎月5日〜10日に前月分までを送信し、CD・DVDで出す場合は毎月10日(閉庁日なら翌開庁日)までに「光ディスク送付書」と一緒に送付します。紙の様式第5号は、電子請求でも労働局へ送ります。送り方は所轄の労働局の案内に従ってください。

自賠責の診療報酬明細書の出力|新様式と従来様式の使い分け

自賠責のレセプトは「42 明細書」で、新様式か従来様式かを選んで作ります。どちらを使うかは、点数の計算方法で決まります。

様式 向いている場合 ORCAの制約
新様式 労災準拠で計算している患者 健保準拠の患者で選ぶとエラーになる
従来様式 健保準拠の患者、第三者行為の患者 第三者行為は従来様式でしか作れない
OCR様式 保険会社がOCR様式を求める場合 コピーしたものは提出しない。保険会社名は略称で入れる

労災準拠と健保準拠の患者が同じ月にいると、取りこぼしが起きやすくなります。新様式で一括作成すると、対象は労災準拠の患者だけです。従来様式なら両方が対象になります。「13 照会」で「JB0」「JB1」「JB2」の保険の種類を指定すると、自賠責の算定区分ごとに患者を探せます。

労災準拠の計算は、日本医師会・日本損害保険協会・損害保険料率算出機構の3者が合意した「自賠責保険診療費算定基準」(新基準)に沿ったものです。日本医師会によれば、新基準は平成27年に全都道府県で採用されました。ただし、使うかどうかは医療機関ごとの判断で、全国の採用率は2020年時点で約6割です。令和8年6月1日以降の診療分は、改定後の労災診療費算定基準に準じて請求すると日本医師会が通知しています。

出来上がった明細書の送り先は、請求の形によって変わります。加害者の任意保険会社が自賠責分も含めて支払う一括払いでは、任意保険会社に送ります。患者が自分で請求する場合、国土交通省は自賠責保険への請求書類に診療報酬明細書を挙げています。どちらの形かを、初診時に患者か保険会社に確かめておきます。

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算定を間違えないカルテの選び方

算定や記録の抜け漏れは、カルテ側で必要な情報が見えるかどうかで変わります。選ぶときに何を見ればよいかを整理した資料です。

一番やさしい電子カルテの選び方ブックを見る

ORCAで労災・自賠責のレセプトがうまく出ないときの確認先

起きていること 原因 直し方
労災・自賠責のレセプトに病名が出ない 病名の保険適用欄が空欄 病名登録で、保険適用欄に該当の労災・自賠責保険を選ぶ
治ったのに転帰が「継続」のまま 労災自賠責入力画面の転帰事由・療養終了日が未入力 患者登録の労災自賠責入力画面で入れる
健康保険で入力した日を労災に直せない 会計照会の「保険一括変更」は、健保と労災・自賠責の間では使えない 「21 診療行為」で該当日を「訂正」で開き、保険を変えて登録する。該当日すべてで行う
レセプト作成後に労災へ切り替えた 健保側の請求データが残っている 42で、変更のあった保険すべてを個別作成する。健保の入力がなくなればメッセージが出て請求データを削除できる
労災レセ電に一部の患者が入らない 09593で始まるコードを入力している その患者は紙で出す
自賠責の新様式で一部の患者が出ない 健保準拠の患者が同じ月にいる 従来様式で作る
指定医療機関なのに窓口で全額が出る 4001の労災指定医療機関が「0 指定なし」 「1 指定あり」と指定病院番号を設定する

WebORCA(クラウド版)とオンプレ版で違うところ

この記事の操作は、外来版マニュアルに沿っています。クラウド版では、プログラムの更新はORCA側のメンテナンスで行われます。また、各社で作ったカスタマイズ帳票はそのままでは使えず、帳票APIで作り直す必要があります。この記事は標準で提供されている労災・自賠責の帳票を前提にしています。

労災・自賠責で電子カルテと連携している場合

電子カルテから会計を送る運用でも、レセプトはORCAの保険組合せで作られます。ORCAに労災・自賠責の保険組合せがなければ、労災・自賠責のレセプトになりません。受付時にORCAの「労災・自賠」の登録を先に済ませておきます。

連携の画面での操作は、電子カルテごとに違います。CLIUSを使っている場合は、ヘルプセンターの該当記事を確認してください。

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よくある質問

労働保険番号が分からなくても登録できますか

できます。警告は出ますが、そのまま登録できます。様式第5号や事業場への確認で番号が分かったら、労災自賠責入力画面で追記します。

様式第5号や様式第7号はORCAで印刷できますか

この2つは、ORCAで作る帳票ではありません。どちらも患者(被災労働者)が出す請求書です。様式第5号は受け取って労働局へ送り、様式第7号(1)は医療機関の証明欄を記入します。書き方は労災の様式7号とは|様式5号との違いと医療機関が書く欄を参照してください。

治療が終わって、休業の証明だけをする月はどう入力しますか

労災の保険を新たに追加して、療養開始日と療養終了日を入れます。そのうえで「101800470 休業証明」と、証明期間を入れるコメント「840800001」を入力します。療養期間の欄に何を載せるかは、4001の「外来レセ療養期間記載」で選びます。休業補償給付支給請求書の医療機関の欄は、労災の様式第8号の書き方で解説しています。

交通外傷の患者が健康保険を使いたいと言ったら、断れますか

健康保険は使えます。厚生労働省の通知は、自動車による傷病も医療保険の給付の対象としています。ORCAでは「6 第三者行為」で登録します。患者には、加入している保険者へ第三者行為による傷病の届出が必要だと伝えます。

まとめ

ORCAで労災・自賠責のレセプトを作るときに、最初に確かめるのは「4001 労災自賠医療機関情報」の設定です。あとは、患者ごとに「労災・自賠」で保険組合せを作り、病名の保険適用欄まで埋めておくことです。この2つが済んでいれば、42、43、44の流れは健康保険と同じように進みます。

参考

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、