薬を服用時点ごとにまとめて包装する「一包化」は、患者にとっては飲み忘れ防止に役立つ一方、算定できるかどうかは処方医の関与によって決まる。
「一包化加算」という項目名で調べても、今の点数表には出てこない。2022年度改定で名称が変わっているためである。クリニックの医療事務が患者やスタッフから聞かれたときに、名称の変遷と要件を押さえておくと説明に迷わない。
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「一包化加算」はすでに存在しない
かつて調剤報酬にあった「内服薬調剤料の一包化加算」は、2022年度改定で廃止された。対人業務としての評価に組み替えられ、現在は「外来服薬支援料2」という項目に位置づけられている。
つまり、患者が薬局で「一包化してもらった分の追加料金」として支払っているのは、正式には外来服薬支援料2にあたる。名称だけ見ると別の制度に見えるため、患者への説明でここを揃えておくと誤解が減る。
点数の仕組み
外来服薬支援料2は、投与日数によって点数の数え方が変わる。
| 投与日数 | 点数 |
|---|---|
| 42日分以下 | 7日またはその端数を増すごとに34点 |
| 43日分以上 | 日数にかかわらず一律240点 |
7日分単位で加算されていく方式のため、投与日数が長くなるほど43日以上の一律240点のほうが有利になりやすい。処方日数を決める段階で、この境目を意識しておくと患者への費用説明がしやすくなる。
算定要件は3つ、すべて満たす必要がある
外来服薬支援料2は、次の3つをすべて満たしたときに算定できる。
- 治療上の必要性があること——飲み忘れ・飲み間違いの防止、手指の障害でPTPシートから薬を取り出すことが難しいなど、一包化でなければならない理由が患者側にあること
- 医師の指示または了解があること——処方医が一包化を指示するか、薬局からの提案に同意していること。患者本人の希望だけでは算定できない
- 薬歴への記載があること——一包化の理由と、医師の指示・了解を得た経過が薬剤服用歴に記録されていること
このうち、クリニック側が直接関与するのは2番目の「医師の指示・了解」である。ここが抜けていると、薬局側がどれだけ丁寧に対応しても算定要件を満たせない。
対象になる薬剤にも条件がある
一包化の対象は内服用の固形剤(錠剤・カプセル剤など)に限られる。液剤や外用薬は対象外である。
さらに、次のいずれかに該当することが前提になる。
- 服用時点が異なる2種類以上の薬剤を一緒にまとめる場合(朝食後と就寝前の薬をまとめる、など)
- 同一の服用時点で3種類以上の薬剤をまとめる場合
薬剤が1〜2種類しかない処方や、服用時点がすべて同じで2種類以下の処方では、一包化の必要性そのものが認められにくい。
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クリニックが処方箋に書くべきこと
院外処方のクリニックでは、一包化の算定自体は保険薬局が行う。クリニック側の役割は、処方箋または備考欄に一包化の指示を明記し、薬歴に残せる形で意思表示をしておくことである。
- 一包化を希望する旨を処方箋の備考欄に記載する
- 薬局から一包化の可否を照会されたときは、理由を確認したうえで速やかに回答する
- 電子カルテ・レセコン側で「一包化指示」を定型文として登録しておくと、記載漏れを防ぎやすい
指示が処方箋に残っていないと、薬局が算定できず、患者に「なぜ今回は一包化してもらえないのか」という問い合わせが戻ってくる。電子カルテのテンプレート機能で定型化しておくと、医師ごとの記載のばらつきを減らせる。
院内処方の場合は医科点数表側で扱う
院内で薬を交付しているクリニック(院内処方)の場合は、話が変わる。この場合の調剤は医科点数表の「調剤技術基本料」の枠組みで評価されるもので、保険薬局の外来服薬支援料2とは別の点数体系になる。
院内処方のクリニックが一包化を行う際は、自院の点数算定ルールを医科点数表の該当項目で確認する必要がある。院外処方を前提にした情報をそのまま当てはめると、算定を誤る原因になる。
よくある質問
患者から「一包化してほしい」と頼まれた場合、そのまま応じてよいですか。
患者の希望だけでは外来服薬支援料2の算定要件を満たさない。治療上の必要性を確認し、医師として一包化を指示または了解した経過を残す必要がある。単なる利便性のための希望であれば、自費対応になる場合もある。
一包化を指示すると、必ず追加費用がかかりますか。
投与日数によって点数が変わる。42日分以下は7日ごとに34点が加算され、43日分以上は一律240点になる。長期処方のほうが、日数あたりの負担は相対的に軽くなりやすい。
液剤や外用薬も一包化の対象になりますか。
対象外である。外来服薬支援料2の対象は内服用の固形剤に限られる。液剤・外用薬をまとめて渡す場合は、別の取り扱いになる。
まとめ
- 「一包化加算」という名称の項目はすでに存在しない。2022年度改定で「外来服薬支援料2」に統合されている
- 点数は42日分以下が7日ごとに34点、43日分以上が一律240点
- 算定要件は治療上の必要性・医師の指示や了解・薬歴への記載の3つすべてが必要
- 対象は内服用固形剤に限られ、患者本人の希望だけでは算定できない
- 院外処方では処方箋への指示記載が、院内処方では医科点数表側の確認がクリニックの役割になる
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