レセプト請求の期限はいつまで?翌月10日の根拠と、遅れたときに使える期間

レセプト請求の期限には2種類あります。毎月の締切と、「いつまで遡って請求できるか」という上限です。この2つは根拠になっている決まりが違うので、分けて考えないと答えが出ません。

医療事務からよく出る質問も、だいたいこの2つに分かれます。「10日を過ぎたらどうなるか」は前者、「保険証を後から持ってきた患者の分をいつまで出せるか」は後者です。

この記事では、締切の根拠、オンライン請求の受付時間、締切に間に合わなかったときの扱い、そして遡れる限界を順に整理します。

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目次
  1. 毎月の締切は翌月10日
  2. オンライン請求の受付時間
  3. 10日を過ぎたらどうなるか
  4. 返戻の再請求は「期限切れ」ではない
  5. 遡って請求できる限界
    1. 保険証を後から持ってきた患者の扱い
  6. 締切に間に合わせるための受付の段取り
  7. 遅れそうなときの判断
  8. よくある質問
    1. レセプトの提出期限が10日なのはなぜですか
    2. 10日が土日祝日のときはどうなりますか
    3. 10日に間に合わなかったレセプトは請求できなくなりますか
    4. 返戻されたレセプトの再請求に期限はありますか
    5. 何年前の診療まで遡って請求できますか
  9. まとめ
  10. 参考

毎月の締切は翌月10日

毎月の締切は、療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令(昭和51年厚生省令第36号。通称「請求命令」)で定められています。各月分の診療報酬は、翌月10日までに審査支払機関へ請求します。

社会保険診療報酬支払基金も、オンライン請求について「各月分について翌月10日までに行わなければならない」と案内しています。10日という日付は、レセコンの設定でも支払基金の内規でもなく、省令に根拠があります。

提出先は、保険の種類で分かれます。

保険の種類 提出先
被用者保険(協会けんぽ、健保組合、共済など) 社会保険診療報酬支払基金
国民健康保険、後期高齢者医療 国民健康保険団体連合会

オンライン請求の受付時間

請求方法によって、実際に手を動かせる時間が変わります。支払基金が示している受付は次のとおりです。

請求方法 受付
オンライン請求(毎月5日〜7日) 8時から21時まで
オンライン請求(毎月8日〜10日) 8時から24時まで
光ディスク等・書面による請求(9日まで) 土曜・日曜・祝日を除き、17時30分まで
光ディスク等・書面による請求(10日) 17時30分まで

オンライン請求は休日を含めて受け付けられるので、10日が土日祝でも当日中に送れます。媒体や書面の請求は、9日までが土曜・日曜・祝日を除いた17時30分まで、10日が17時30分までです。締切日は同じでも、10日の夜に作業できるかどうかが変わります。

もうひとつ、オンライン請求だけの利点があります。受付・事務点検ASPで不備のあるレセプトデータを事前に見つけ、修正のうえ当月のうち(12日まで)に請求できる仕組みです。10日までにいったん送り、エラーが出たものを12日までに直して出し直せば、月遅れにせずに済みます。

10日を過ぎたらどうなるか

10日を過ぎたら請求できなくなるわけではありません。翌月以降に回す「月遅れ請求」として扱われます。

  • 診療月の翌月10日に間に合わなかった分を、翌々月以降の請求に含める
  • 請求自体は受け付けられ、審査も通常どおり行われる
  • 入金は、通常より1か月以上あとになる

月遅れ請求そのものに罰則はありませんが、資金繰りには直接ひびきます。とくに1件あたりの点数が大きいレセプトを月遅れにすると、その月の入金が目に見えて減ります。

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返戻の再請求は「期限切れ」ではない

現場で混同されやすいのが、返戻・査定・月遅れの3つです。原因も、次にやることも違います。

種類 何が起きたか 次にやること
月遅れ請求 期限内に出せなかった 翌月以降の請求に含める
返戻 記載内容の不備などで、審査支払機関からレセプトが戻ってきた 内容を直して再請求する
査定(減点・査定減) 請求は通ったが、一部の点数が認められなかった 内容に納得できなければ再審査を申し出る

返戻されたレセプトは、支払基金の案内では「CSV形式の返戻レセプトデータをダウンロードした後、レセコンに取り込み、訂正のうえ、翌月に請求する」流れになります。返戻は締切を過ぎたことによる不利益ではなく、正規の差し戻しです。直して出せば通常どおり支払われます。

返戻を放置すると、そのレセプトは請求していないのと同じ状態のまま残ります。月次で返戻件数と未再請求件数を数えておくと、取りこぼしに気づけます。

遡って請求できる限界

「何年前の診療まで請求できるか」は、請求命令ではなく時効の話です。ここで注意したいのは、似た場面に2つの別々の権利があり、時効の年数が違うことです。

権利 誰の権利か 時効
診療報酬の請求権 保険医療機関が保険者に対して持つ権利 民法第166条第1項による(権利を行使することができることを知った時から5年)
保険給付を受ける権利 被保険者が保険者に対して持つ権利。療養費の請求などがこれにあたる 健康保険法第193条第1項により2年

自院が審査支払機関を通じて出すレセプト請求は前者です。一方、患者がいったん全額を払い、あとから保険者へ療養費として請求するのは後者で、2年で時効消滅します。

なお民法の消滅時効は令和2年4月1日施行の改正で変わっています。改正前に発生した債権には旧法が適用され、医師の診療に関する債権は3年でした。かなり古い診療分を扱うときは、発生日が改正の前か後かで年数が変わります。

保険証を後から持ってきた患者の扱い

窓口で資格を確認できず自費で預かった患者が、後日に資格を確認できた場合、どこまで遡って保険請求できるかは、上の2つの権利のどちらを使うかで変わります。

  • 受診日時点で有効な資格があり、その資格で保険請求に切り替える場合は、自院の診療報酬請求権の問題になります
  • 患者がすでに全額を支払い、患者自身が保険者へ払い戻しを求める場合は、保険給付を受ける権利の問題になり、2年の時効がかかります

どちらで処理するかは保険者側の判断が入るため、期間が空いている案件は、実際に請求する前にその保険者へ確認します。何年も前の分を独断で切り替えて請求すると、返戻を重ねて事務が増えます。

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締切に間に合わせるための受付の段取り

月遅れ請求の原因は、レセプト点検の遅れよりも、その手前の情報不足であることが多くあります。締切から逆算して、次の順に片づけます。

時期 やること
診療の当日 資格確認で取得した情報と、公費の受給者証の有効期限を確認する
月末まで 病名の付け忘れと、算定した項目に必要な記載事項を埋める
翌月1日〜4日 レセプトを出力して点検する。返戻の常連パターンを先に見る
翌月5日〜10日 オンラインで送信する。受付・事務点検ASPのエラーを確認する
翌月11日〜12日 エラー分を修正して再送する

診療当日にできることを翌月に回すと、患者に連絡が取れず月遅れが確定します。とくに公費の受給者証は、有効期限が切れていると請求先が変わるため、受付時に見る運用にしておきます。

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遅れそうなときの判断

全部を無理に間に合わせる必要はありません。どこで線を引くかの目安です。

  • 記載事項が足りないだけなら、10日までに出したうえで、受付・事務点検ASPのエラーを12日までに直します。月遅れにする必要はありません
  • 患者に確認しないと決まらない内容(病名、公費の情報など)が残っているレセプトは、無理に出さず月遅れにします。誤った内容で出すと返戻になり、結局1か月遅れるうえに事務が二度手間になります
  • 返戻が返ってきたレセプトは、期限を気にせず内容の修正を優先します。返戻は締切とは別の手続きです
  • 何年も前の診療分は、請求する前に時効と資格の扱いを確認します。出せるかどうかを調べずに請求すると、返戻が続きます
  • 月遅れが毎月一定量出ているなら、締切の運用ではなく受付の情報収集を見直します。締切前の点検を厚くしても、情報が足りない分は埋まりません

よくある質問

レセプトの提出期限が10日なのはなぜですか

療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令(昭和51年厚生省令第36号)で、各月分を翌月10日までに請求することとされているためです。

10日が土日祝日のときはどうなりますか

オンライン請求は休日を含めて受け付けられ、8日から10日は8時から24時まで送信できます。光ディスク等や書面による請求は、9日までが土曜・日曜・祝日を除いた17時30分まで、10日が17時30分までの受付です。

10日に間に合わなかったレセプトは請求できなくなりますか

なくなりません。翌月以降の請求に含める月遅れ請求として扱われます。入金が遅れるだけで、請求そのものは可能です。

返戻されたレセプトの再請求に期限はありますか

返戻分は訂正のうえ翌月に請求する流れが案内されています。ただし放置すると請求していないのと同じ状態が続くため、月次で残件を確認します。

何年前の診療まで遡って請求できますか

診療報酬の請求権の時効は民法第166条第1項によります。一方、患者が保険者に対して持つ保険給付を受ける権利は健康保険法第193条第1項により2年です。どちらの手続きになるかで年数が変わるため、期間が空いている案件は保険者に確認してから進めます。

まとめ

  • 毎月の締切は診療月の翌月10日で、根拠は請求命令(昭和51年厚生省令第36号)
  • オンライン請求は5日から7日が8時〜21時、8日から10日が8時〜24時。光ディスク等・書面は9日までが平日の17時30分まで、10日が17時30分まで
  • 受付・事務点検ASPを使うと、エラー分を12日まで修正して請求できる
  • 10日を過ぎても請求はできる。月遅れ請求として翌月以降に回るだけで、入金が遅れる
  • 返戻・査定・月遅れは別物。返戻は正規の差し戻しで、直して出せば支払われる
  • 遡れる限界は、自院の診療報酬請求権(民法第166条第1項)と、患者の保険給付を受ける権利(健康保険法第193条第1項で2年)のどちらを使うかで変わる

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参考

  • e-Gov法令検索「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令」(昭和51年厚生省令第36号) https://laws.e-gov.go.jp/law/351M50000100036/
  • 社会保険診療報酬支払基金「保険医療機関・保険薬局及び訪問看護に係るオンライン請求」 https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/iryokikan/index.html
  • 社会保険診療報酬支払基金「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令(請求命令)について」 https://www.ssk.or.jp/smph/seikyushiharai/iryokikan/rezept_02.html
  • e-Gov法令検索「健康保険法」(大正11年法律第70号)第193条 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070
  • e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号)第166条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、