間歇スキャン式持続血糖測定器は、上腕などの皮下にセンサーを装着し、読み取り機器をかざしたときに間質液中のグルコース濃度を確認する方式の測定器です。保険請求上は、在宅療養指導管理材料加算のC150血糖自己測定器加算の「7 間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」として、1,250点で評価されています。
この記事では、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の点数表と留意事項通知に沿って、算定できる患者と医師の条件、ほかの血糖測定の加算との分かれ目、同一月の扱い、レセプトで確認される点を整理します。
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間歇スキャン式持続血糖測定器の点数と算定要件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分 | C150 血糖自己測定器加算「7 間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」 |
| 点数 | 1,250点 |
| 対象患者 | インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている入院中の患者以外の患者(告示の注3) |
| 目的 | 血糖自己測定値に基づく指導を行うため、間歇スキャン式持続血糖測定器を使用した場合 |
| 医師の要件 | 糖尿病の治療に関し専門の知識および5年以上の経験を有する常勤の医師、または当該専門の医師の指導の下で糖尿病の治療を実施する医師 |
| 算定回数 | 在宅療養指導管理材料加算の通則により、特に規定する場合を除き3月に3回 |
| 含まれる費用 | 間歇スキャン式持続血糖測定器以外の血糖自己測定の費用、皮下グルコース用電極や測定機器の給付・貸与に係る費用 |
C150は在宅療養指導管理材料加算なので、第1款の在宅療養指導管理料(多くはC101在宅自己注射指導管理料)に加算する形をとります。点数表上は「第1款の所定点数に加算する」と書かれており、単独の指導料として算定するものではありません。
医師の要件は留意事項通知に書かれているもので、告示の注3には施設基準の定めがありません。そのため地方厚生局への届出は求められていませんが、算定する医師が要件を満たしていることを院内で説明できるようにしておく必要があります。
対象患者の判定表
算定できるかどうかは、インスリン製剤の自己注射の有無と頻度でほぼ決まります。間歇スキャン式の機器を使っていても「7」で算定できない患者がいる点に注意が必要です。
| 患者の状態 | 算定する項目 | 根拠 |
|---|---|---|
| インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている(1型・2型を問わない) | C150「7」1,250点 | 告示C150の注3 |
| 週1回のインスリン イコデクを承認された用法・用量どおりに自己注射している | 1日1回以上の患者に準じて算定できる | 留意事項C150(8) |
| 12歳未満の小児低血糖症、妊娠中の糖尿病・妊娠糖尿病で、インスリンを1日1回以上使っていない | 「7」は注3の対象外。間歇スキャン式を使っていても、それ以外の血糖自己測定の回数で「1」〜「6」を算定 | 留意事項C150(6) |
| インスリンもGLP-1受容体作動薬も自己注射していない2型糖尿病(妊娠中を除く) | C150は算定できない(在宅自己注射指導管理料等に加算するもののため) | 告示C150の注1〜3 |
| C152-2の対象となる持続血糖測定器(間歇注入シリンジポンプと連動するもの・連動しないもの)を使う | C152-2持続血糖測定器加算(施設基準の届出が必要) | 告示C152-2 |
GLP-1受容体作動薬を週1回以上自己注射している患者については、留意事項C150(3)で「インスリン製剤の自己注射を行っている者に準じて」所定点数を算定するとされています。ただし、「7」の対象を定める告示の注3は「インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上」と書かれており、この準用が「7」まで及ぶかは通知の文面だけでは読み切れません。該当する患者で「7」を算定する前に、地方厚生局や審査支払機関の取扱いを確認しておくと安全です。
自己注射をしていない2型糖尿病の患者については、別の枠組みがあります。生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している患者のうち、当月または前月のHbA1cがNGSP値で8.4%以上の場合、血糖自己測定指導加算(500点、年1回)を算定できます。ただし、この加算は血糖試験紙等を給付して月20回以上の自己測定をさせ、その報告に基づいて指導する前提のもので、間歇スキャン式の機器の費用を別に評価するものではありません。
医師の要件と院内で決めておくこと
「7」の医師要件は、次のどちらかです。
- 糖尿病の治療に関し、専門の知識および5年以上の経験を有する常勤の医師
- 1の医師の指導の下で糖尿病の治療を実施する医師
2を使う場合、非常勤医や経験年数の浅い医師が外来で処方していても、1に当たる常勤医の指導の下にあれば要件を満たします。逆に、1に当たる常勤医がいない診療所では、どの医師が処方しても「7」は算定できません。医師の入れ替わりがあった月は、要件が切れていないかを見直しておきます。
C152-2持続血糖測定器加算(連動しない持続血糖測定器)には、5年以上の経験に加えて、医療関係団体が主催する持続血糖測定器の研修を修了していることが、指導を行う医師または看護師等に求められています。「7」の要件には研修の定めがなく、ここが両者の違いの一つです。
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同一月・併せて算定する項目の整理
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| C101在宅自己注射指導管理料 | 「7」の前提。1 複雑な場合1,230点、2 1以外の場合 月27回以下650点・月28回以上750点 |
| 導入初期加算(C101の注2) | 初回の指導を行った月から3月以内、3月を限度に580点 |
| C150「1」〜「6」 | 「7」を算定する場合、それ以外の血糖自己測定の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない |
| 血中ケトン体自己測定器加算(C150の注4) | SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者に血中ケトン体自己測定器を使用した場合、40点を更に加算 |
| センサー(皮下グルコース用電極)・測定機器の費用 | 所定点数に含まれ、特定保険医療材料等として別に請求できない |
算定回数は、令和8年度改定で在宅療養指導管理材料加算の通則が「特に規定する場合を除き、3月に3回に限り算定する」に統一されています。留意事項通知では「特に規定する場合」を、連続する3月の間に前後の月を対象とする加算を併せて算定する場合としており、対象となる月が重複してはならないとしています。受診間隔が2〜3か月の患者に数か月分のセンサーを渡す場合は、どの月を対象にした加算かが重ならないように管理します。
退院時の扱いも決まっています。入院中の患者に退院時にC101を算定すべき指導管理を行った場合は、退院の日に限り、指導管理料と血糖自己測定器加算を算定できます。この場合、同じ医療機関がその退院月に外来等で行った指導管理の所定点数と血糖自己測定器加算は算定できません。
レセプトで確認される点
診療報酬請求書等の記載要領の別表Ⅰでは、C150について次の記載が定められています。
| 算定する区分 | 摘要欄の記載事項 |
|---|---|
| 「7」以外(「1」〜「6」) | 1月の血糖自己測定の回数 |
| 1型糖尿病の患者等に対して算定する場合 | 1型糖尿病の患者等である旨(1型・小児低血糖症等の区分のレセプト電算処理コードを選択) |
「7」については回数の記載が求められていません。そのため、審査で見られるのは記載事項よりも、患者がインスリンを1日1回以上自己注射しているか、同じ月に「1」〜「6」が重ねて算定されていないか、という組み立ての部分です。
通知の要件から外れやすいのは、次のような組み立てです。
| 組み立て | 外れる理由 |
|---|---|
| インスリンを使っていない2型糖尿病の患者に「7」を算定 | 注3の対象は、インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている患者 |
| 小児低血糖症や妊娠糖尿病で、インスリン非使用の患者に「7」を算定 | 留意事項(6)により、これらは指先の自己測定回数で「1」〜「6」を算定 |
| 同じ月に「7」と「1」〜「6」を両方算定 | 留意事項(5)で、「7」以外の血糖自己測定は所定点数に含まれる |
| センサーを特定保険医療材料として別に請求 | 皮下グルコース用電極の費用は所定点数に含まれる |
なお、第2款の留意事項通知では、在宅療養指導管理材料加算は要件を満たせば第1款の指導管理料を算定するか否かにかかわらず別に算定できるとされています。同じ医療機関で2以上の指導管理を行い主たる指導管理料が別の区分になる月や、前後の月を対象とする加算の月には、C101が立たずに「7」だけが立つこともあります。その場合は、どの指導管理に伴う加算か、どの月を対象とする加算かが読み取れるようにしておきます。
レセプトコンピュータでは、C101と「7」がセットで入るように患者ごとに設定されていることが多く、インスリンの中止や週1回製剤への切り替えで対象から外れても設定が残りがちです。処方変更があった患者は、その月のうちに加算の設定を見直しておくと、翌月以降の返戻を防げます。
よくある質問
間歇スキャン式持続血糖測定器の加算に届出は必要か
告示のC150の注3に施設基準の定めはなく、届出は求められていません。ただし、留意事項通知の医師要件(5年以上の経験を有する常勤の医師、またはその指導の下の医師)は満たす必要があります。届出が必要なのは、C152-2持続血糖測定器加算のほうです。
1型糖尿病でインスリンポンプを使っている患者はどちらで算定するか
間歇注入シリンジポンプと連動する持続血糖測定器を使っている場合は、C152-2の「1」で算定します。ポンプと連動しない間歇スキャン式の機器を使い、インスリンを1日1回以上自己注射している状態であれば、C150の「7」の対象です。どちらの機器を使っているかで区分が分かれます。
令和8年度改定で「7」の点数は変わったか
令和8年度の点数表では「7」は1,250点です。算定回数については、在宅療養指導管理材料加算の通則が「3月に3回」に統一されました。
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まとめ
間歇スキャン式持続血糖測定器は、C150血糖自己測定器加算の「7」として1,250点で算定します。対象は、インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている外来の患者で、週1回のインスリン イコデクは1日1回以上に準じて扱われます。算定する医師は、糖尿病治療について5年以上の経験を有する常勤医か、その指導の下で治療する医師であることが必要です。
小児低血糖症や妊娠糖尿病でインスリンを使っていない患者は、機器が同じでも「7」ではなく、指先の自己測定回数で「1」〜「6」を算定します。自己注射をしていない2型糖尿病の患者はC150の対象外です。「7」を算定する月は、ほかの血糖自己測定の費用とセンサーの費用が所定点数に含まれるため、同じ月に重ねて請求しないように設定を確認しておきます。
参考
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
- 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号)別表I https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732129.xlsx
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