小児抗菌薬適正使用支援加算の算定要件|対象疾患、算定できない患者、初診時・月1回のタイミングと記載

小児抗菌薬適正使用支援加算は、かぜや急性中耳炎などで受診した小児に、抗菌薬が不要と判断して処方せず、その理由を説明して文書を渡した場合に算定する加算です。算定の可否を分けるのは、「どの診療料に付く加算か」「初診時か」「インフルエンザ・新型コロナの疑いが無いか」の3点です。

この記事では、令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)後の点数表・留意事項通知・施設基準通知に沿って、算定できる条件とできない条件、記録と請求の書き方を整理します。

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目次
  1. 小児抗菌薬適正使用支援加算の点数と加算できる診療料
  2. 小児抗菌薬適正使用支援加算の施設基準
  3. 小児抗菌薬適正使用支援加算の対象疾患と算定できない患者
  4. 小児抗菌薬適正使用支援加算は初診時・月1回に限る
  5. 小児抗菌薬適正使用支援加算の説明文書・カルテ記載・レセプト
  6. 耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算との違い
  7. 令和8年度改定での小児抗菌薬適正使用支援加算の扱い
  8. 小児抗菌薬適正使用支援加算の算定前チェックリスト
  9. よくある質問
    1. 再診で抗菌薬を出さなかった場合は算定できるか
    2. 出来高で初診料を算定している小児にも加算できるか
    3. 届出は必要か
  10. まとめ
  11. 参考

小児抗菌薬適正使用支援加算の点数と加算できる診療料

この加算は単独の項目ではなく、次の2つの包括的な診療料の注4に置かれています。出来高で初診料・再診料を算定している場合には付きません。

加算する診療料 点数 算定できる場面
B001-2 小児科外来診療料 月1回 80点 初診時(1のイ または 2のイ)
B001-2-11 小児かかりつけ診療料 月1回 80点 初診時に限る

小児科外来診療料は、小児科を標榜する医療機関で6歳未満の外来患者に算定する1日単位の包括点数です。小児かかりつけ診療料は、届出をした医療機関で未就学児(6歳以上は6歳未満から算定している患者)に算定します。どちらも多くの診療行為が包括されますが、小児抗菌薬適正使用支援加算は包括から除かれ、別に加算できます。

小児抗菌薬適正使用支援加算の施設基準

加算の施設基準は、小児科外来診療料と小児かかりつけ診療料のどちらに付く場合も同じです。

  • 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランに位置づけられた「地域感染症対策ネットワーク(仮称)」に係る活動に参加している、または感染症に関する研修会等に定期的に参加している

届出は3層に分かれるので、混同しないように整理しておきます。

項目 届出
小児科外来診療料 施設基準(小児科の標榜、長期投薬・リフィル処方箋の対応の掲示)はあるが、届出不要
小児かかりつけ診療料 届出が必要(様式7の8)
小児抗菌薬適正使用支援加算 どちらに付く場合も届出不要

届出が要らないため、研修会等への参加記録(参加日、主催者、テーマ)を院内で保管しておき、根拠を示せるようにしておきます。

あわせて、小児科外来診療料・小児かかりつけ診療料の算定医療機関には、厚生労働省の「抗微生物薬適正使用の手引き」を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行うことが求められています。

小児抗菌薬適正使用支援加算の対象疾患と算定できない患者

対象は、次の4つの急性疾患で受診した基礎疾患のない患者です。

  1. 急性気道感染症
  2. 急性中耳炎
  3. 急性副鼻腔炎
  4. 急性下痢症

算定できる条件とできない条件を並べると次のとおりです。

場面 扱い
上の4疾患で受診し、診察の結果、抗菌薬が不要と判断して使わず、療養上必要な指導と結果の説明を行い、説明内容を文書で渡した 算定できる
抗菌薬を処方した 算定できない
説明を口頭だけで済ませ、文書を渡していない 算定できない
基礎疾患がある患者 算定できない
インフルエンザウイルス感染の患者、またはその疑いがある患者 算定できない
新型コロナウイルス感染症の患者、またはその疑いがある患者 算定できない
小児科を担当する専任の医師以外が診療した 算定できない

インフルエンザや新型コロナは、確定した患者だけでなく、その疑いがある患者も除外されます。疑い病名を付けた日は算定できないため、会計前に傷病名を確認します。

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小児抗菌薬適正使用支援加算は初診時・月1回に限る

留意事項通知で、小児科を担当する専任の医師が診療を行った初診時に、月1回に限り算定するとされています。

例 算定
急性上気道炎で初診、抗菌薬なし・文書で説明 算定できる
同じ患者が3日後に再診、症状の経過を説明 再診のため算定できない
同じ月に別の急性疾患で再び初診となり、抗菌薬なし・文書で説明 月1回のため算定できない
翌月に別の急性疾患で初診、抗菌薬なし・文書で説明 算定できる

再診時に抗菌薬を出さずに説明しても、この加算は付きません。レセプトで再診日に加算が入っていると、査定の対象になります。

小児抗菌薬適正使用支援加算の説明文書・カルテ記載・レセプト

渡す文書の様式は定められていません。点数表と通知の要件に沿えば、少なくとも次の内容が入っていれば説明の要点を満たします。

  • 診断名と、抗菌薬が必要ないと判断した理由
  • 自宅での過ごし方など療養上の注意
  • 迅速キットなどで調べた場合はその結果
  • 再受診が必要になる症状の目安

通知の要件は「療養上必要な指導及び検査結果の説明」です。何も調べなかった場合の扱いは通知に明記がないため、診察所見に基づく説明の内容をカルテに具体的に残しておきます。

カルテには、診断名、抗菌薬を使わないと判断した根拠、説明した内容の要点、文書を渡したこと(控えの保存)を書きます。

レセプトは、記載要領の別表Ⅴに沿って「医学管理」欄に略号「小抗菌」で記載します。小児科外来診療料に付けた場合も、小児かかりつけ診療料に付けた場合も同じ略号です。

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耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算との違い

耳鼻咽喉科には、処置の通則8に置かれた別の加算があります。名前は似ていますが、付く場所と対象が違います。

小児抗菌薬適正使用支援加算 耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算
置かれている場所 小児科外来診療料・小児かかりつけ診療料の注4 第9部処置の通則8
対象疾患 急性気道感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、急性下痢症 急性気道感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎(下痢症は含まない)
対象年齢 それぞれの診療料の対象年齢 6歳未満
算定条件 抗菌薬不要と判断し、指導・結果の説明・文書提供 J095からJ115-2の処置を行い、抗菌薬不要と判断し、指導・処置結果の説明・文書提供
診療する医師 小児科を担当する専任の医師 耳鼻咽喉科を担当する専任の医師
点数・回数 初診時・月1回 80点 初診時・月1回 80点
施設基準 AMR対策の活動参加または研修参加。届出不要 耳鼻咽喉科の標榜に加え同じ要件。届出不要

耳鼻咽喉科のクリニックで小児科外来診療料を算定していない場合は、処置を行った日に耳鼻咽喉科の加算を検討します。

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令和8年度改定での小児抗菌薬適正使用支援加算の扱い

令和8年度診療報酬改定の個別改定項目に、この加算の点数や要件の見直しは含まれていません。小児科外来診療料については、パリビズマブと同様に、ニルセビマブを投与した当日の診療を算定対象から外す見直しがありました。その日は小児科外来診療料を算定しないため、この加算も付きません。

小児抗菌薬適正使用支援加算の算定前チェックリスト

  • 小児科外来診療料または小児かかりつけ診療料を算定している
  • AMR対策の地域の活動、または感染症の研修会等への参加記録がある
  • 4つの急性疾患のいずれかで、基礎疾患が無い
  • インフルエンザ・新型コロナの確定・疑いの病名が無い
  • 初診時で、同じ月にこの加算をまだ算定していない
  • 抗菌薬を使っていない
  • 指導と結果の説明を行い、文書を渡して控えを残した
  • 小児科を担当する専任の医師が診療した

よくある質問

再診で抗菌薬を出さなかった場合は算定できるか

できません。算定できるのは初診時に限られます。

出来高で初診料を算定している小児にも加算できるか

できません。小児科外来診療料または小児かかりつけ診療料の注4に置かれた加算なので、これらを算定している場合に限られます。

届出は必要か

必要ありません。施設基準を満たしていれば算定できます。小児かかりつけ診療料そのものは届出が必要です。

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まとめ

小児抗菌薬適正使用支援加算は、小児科外来診療料または小児かかりつけ診療料を算定する初診時に、4つの急性疾患で抗菌薬を使わないと判断し、指導・説明・文書提供を行った場合に月1回80点を加算します。インフルエンザと新型コロナは疑いの段階でも対象外です。

電子カルテで初診・再診の区分と疑い病名を会計前に確認できるようにしておくと、再診日への誤算定や除外疾患への算定を防げます。

参考

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  • 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732089.pdf
  • 厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第8号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732104.pdf
  • 厚生労働省「『診療報酬請求書等の記載要領等について』等の一部改正について」(令和8年3月27日保医発0327第2号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001732127.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 個別改定項目について」 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、