充実管理加算の実績要件と経過措置|生活習慣病管理料の加算1・2・3の区分、2027年4月以降に届け出られる区分の判定表と時期の表

充実管理加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の注4に新設された加算です。令和8年3月31日までに、改定前の注4(外来データ提出加算)の届出を済ませていた医療機関は、経過措置により令和9年(2027年)3月31日まで最も高い充実管理加算1を算定できます。4月以降は、厚生労働省が集計する自院の実績値で加算1・2・3のどれになるかが決まります。

この記事は、生活習慣病管理料を算定している内科診療所の院長と医事担当の方に向けて、2027年4月以降に自院がどの区分になりそうかを判定し、届出の区分を見直すか、実績を上げる体制を整えるかを決めるための材料を整理します。内容は令和8年度改定の告示、留意事項通知、施設基準通知、経過措置の一覧、疑義解釈と厚生労働省保険局医療課の事務連絡で確かめたものです。

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目次
  1. 充実管理加算の点数と区分:生活習慣病管理料の注4
  2. 充実管理加算の実績要件:疾患ごとに見る割合と上位20%・50%
  3. 実績から届け出られる充実管理加算の区分:判定表
  4. 充実管理加算の経過措置:いつまで加算1を算定でき、いつから実績で決まるか
  5. 充実管理加算の区分を保つために、いまから準備すること
  6. よくある質問
    1. 経過措置で充実管理加算1を算定するのに、6月以降あらためて届け出る必要はありますか
    2. 3月に外来データ提出加算を算定していませんでしたが、経過措置の対象になりますか
    3. 生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定している患者にも充実管理加算を算定できますか
  7. まとめ
  8. 参考

充実管理加算の点数と区分:生活習慣病管理料の注4

充実管理加算は、主病が脂質異常症・高血圧症・糖尿病のどれかで分かれ、それぞれに加算1から3があります。生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらにも、同じ点数で加算します。

区分 点数 施設基準の要点
充実管理加算1 30点 実績値が届出医療機関全体の上位20%、かつデータ提出の体制
充実管理加算2 20点 実績値が届出医療機関全体の上位50%、かつデータ提出の体制
充実管理加算3 10点 データ提出の体制のみ(実績要件なし)

施設基準は主病ごとに書かれているため、たとえば高血圧症は加算1、糖尿病は加算2のように、疾患ごとに区分が分かれることがあります。届出の名称も「充実管理加算1(脂質異常症を主病とする場合)」のように疾患ごとに立てられています。

算定のルールは留意事項通知に定められています。押さえておきたいのは次の点です。

  • データ提出の実績が認められた医療機関で、データを提出する外来診療に限って算定する
  • 外来医療等調査のデータは3か月単位で作成し、提出しなかった場合や提出が遅れた場合は、その月の翌々月以降は算定できない
  • 同じ月に、地域包括診療加算・地域包括診療料の外来データ提出加算は算定できない

改定前の注4は「外来データ提出加算」でした。令和8年5月31日時点でこの加算を算定していた医療機関は、名称が変わった充実管理加算3として新たな届出なしに引き継がれます。このうち令和8年3月31日時点で届出をしていた医療機関は、後述の経過措置で加算1の実績要件を満たすものとみなされています。

充実管理加算の実績要件:疾患ごとに見る割合と上位20%・50%

加算1と2の実績要件は、主病ごとに決められた割合をもとに算出される実績値で判定します。対象になるのは、集計期間中にその疾患を主病として生活習慣病管理を行った患者が10人以上いる医療機関です。

主病 実績値のもとになる割合
脂質異常症 ①継続して投薬で治療管理している患者のうち、集計期間中に中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロールなどの血液化学検査をしたか、特定健康診査を受けた患者の割合 ②受診の間隔がいずれも6か月以内で、最終受診日から集計期間の終わりまでも6か月を超えない患者の割合
高血圧症 受診の間隔がいずれも6か月以内で、最終受診日から集計期間の終わりまでも6か月を超えない患者の割合
糖尿病 ①集計期間中にHbA1cを測ったか、特定健康診査を受けた患者の割合 ②眼科医療機関連携強化加算か歯科医療機関連携強化加算を算定した患者の割合 ③受診の間隔の割合(高血圧症と同じ)

受診の間隔には、他の医療機関への受診も含まれます。割合からどう実績値を算出するか、上位20%・50%の境目がいくつになるかは、厚生労働省保険局医療課が別に通知するとされています。つまり加算1と2は、自院だけで点数が決まる絶対評価ではなく、充実管理加算を届け出ている医療機関の中での相対評価です。

実績要件とは別に、加算1から3のすべてで次の体制が要ります。

  • 外来医療等調査に参加し、調査に沿ったデータを提出する。厚生労働省や調査事務局とメール・電話で連絡がとれる担当者を1名決める
  • 過去5年間の診療録などの診療記録をすべて保管・管理し、保管・管理の規定を明文化している
  • 疾病統計にICD大分類程度以上の分類がされ、保管した診療記録を疾病別に検索・抽出できる

実績から届け出られる充実管理加算の区分:判定表

実績値と境目の数字はまだ示されていないため、いま自院で確かめられるのは、施設基準の割合そのものです。電子カルテやレセプトコンピュータから、疾患ごとに次の数字を出しておくと、通知が届いたときに判断が早くなります。

自院の状況(疾患ごと) 届け出られる区分の見込み 打つ手
その疾患で生活習慣病管理を行った患者が集計期間中に10人未満 加算3のみ 加算1・2は対象外。データ提出を切らさず加算3を維持する
患者は10人以上。受診間隔の割合が高く、検査・特定健診の割合も高い 加算1か2が見込める 実績値の通知を待ち、区分が変わるときだけ届け出る
患者は10人以上。6か月以上受診が空いた患者が多い 加算2か3にとどまるおそれ 次の集計期間に向けて、受診が途切れた患者への連絡を仕組みにする
糖尿病の患者は多いが、眼科・歯科への連携加算をほとんど算定していない 糖尿病の区分が下がるおそれ 眼科・歯科への紹介と、次回受診時の受診状況の確認を診療の流れに入れる
データの提出が遅れたことがある 区分にかかわらず算定が止まるおそれ 提出の担当者と期限を院内で決め直す

高血圧症は受診間隔の割合だけで実績値が決まるため、3疾患のうち最も手を打ちやすい区分です。脂質異常症と糖尿病は、検査の実施か特定健診の受診が割合に入ります。他院や健診で検査を受けた患者は、特定健診の受診として拾えるかを確かめておくと取りこぼしが減ります。

生活習慣病管理料の算定要件そのもの、(Ⅰ)と(Ⅱ)の使い分けは、生活習慣病管理料の算定ガイドで整理しています。

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充実管理加算の経過措置:いつまで加算1を算定でき、いつから実績で決まるか

経過措置の対象は、令和8年3月31日において現に生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の注4の届出を行っていた医療機関です。疑義解釈によれば、3月31日までに様式7の11の届出を済ませていればよく、3月に外来データ提出加算を算定している必要はありません。経過措置で加算1を算定するにあたり、6月1日以降にあらためて届け出る必要もありません。

ただし、経過措置が終わったあとにどの区分へ移るかは、様式7の11をいつ届け出たかで変わります。厚生労働省の事務連絡(令和8年5月12日の訂正後)が示す区分は次のとおりです。

様式7の11の届出時期 令和8年6月~令和9年3月 令和9年4月以降 実績値の集計期間
令和7年10月1日まで 加算1(経過措置) 令和9年4月から実績に基づく区分 令和7年10月~令和8年9月
令和7年10月2日~令和8年4月1日(経過措置は3月31日までの届出に限る) 加算1(経過措置) 令和9年4月~9月は加算3、令和9年10月から実績に基づく区分 令和8年4月~令和9年3月
令和8年10月1日まで 加算3 令和10年3月までは加算3、令和10年4月から実績に基づく区分 令和8年10月~令和9年9月
令和9年4月1日まで 加算3 令和10年9月までは加算3、令和10年10月から実績に基づく区分 令和9年4月~令和10年3月

1行目の医療機関で注意したいのは、令和9年4月からの区分を決める集計期間(令和7年10月~令和8年9月)が、すでに終わっていることです。いまから受診間隔や検査の割合を上げても、令和9年4月の区分には反映されません。いまの取り組みが反映されるのは、次の集計期間(令和8年10月~令和9年9月)をもとにした令和10年4月からの区分です。

2行目の医療機関は、令和9年4月から9月までの半年間、いったん加算3に下がります。6か月間、1回の算定につき20点の差が出るので、対象の患者数を掛けて影響を見積もっておくと、体制づくりにどこまで手間をかけるかを決めやすくなります。

実績値の通知を受けたら、「実績に基づく加算の算定開始日」に間に合うよう、様式7の11をあらためて地方厚生(支)局へ届け出ます。区分に変更がなければ、届出は要りません。経過措置の終了で区分が変わる場合も、同じく様式7の11の届出が必要です。実績値の通知時期は「追って示す」とされています。

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充実管理加算の区分を保つために、いまから準備すること

経過措置の対象かどうかで、準備の中身が変わります。

経過措置で加算1を算定している医療機関は、次の4つを進めておきます。

  1. 自院の様式7の11の受理日を確かめ、時期の表のどの行に当たるかを決める
  2. 様式7の10で登録した連絡担当者のメールを、院内の誰が見るかを決める。データ提出の実績や実績値の通知は、原則として電子メールで届く
  3. 疾患ごとに、判定表の割合(受診間隔、検査・特定健診、眼科・歯科の連携)を出し、6か月以上受診が空いている患者を一覧にする
  4. 次の集計期間に向けて、受診が途切れた患者への連絡、検査の予定、眼科・歯科への紹介を、診療と受付の流れに組み込む

データ提出は、区分にかかわらず止めないことが前提です。提出の遅延が調査年度内に累積3回になると、様式7の12で変更の届出をし、翌月から算定できなくなります。

まだ充実管理加算を届け出ていない医療機関は、様式7の10の届出から始めます。令和8年度の次の期限は11月20日で、届け出ると12月と1月の2か月分の試行データを作り、令和9年2月25日(オンラインは正午まで)までに外来医療等調査事務局へ提出します。試行データが認められれば通知が届き、令和9年4月1日までに様式7の11を届け出ることで、最短で令和9年4月から加算3を算定できます。この場合、実績に基づく区分になるのは令和10年10月からです。

よくある質問

経過措置で充実管理加算1を算定するのに、6月以降あらためて届け出る必要はありますか

ありません。令和8年3月31日において現に注4の届出を行っていた医療機関は、6月1日以降に加算1を算定するにあたって、加算1の施設基準の届出をあらためて行う必要はないと事務連絡で示されています。経過措置が終わって区分が変わるときは、様式7の11の届出が必要です。

3月に外来データ提出加算を算定していませんでしたが、経過措置の対象になりますか

試行データが適切に提出されたとして厚生労働省から通知を受け、令和8年3月31日までに様式7の11を届け出て、地方厚生局での手続を終えていれば対象です。疑義解釈では、3月に外来データ提出加算を算定している必要はないとされています。

生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定している患者にも充実管理加算を算定できますか

算定できます。告示で生活習慣病管理料(Ⅱ)にも注4として同じ区分と点数の充実管理加算が置かれ、留意事項通知も(Ⅰ)の取扱いの例によるとしています。実績要件の割合も、(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらかを算定する患者を対象に計算されます。

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まとめ

充実管理加算は、経過措置の対象なら令和9年3月まで加算1を算定でき、その後は届出時期に応じた集計期間の実績値で区分が決まります。まずは自院の様式7の11の受理日から時期の表の行を確かめ、疾患ごとの受診間隔と検査の割合を出して、次の集計期間に向けて受診が途切れた患者への連絡を仕組みにしてください。

参考

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提供形態

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診療科目

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