精神科在宅患者支援管理料の算定要件|管理料1・2・3の判定表と施設基準チェックリスト、摘要欄の記載事項

精神科在宅患者支援管理料は、通院が難しい精神疾患の患者に、精神科医・看護師・精神保健福祉士・作業療法士のチームが訪問診療と訪問看護を組み合わせて支える体制を評価する点数です。月に2,000点を超える区分がある一方で、対象患者・訪問回数・会議の頻度・算定できる期間の条件が細かく、どれか1つ欠けると算定できません。

この記事は、精神科の訪問診療をしている、またはこれから始めたい診療所の院長と医事担当の方に向けて、自院の体制で届出と算定ができるかを判断するための材料を、判定表とチェックリストで整理します。内容は令和8年6月1日施行の告示、留意事項通知、施設基準通知、記載要領で確かめたものです。

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目次
  1. 精神科在宅患者支援管理料の点数と令和8年度改定での扱い
  2. 精神科在宅患者支援管理料1・2・3の違い
  3. 精神科在宅患者支援管理料の対象患者の判定表
  4. 精神科在宅患者支援管理料の訪問とカンファレンスの要件
  5. 精神科在宅患者支援管理料の施設基準チェックリスト
  6. 精神科在宅患者支援管理料で診療録と摘要欄に残すこと
  7. 精神科在宅患者支援管理料と併算定できない管理料
  8. よくある質問
    1. 精神科在宅患者支援管理料は無床の診療所でも届け出られますか
    2. 6か月を過ぎた患者はどうなりますか
    3. チームカンファレンスはオンラインでもかまいませんか
  9. まとめ
  10. 参考

精神科在宅患者支援管理料の点数と令和8年度改定での扱い

点数は月1回、管理料の区分と、患者が住む建物で自院が医学管理をしている人数(単一建物診療患者が1人か2人以上か)で決まります。

区分 対象 単一建物1人 2人以上
管理料1 イ 集中的な支援が必要な患者 3,000点 2,250点
管理料1 ロ それ以外の対象患者 2,500点 1,875点
管理料2 イ 集中的な支援が必要な患者 2,467点 1,850点
管理料2 ロ それ以外の対象患者 2,056点 1,542点
管理料3 1または2から移行した患者 2,030点 1,248点

令和8年度改定では、この管理料は個別改定項目に取り上げられていません。施設基準で引用している「時間外対応加算1」は、改定で「時間外対応体制加算1」に名称が変わっています。

精神科在宅患者支援管理料1・2・3の違い

3つの区分は「誰が訪問看護をするか」と「どの段階の患者か」で分かれます。

管理料1 管理料2 管理料3
訪問看護をする人 自院の看護師・保健師・作業療法士・精神保健福祉士(特別の関係にある訪問看護ステーションと組む場合も1) 自院とは別の訪問看護ステーション 問わない
求められる訪問 訪問診療と精神科訪問看護の両方 自院の訪問診療と、連携先の精神科訪問看護 月1回以上の訪問診療
算定できる期間 初回算定月を含めて6か月 初回算定月を含めて6か月 1または2の初回算定月を含めて2年
届出 必要 必要 1または2の届出が前提

管理料3は、1または2の6か月が終わったあとも訪問診療が必要な患者に使う区分です。1または2を算定した月には、3は算定できません。

精神科在宅患者支援管理料の対象患者の判定表

対象は、精神症状で単独での通院が難しい人を含む、精神科への通院が困難な在宅の患者です。そのうえで、イとロのどちらに当たるかを次の表で判定します。

判定 条件 イ(集中的な支援) ロ
A 入院歴 1年以上の入院歴がある、措置入院・緊急措置入院を経て退院し都道府県等の退院後支援計画の期間中である、または入退院を繰り返している(直近の入院が措置・緊急措置・医療保護入院で、その入院日から過去3か月以内にも同様の入院がある) AとBの両方で対象 AかBのどちらかで対象
B 疾患とGAF 統合失調症・統合失調症型障害・妄想性障害・気分(感情)障害、または重度認知症(自立度ランクM)で、退院時か算定時のGAFが40以下 AとBの両方で対象 AかBのどちらかで対象
C 導入基準 「在宅医療における包括的支援マネジメント導入基準」(別紙様式41の2)でコア項目を1つ以上満たす、または5点以上 Cだけで対象 ―
D 行政からの依頼 ひきこもりや未受診・受診中断で保健師などの家庭訪問の対象になっており、行政機関の要請で精神科医が訪問診療して計画的な医学管理が必要と判断し、算定日のGAFが40以下 ― 3つすべてで対象

重度認知症で算定する場合、JCSでⅡ-3(30)以上、GCSで8点以下の重度の意識障害がある人は除かれます。

管理料3を前月に算定した患者で、Bに当たり、状態の著しい急性増悪がある場合は、要件を満たせば1のロまたは2のロに戻して算定できます。その場合は摘要欄に急性増悪の状態像を書きます。

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精神科在宅患者支援管理料の訪問とカンファレンスの要件

区分ごとに、月の訪問回数と会議の頻度が決まっています。

要件 1のイ・2のイ 1のロ・2のロ 3
専任チーム 患者ごとに精神科医、看護師または保健師、精神保健福祉士、作業療法士を各1名以上 同じ ―
訪問診療 月1回以上 月1回以上 月1回以上
精神科訪問看護 週2回以上(うち月2回以上は精神保健福祉士か作業療法士) 月2回以上(うち月1回以上は精神保健福祉士か作業療法士) ―
チームカンファレンス 週1回以上 月1回以上 ―
保健所等との連携 2か月に1回以上、保健所や精神保健福祉センターと共同で会議をするか、患者の同意を得て会議結果を文書で報告 患者の同意を得て、2か月に1回以上、会議結果を文書で情報提供。必要に応じて共同会議 ―
総合支援計画書 別紙様式41などで月1回以上作成し、写しを診療録に添付 同じ 同じ

訪問は原則として専任チームの職員が行います。チーム外の職員が訪問する場合は、あらかじめ患者や家族に説明し、同意を得ておきます。

管理料2では、連携する訪問看護ステーションの看護師・保健師・作業療法士・精神保健福祉士のうち1名以上が専任チームに入る必要があります。ステーションが緊急時に動けるよう、患家の同意を得て病状や治療計画などの情報を随時渡しておくことも求められています。

会議はビデオ通話でも認められています。画面上で患者の個人情報を共有するときは患者の同意を得て、電子カルテと同じネットワークの端末を使うなら「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」への対応が必要です。

精神科在宅患者支援管理料の施設基準チェックリスト

管理料1・2は様式47の2、管理料3は別添2の2で届け出ます。届出前に次を確かめてください。

人の配置

  • [ ] 在宅医療を担当する精神科の常勤医師がいる(週3日以上・週22時間以上勤務する在宅担当の精神科非常勤医師2名以上で、常勤医師の勤務時間帯を埋めている場合も可)
  • [ ] 常勤の精神保健福祉士がいる
  • [ ] 作業療法士がいる
  • [ ] 精神科訪問看護・指導を担当する常勤の保健師か看護師がいる、または精神科訪問看護基本療養費の届出をしている訪問看護ステーションと連携している

24時間の体制

  • [ ] 24時間連絡を受ける担当者を決め、担当者と直接つながる電話番号や緊急時の注意事項を、患者・家族に文書で渡している(曜日・時間帯で担当が変わるなら、それぞれ明記)
  • [ ] 電話で相談を受けたら常時対応でき、必要なら往診か精神科訪問看護ができる。自院で24時間往診ができない場合は、連携ステーションか自院の24時間精神科訪問看護の体制がある
  • [ ] 往診や訪問看護をする人は、当直体制を担う人と別である
  • [ ] 時間外対応体制加算1を届け出ている、または精神科救急情報センター・自治体・保健所・警察・消防などからの問い合わせに原則常時対応でき、出られなかったときは速やかに折り返せる

管理料3

  • [ ] 管理料1または2の届出をしている

精神科オンライン在宅管理料(100点の加算)は、情報通信機器を用いた診療の届出をしていれば足り、別の届出はいりません。訪問診療と組み合わせた在宅診療計画を患者の同意を得て作り、訪問診療とは別の時間帯に、患者の自宅にいる患者を診た場合に算定します。

算定を間違えないカルテの選び方

算定や記録の抜け漏れは、カルテ側で必要な情報が見えるかどうかで変わります。選ぶときに何を見ればよいかを整理した資料です。

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精神科在宅患者支援管理料で診療録と摘要欄に残すこと

要件を満たしていても、記録がなければ算定の根拠を示せません。残す場所ごとに整理します。

診療録に残すもの

  • 月1回以上作る総合支援計画書(別紙様式41またはこれに準じた様式)の写し
  • チームカンファレンスと共同カンファレンスの要点、参加者の職種と氏名
  • 支援計画書を患者・家族に説明した文書の写し
  • オンラインの医学管理をした場合は、管理の内容、実施日、診察時間などの要点

レセプト摘要欄に書くもの(管理料1・2)

項目 記載例
直近の入院の入院日・入院形態・退院日 入院日 令和8年3月2日、医療保護入院、退院日 令和8年7月10日
入退院を繰り返す場合 前々回の入院の入院日・入院形態・退院日も記載
直近の退院時のGAF 35
当月最初の訪問診療時のGAF 38
認知症高齢者の日常生活自立度ランク 該当なし、またはランク
包括的支援マネジメント導入基準 該当するコア項目と点数
初回の算定日 令和8年8月5日
カンファレンス実施日 令和8年9月3日
当月の訪問 訪問ごとの日時、診療時間、訪問した者の職種

レセプト摘要欄に書くもの(管理料3)

  • 管理料1または2の初回算定日と、管理料3の初回算定日
  • 当月の訪問ごとの日時、診療時間、訪問した者の職種

訪問看護の記録を連携先が持っている管理料2では、訪問の日時と職種を月末に集めないと摘要欄が埋まりません。連携先と、月内の訪問実績をいつ共有するかを最初に決めておくと、請求の直前に慌てずに済みます。

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精神科在宅患者支援管理料と併算定できない管理料

精神科在宅患者支援管理料を算定した場合、告示で次の点数は算定しないとされています。

算定しない点数 区分
特定疾患療養管理料 B000
小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、皮膚科特定疾患指導管理料、小児悪性腫瘍患者指導管理料 B001の5・6・7・8・18
退院後訪問指導料 B007-2
在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料、在宅がん医療総合診療料 C002、C002-2、C003
訪問看護指示料、精神科訪問看護指示料 C007、I012-2
在宅患者連携指導料、在宅寝たきり患者処置指導管理料 C010、C109

在医総管とは同じ患者に同時に算定できません。在医総管の要件は「在医総管とは?施医総管との違いと、単一建物診療患者数の数え方を実務で整理する」で扱っています。

訪問看護との関係では、次の点に注意します。

  • 通常、訪問看護ステーションが訪問看護療養費を算定した月は自院の精神科訪問看護・指導料を算定できませんが、精神科在宅患者支援管理料を算定する患者はこの制限の例外です
  • ただし例外の場合でも、ステーションが訪問看護療養費を算定した日は、原則として自院の精神科訪問看護・指導料を算定できません(管理料1・3で特別の関係にあるステーションと同日に訪問し、自院の訪問が作業療法士か精神保健福祉士による場合と、管理料2で連携ステーションと同日に訪問した場合を除く)
  • 連携ステーションが訪問看護療養費を算定した場合、ステーションが訪問したのと同じ時間帯の往診料・在宅患者訪問診療料・精神科訪問看護・指導料などは算定できません
  • 2つ以上の医療機関が同じ患者に同じ管理料の医学管理をしている場合は、主たる医学管理をしている医療機関だけが算定します
  • 訪問にかかった交通費は患家の負担です

よくある質問

精神科在宅患者支援管理料は無床の診療所でも届け出られますか

施設基準に病床の要件はありません。在宅担当の常勤精神科医(非常勤2名の組み合わせも可)、常勤の精神保健福祉士、作業療法士の配置と、24時間の連絡・往診または訪問看護の体制がそろえば、診療所でも届け出られます。

6か月を過ぎた患者はどうなりますか

管理料1または2は初回算定月を含めて6か月が上限です。その後も訪問診療が必要なら、管理料3に移り、1または2の初回算定月から数えて2年まで算定できます。3の算定中に著しい急性増悪があり要件を満たせば、1のロか2のロに戻せます。

チームカンファレンスはオンラインでもかまいませんか

チームカンファレンス、保健所等との共同カンファレンス、連携ステーションとの会議は、ビデオ通話が可能な機器を使っても算定できます。画面で個人情報を共有するときの患者の同意と、安全管理ガイドラインへの対応が条件です。

まとめ

精神科在宅患者支援管理料は、対象患者の区分、訪問とカンファレンスの回数、6か月と2年の期間、摘要欄の記載の4つがそろって初めて算定できます。まず施設基準のチェックリストで届出ができるかを確かめ、対象になりそうな患者について、入院歴とGAFを摘要欄の形で書き出してみてください。

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参考

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、