診療報酬請求事務能力認定試験は第63回で終了|合格の扱い、採用時の確かめ方、資格手当を付けるかの判断軸

診療報酬請求事務能力認定試験は、2025年12月14日の第63回で終わりました。実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会は2026年3月31日に解散し、ホームページ・電話・FAXも閉じています。これから受験することはできません。

スタッフに受けさせるか、資格手当を付けるかを考えていた院長・事務長にとって、論点は「受けさせるか」から「すでに合格しているスタッフをどう扱うか」に移っています。この記事では、試験の中身と合格率の推移を一次情報で確かめたうえで、合格の扱い、採用時の確かめ方、資格手当の判断軸、これからレセプトを学ぶスタッフの進め方を整理します。

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目次
  1. 診療報酬請求事務能力認定試験は第63回で終了し、実施団体も解散した
  2. 診療報酬請求事務能力認定試験の出題形式と持ち込みできた資料
  3. 診療報酬請求事務能力認定試験の合格率の推移
  4. 診療報酬請求事務能力認定試験の合格はいまも有効か、採用時にどう確かめるか
  5. 診療報酬請求事務能力認定試験の合格者に資格手当を付けるかの判断軸
  6. 試験が無くなった後に、レセプトを学ぶスタッフの判定表
  7. 診療報酬請求事務能力認定試験の勉強はレセプト点検と返戻にどう役立つか
  8. よくある質問
    1. 診療報酬請求事務能力認定試験は、2026年以降に再開される予定はありますか
    2. 合格証を無くしたスタッフの合格は、どう確かめればよいですか
    3. 診療報酬請求事務能力認定試験の合格は、令和8年度改定の後も役に立ちますか
  9. まとめ
  10. 参考

診療報酬請求事務能力認定試験は第63回で終了し、実施団体も解散した

協会は2023年12月に試験事業の終了を公表し、予告どおり令和7年度(2025年度)の2回で試験を終えました。日程は次のとおりです。

日付 できごと
2023年12月 試験事業の終了を公表
2025年7月13日 第62回試験
2025年12月14日 第63回試験(最終回)
2026年2月20日 第63回の合格者発表
2026年2月27日 合格証明書の発行申請の受付終了(必着)
2026年3月31日 協会解散。ホームページ・電話・FAXを閉鎖

終了の理由について、協会は「受験申込者数が年々減少し事業の継続が難しくなっていること」と「医療事務関連業務のデジタル化(医療DX等)で事務処理の効率化が進むと予測されること」を挙げています。

協会の「試験事業終了等の公表に関するQ&A」(令和7年10月更新)は、この試験に替わる試験はないと答えています。他の団体が同じ試験を引き継いだわけではありません。

診療報酬請求事務能力認定試験の出題形式と持ち込みできた資料

合格者を評価するときに、何ができる証明だったのかを押さえておきます。協会の試験概要と第63回の受験案内による内容です。

項目 内容
受験資格 問わない
区分 医科と歯科に分かれ、それぞれ学科試験と実技試験
試験日 年2回(7月と12月)、日曜日または祝日
試験時間 学科と実技を合わせて3時間(第63回は13:00〜16:00)
出題範囲 「診療報酬請求事務能力認定試験ガイドライン」による。法令・点数表は試験時点で施行中のもの
持ち込み 診療報酬点数表、その他の参考書・資料(紙に限る)は自由。薬価は問題の最終頁に記載
受験料 9,000円(消費税込)
試験地 全国17か所

資料の持ち込みが自由だった点が、この試験の性格を表しています。点数を覚えているかではなく、点数表のどこに何が書いてあるかを知っていて、時間内にカルテからレセプトを完成させられるかを見る試験でした。

なお、第63回の出題は令和7年10月1日時点の法令・点数表が前提です。令和8年度診療報酬改定(2026年6月施行)の内容は試験に含まれていません。

診療報酬請求事務能力認定試験の合格率の推移

協会の「試験実績」によると、第1回から第63回までの受験者は延べ434,178人、合格者は134,359人で、通算の合格率は30.9%です(医科30.8%、歯科37.9%)。

直近の各回は次のとおりです。

回 受験者数(医科・歯科計) 合格者数 合格率(計) 合格率(医科)
第53回 5,450人 2,329人 42.7% 42.8%
第54回 3,200人 1,199人 37.5% 37.5%
第55回 4,989人 1,961人 39.3% 39.4%
第56回 2,361人 673人 28.5% 28.3%
第57回 4,224人 1,523人 36.1% 36.1%
第58回 2,523人 929人 36.8% 37.0%
第59回 3,719人 1,792人 48.2% 48.4%
第60回 1,699人 566人 33.3% 33.2%
第61回 2,633人 1,083人 41.1% 41.2%
第62回 1,531人 531人 34.7% 34.7%
第63回 2,108人 878人 41.7% 41.9%

第52回(2020年7月予定)は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止されています。

数字を読むときの注意が2つあります。1つは、受験者数が大きく減っていることです。第21回は13,232人でしたが、第60回以降は1,500〜2,600人台です。母数が小さくなると回ごとの振れが大きくなるので、直近の合格率が上がって見えても「易しくなった」とは言えません。もう1つは、協会によると受験者の約7割が若年層で、18〜20歳の専門学校生が多かったことです。実務経験者だけの合格率ではありません。

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診療報酬請求事務能力認定試験の合格はいまも有効か、採用時にどう確かめるか

合格実績は失効しません。協会のQ&Aは「合格実績に有効期限はございません」と答えています。試験が終わっても、合格したスタッフの履歴書に書かれた資格が無効になるわけではありません。

一方で、合格を第三者に証明してもらう手段はほぼなくなりました。

  • 合格証明書の発行は2026年2月27日の到着分で締め切られた
  • 協会の受験履歴データベースは解散とともに閉鎖された
  • 協会への電話・FAX・郵便での問い合わせ先も閉じている

採用時や手当の支給前に合格を確かめるなら、本人が持っている認定証(合格者に交付されたもの)か、締め切り前に取った合格証明書の原本を見せてもらうのが唯一の方法です。紛失していると再発行はできません。手当の支給条件にするなら、写しを人事記録に残しておくと後で困りません。

診療報酬請求事務能力認定試験の合格者に資格手当を付けるかの判断軸

試験が無くなったことで、資格手当の意味が変わりました。これまでは「取ったら手当が付く」ことが勉強の動機になりえましたが、新しく合格する人はもう出ません。手当は「これから取らせるための仕組み」としては働かず、「すでに持っている人への評価」だけが残ります。

判断の軸は、資格そのものより、院がレセプト業務で何を求めているかです。

院の状況 合格者への資格手当 理由
すでに合格者に手当を付けている 続ける 試験終了を理由に外すと、実質的な賃下げになる。就業規則・賃金規程の変更として扱う必要もある
手当は無く、レセプトの作成・点検をその人が担っている 資格ではなく担当業務に付ける手当を検討する 合格の有無で差をつけても、同じ業務をしている未合格のスタッフとの差を説明しにくい
受付・会計が中心で、レセプトは外部委託か別のスタッフが担当 新たに付けなくてよい 合格で示される力(カルテからレセプトを起こす力)を業務で使わない
採用で合格者を優先したい 手当ではなく採用時の評価で見る 合格は「点数表を引いてレセプトを完成できた」証明。実務経験年数と、扱ったレセプトの件数・診療科を併せて聞くほうが実態に近い

すでに手当を付けている院は、支給の根拠を「資格」から「レセプト点検の担当」などの業務に寄せ直すと、合格していないスタッフにも同じ道を開けます。変更するなら、賃金規程の改定として本人の同意を取る手順を踏んでください。

スタッフが定着するクリニックの条件

採用と教育にかかる手間は、日々の業務がどれだけ整理されているかで変わります。スタッフの定着に効く打ち手をまとめました。

スタッフ定着の資料を見る

試験が無くなった後に、レセプトを学ぶスタッフの判定表

受験を考えていたスタッフや、これから医療事務に入るスタッフは、この試験を目標にできなくなりました。協会も後継試験は無いとしています。レセプトの作成・点検を実技で問う民間の医療事務試験は他の団体にもあるので、目標を置きたい人はそちらを調べることになります。ただ、受けるかどうかは本人の業務で決まります。

スタッフの状況 進め方
レセプトの作成・点検を任されている、または半年以内に任される予定 実技(カルテからレセプトを起こす問題)がある民間試験を目標に置くと勉強の区切りになる。受けるなら、院内のレセプト点検を一緒に担当させながら進める
すでに数年レセプトを担当し、返戻・査定にも対応できている 試験を受けなくてよい。力は毎月の返戻件数と点検の精度で見えている。改定のたびに点数表の変更点を追うほうが実務に直結する
受付・会計を始めたばかりで、レセプトにまだ触っていない まだ早い。保険証・資格確認の見方、自己負担割合、初診・再診の区別を先に固める。レセプトは先輩の点検の横で見るところから
受付専任で、今後もレセプトを担当しない 受けなくてよい

院内での教え方は「医療事務のレセプト勉強方法とは。新人教育と資格取得のポイントを解説」で整理しています。

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診療報酬請求事務能力認定試験の勉強はレセプト点検と返戻にどう役立つか

この試験の勉強で身につくのは、点数表を引いて算定の根拠を確かめる習慣です。持ち込みが自由だったので、合格者は「覚えている」より「どこを引けば答えが出るか分かる」状態に近いと考えるのが自然です。

クリニックの業務では、次の場面でこの力が出ます。

  • 月初のレセプト点検で、算定要件を満たしていない加算や、併算定できない組み合わせに気づく
  • 返戻・査定の理由を読んで、点数表と留意事項通知のどこが根拠かを探せる
  • 改定後に、変わった項目を点数表で確かめてから院内に共有できる

ただし、試験で扱うのは試験時点の点数表で、院の電子カルテやレセコンの操作、オンライン請求の手順は含みません。返戻を実際に減らすのは、点検の担当を決めて、返戻の理由を毎月振り返る院内の仕組みのほうです。返戻が届いた後の処理は「ORCAで返戻レセプトを再請求する手順」「レセプトの取り下げ方法」にまとめています。

勉強時間について、協会は目安を示していません。一般には数か月単位の準備が要るとされますが、実務でレセプトを扱っているかどうかで大きく変わります。

よくある質問

診療報酬請求事務能力認定試験は、2026年以降に再開される予定はありますか

協会は2026年3月31日に解散しており、協会のQ&Aでも替わる試験は無いとしています。再開の告知は出ていません。

合格証を無くしたスタッフの合格は、どう確かめればよいですか

合格証明書の発行は2026年2月27日で締め切られ、協会の受験履歴データも閉鎖されたため、第三者に確かめる方法はありません。合格者は協会の機関誌やホームページにも掲載されていましたが、ホームページは閉じています。手当の支給条件に使うなら、本人の申告と業務での実績で判断するしかありません。

診療報酬請求事務能力認定試験の合格は、令和8年度改定の後も役に立ちますか

合格に有効期限はなく、点数表を引いて算定を確かめる力はそのまま使えます。ただし第63回の出題も令和7年10月1日時点の点数表が前提なので、令和8年度改定で変わった点は別に追う必要があります。

まとめ

診療報酬請求事務能力認定試験は第63回で終わり、新しく合格する人はもう出ません。合格実績は失効しませんが、第三者に確かめる手段は無くなったので、手当や採用の判断に使うなら本人の認定証の原本で確かめてください。資格手当は資格ではなくレセプト点検などの担当業務に紐づけ直すと、これから育つスタッフにも同じ道が開けます。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

参考

協会のホームページは2026年3月31日に閉鎖されているため、閉鎖前の保存版を挙げます。

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特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、