保険医登録票の原本はどこ?紛失時の再交付、氏名・勤務地が変わったときの届出、クリニックが採用時に確認すること

保険医登録票は、医師が保険医として地方厚生(支)局長の登録を受けたことを示す書類です。保険診療を行うクリニックで働く医師は、全員が保険医である必要があります。登録に有効期限は無く、更新もありません。そのため、開業や転職のときに「原本がどこにあるかわからない」という事態が起きやすい書類です。

この記事では、原本の探し方、紛失したときの再交付、変更があったときの届出、クリニック側の確認の仕方を整理します。

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目次
  1. 保険医登録票は何を証明する書類か
  2. 保険医登録票の原本はどこにあるか
  3. 保険医登録票を紛失・き損したときの再交付
  4. 氏名・住所・勤務地が変わったときの保険医の届出
  5. クリニックが医師を採用するときの保険医登録票の確認
  6. 開業時の保険医療機関の指定申請と保険医登録票
  7. よくある質問
    1. 保険医登録票に有効期限や更新はあるか
    2. 再交付が届くまで保険診療をしてはいけないか
    3. 原本ではなく写しの提出でよいか
  8. まとめ
  9. 参考

保険医登録票は何を証明する書類か

健康保険法第64条は、保険医療機関で健康保険の診療に従事する医師は、厚生労働大臣の登録を受けた医師(保険医)でなければならないと定めています。登録は医師の申請により行われ(第71条)、登録を受けると保険医登録票が交付されます。

医師免許証 保険医登録票
証明すること 医師であること 保険診療を行える医師(保険医)であること
交付元 厚生労働大臣 地方厚生(支)局長
有効期限 無し 無し(取消し・抹消されない限り有効)
無いと困る場面 医業そのもの 保険医療機関での保険診療

医師免許があっても保険医の登録が無ければ、保険医療機関で保険診療はできません。自費診療だけのクリニックで働く場合は登録が無くても診療できますが、保険診療を1件でも行うなら登録が要ります。

保険医登録票の原本はどこにあるか

保険医登録票は医師本人に交付される書類です。原本が見当たらないときは、次の順で探します。

  1. 医師免許証と一緒に保管していないか(研修医の時期に登録した人が多い)
  2. 以前の勤務先に原本を預けたままになっていないか(採用時に提出を求められ、返却されていない例がある)
  3. 開業時の指定申請を依頼した業者・事務所に預けていないか

勤務先に原本を預けていた場合は、退職時に返してもらいます。クリニック側も、原本を預かるのではなく写しを保管する運用にしておくと、退職時のやり取りが減ります。

保険医登録票を紛失・き損したときの再交付

見つからない場合や、汚れ・破損で読めない場合は、再交付を申請します。根拠は「保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令」第18条です。

項目 中身
申請先 登録を行った都道府県を管轄する地方厚生(支)局の事務所
様式 保険医・保険薬剤師の登録票再交付申請書
添付 き損の場合は、き損した登録票
手数料 無し
提出方法 窓口持参・郵送・マイナポータル(局により案内が異なる)
標準処理期間 2週間程度(関東信越厚生局の例)

提出先は今いる場所ではなく、登録を行った都道府県で決まります。登録票の記号を見ると、どの事務所かがわかります(関東信越厚生局なら「東」「神」「千」など、都県名の1字)。紛失した登録票を後で見つけた場合は、速やかに返納します。

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氏名・住所・勤務地が変わったときの保険医の届出

変わったこと 手続き 期限・提出先
氏名(結婚などで姓が変わった) 保険医の氏名変更届。登録票の書換えもこの届出で行う 登録した事務所
地方厚生(支)局の管轄をまたぐ異動(例:関東から近畿へ) 管轄地方厚生(支)局長変更の届出 異動から10日以内に、変更前の局へ
同じ地方厚生(支)局の中での異動(例:東京都から神奈川県へ) 令和3年2月10日以降、管轄事務所等変更届は不要 ―

氏名変更で登録票の書換えを希望する場合、再交付申請ではなく氏名変更届を使う点に注意します。

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クリニックが医師を採用するときの保険医登録票の確認

常勤・非常勤を問わず、保険診療を行う医師を採用するときは、次を確認します。

  • 保険医登録票の写し(登録の記号・番号、登録年月日、氏名)
  • 医師免許証の写し(医籍登録番号)と、登録票の氏名が一致しているか
  • 旧姓で登録されたままなら、氏名変更届を出しているか

保険医療機関は、勤務する保険医に変更があったとき、地方厚生(支)局に届け出ます(医師本人の届出とは別の、医療機関側の届出です)。非常勤の医師を新たに入れたときに忘れやすいので、採用の手順に入れておきます。

開業時の保険医療機関の指定申請と保険医登録票

開業して保険医療機関の指定を申請するときは、管理者や勤務する医師の保険医の登録番号を申請書に書きます。記号・番号を正確に書くため、開業準備の早い段階で原本の所在を確認しておきます。指定申請には締切日があり、締切に間に合わないと指定日(毎月1日)が1か月ずれます。届出全体の流れはクリニックの開業に必要な届出・申請にまとめています。

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よくある質問

保険医登録票に有効期限や更新はあるか

ありません。登録の取消しや抹消が無い限り、有効です。保険医療機関の指定(6年ごとの更新)とは別のものです。

再交付が届くまで保険診療をしてはいけないか

登録そのものは有効なので、保険診療はできます。採用先から原本の提示を求められた場合は、再交付を申請中であることを伝えて相談します。

原本ではなく写しの提出でよいか

採用時の確認は写しで足ります。原本を預かると返却の手間と紛失のリスクが生じるので、クリニック側は写しの保管を基本にします。

まとめ

保険医登録票は、保険診療を行う医師であることを示す書類で、有効期限はありません。紛失したら、登録した都道府県を管轄する事務所に再交付を申請します(手数料無し)。氏名変更は氏名変更届、局をまたぐ異動は10日以内の届出です。クリニック側は採用時に写しで確認し、勤務する保険医の変更を地方厚生(支)局に届け出ます。

参考

  • 健康保険法(大正11年法律第70号)第64条、第71条 https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070
  • 関東信越厚生局「保険医・保険薬剤師の登録票の再交付の申請」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/hoken_toroku/ichiran_saikofu_shinsei.html
  • 関東信越厚生局「保険医・保険薬剤師の管轄地方厚生(支)局長変更の届出」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/shinsei/shido_kansa/hoken_toroku/ichiran_kyokucho_henko.html
  • 中国四国厚生局「保険医・保険薬剤師の登録等に関する申請・届出」 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/shinsei/shido_kansa/hoken_toroku
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提供形態

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