湿布の枚数制限は1処方何枚まで|超えるときのレセプトコメントと処方箋の書き方、受付で確認する流れ

外来で湿布(鎮痛・消炎の貼付剤)を出すときは、1回の処方で63枚までが上限です。63枚を超える場合は、医師が必要と判断した理由を処方箋とレセプトの両方に書かないと、薬剤料の一部に加えて処方料や処方箋料まで算定できなくなります。

この記事は、整形外科・内科などで湿布をよく処方するクリニックの医療事務と院長に向けて、どの湿布を何枚と数えるか、超えたときに何を書くか、受付でどこを確認するかを整理します。内容は令和8年度診療報酬改定(2026年6月1日施行)の医科点数表・留意事項通知・記載要領と、厚生労働省の疑義解釈で確かめています。

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目次
  1. 湿布の枚数制限は1処方63枚、超えた分は薬剤料も算定できない
  2. 湿布の枚数制限の対象になる貼付剤・ならない貼付剤
  3. 湿布の63枚は品目ごとではなく1処方の合計で数える(計算例)
  4. 湿布を63枚超えて処方するときのレセプトコメントと処方箋の備考
    1. レセプトに書くこと
    2. 処方箋に書くこと
  5. 湿布の1日用量・投与日数をレセプトに書くコメント
  6. 湿布の枚数制限で受付と医師が確認する流れ
  7. 湿布の枚数制限で返戻・査定になりやすいパターン
  8. よくある質問
    1. 63枚ちょうどなら理由は要りませんか
    2. 理由を書けば何枚でも出せますか
    3. 別の日に分けて処方すれば63枚を超えてもよいですか
    4. 湿布が保険で出せなくなると聞きました。枚数制限と関係ありますか
  9. まとめ
  10. 参考

湿布の枚数制限は1処方63枚、超えた分は薬剤料も算定できない

医科点数表の「第5部 投薬」通則5で、次のように定められています。令和8年度改定でも文言は変わっていません。

  • 入院中の患者以外に、1処方につき63枚を超えて貼付剤を投薬した場合は、算定しない
  • ただし、医師が疾患の特性などから必要と判断し、やむを得ず63枚を超えて投薬する場合は、その理由を処方箋と診療報酬明細書に記載すれば算定できる

理由を書かずに63枚を超えたとき、算定できなくなるのは湿布の超過分だけではありません。

処方の形 算定できなくなるもの
院内処方 調剤料、処方料、調剤技術基本料、63枚を超えた分の薬剤料
院外処方 処方箋料

院外処方では処方箋料がまるごと落ちます。湿布以外の内服薬を同じ処方箋に載せていても同じです。63枚ちょうどまでは制限にかかりません。64枚目からが対象です。

湿布の枚数制限の対象になる貼付剤・ならない貼付剤

留意事項通知では、通則5の貼付剤を「鎮痛・消炎に係る効能・効果を有する貼付剤」としたうえで、次を除いています。

区分 枚数制限
鎮痛・消炎の効能を持つ湿布(パップ剤・テープ剤) 対象
全身作用型の経皮吸収型製剤でも、鎮痛・消炎の目的で使う場合 対象(疑義解釈その47。ジクトルテープ75mgを「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」の目的で使う場合)
各種がんの鎮痛の目的で使う場合 対象外
麻薬・向精神薬である貼付剤 対象外
もっぱら皮膚疾患に用いる貼付剤 対象外

同じ製剤でも、使う目的で対象かどうかが変わるものがあります。がんの鎮痛で使っているなら、傷病名と処方の目的がレセプトから読み取れるようにしておきます。

湿布の63枚は品目ごとではなく1処方の合計で数える(計算例)

63枚は品目ごとの上限ではありません。疑義解釈その47(令和5年4月5日)で、処方された湿布薬全体の合計の上限枚数が63枚であることが示されています。

例 処方 合計 判定
1 テープ剤 1日2枚×28日分 56枚 63枚以内。理由の記載は不要
2 テープ剤 1日2枚×28日分 + パップ剤 1日1枚×7日分 63枚 63枚ちょうど。理由の記載は不要
3 テープ剤 1日2枚×28日分 + パップ剤 1日1枚×14日分 70枚 63枚を超える。理由の記載が要る
4 パップ剤 1日1枚×70日分 70枚 63枚を超える。理由の記載が要る

例3のように、1品目ずつ見ると63枚以内でも、合計で超えることがあります。腰と膝で別の湿布を出している患者で起きやすいパターンです。

枚数は処方した枚数で数えます。1袋7枚入りのような包装単位で処方する場合も、袋数ではなく枚数に直して合計します。

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湿布を63枚超えて処方するときのレセプトコメントと処方箋の備考

レセプトに書くこと

記載要領の別表Ⅰ(医科)の項番396「F200 薬剤等〈入院外分〉/F400 処方箋料」に、次のコメントがあります。

場面 記載すること コメントコード 表示文言
1回の処方で63枚を超えて投与した 投与が必要と判断した趣旨 830000052 63枚を超えて鎮痛・消炎に係る効能・効果を有する貼付剤を投与した理由;(文章)

理由は、通則5の「疾患の特性等により必要性がある」が読み取れる形で書きます。次の2点を入れると審査側に伝わります。

  1. なぜその枚数が要るのか(貼付する部位の数、1日に貼る回数)
  2. なぜ処方の間隔を短くできないのか(通院の事情など、カルテに記録のある事実)

文例は次のような形です。

  • 「腰部と両膝の3部位に1日1回貼付するため、28日分で84枚を要する」
  • 「遠方在住で通院が月1回に限られ、腰部・肩部に1日1回ずつ貼付するため」

「患者希望」「多めに処方」のように、医師が必要と判断した趣旨が読み取れない書き方は避けてください。理由は医師が診療録に書いた内容と合っている必要があります。

処方箋に書くこと

院外処方では、処方箋にも理由を書きます。処方箋の記載上の注意事項では、「備考」欄の(7)に、63枚を超えて投与する場合はその投与が必要と判断した趣旨を記載するとされています。

処方箋に書いていないと、薬局は処方医に疑義照会をして確かめることになります。調剤側の別表Ⅰにも「処方箋記載により確認」(820100377)と「疑義照会により確認」(820100378)のコードがあり、処方箋に書いてあれば問い合わせは不要になります。

湿布の1日用量・投与日数をレセプトに書くコメント

63枚を超えないときも、鎮痛・消炎の湿布を出したら毎回書くことがあります。

場面 記載すること コメントコード
鎮痛・消炎の効能を持つ貼付剤を投与した(枚数にかかわらず) 所定単位あたりの薬剤名と、枚数としての投与量を書いたうえで、枚数としての1日用量または投与日数 830100204

処方箋でも、処方欄に「1回あたりの使用量」と「1日あたりの使用回数または投与日数」を必ず記載するとされています。「湿布 70枚 1日適宜」のような書き方では、何日分なのかが分からず、審査で枚数の妥当性を確認できません。

外用薬は投与総量を書けばよいものが多いなか、鎮痛・消炎の湿布だけは1日用量か投与日数を添える決まりです。電子カルテのセット処方で、湿布の行だけ日数の入力を必須にしておくと抜けません。

患者に選ばれるための動線

初診の予約から受付までのどこで離脱が起きているか。集患のために整えておきたい点をまとめました。

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湿布の枚数制限で受付と医師が確認する流れ

処方を受ける段階で枚数を数えれば、レセプト点検の段階で慌てずに済みます。

  1. 処方入力の時点で合計枚数を出す。湿布が複数品目あるときは合算する。電子カルテの処方チェックで63枚超を警告する設定にしておく
  2. 63枚を超えていたら、医師に2択で確認する。「枚数を63枚以内に減らすか」「理由を書いて63枚を超えて出すか」
  3. 超えて出す場合は、理由を診療録に書いてもらう。事務が理由を作文しない。医師が書いた文言をレセプトのコメントと処方箋の備考に転記する
  4. 院外処方なら処方箋の備考を確認してから渡す。備考に理由が無いまま渡すと、薬局から疑義照会が来る
  5. 月末のレセプト点検で830000052と830100204を見る。63枚超の処方に理由のコメントがあるか、湿布の行に1日用量または投与日数があるか

前回の処方からの日数が短いのに湿布が繰り返し出ている患者も、点検の対象にします。1回の処方で63枚以内でも、短い間隔で処方が続くと、審査で投与量の妥当性を問われることがあります。

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湿布の枚数制限で返戻・査定になりやすいパターン

パターン 何が起きるか
2品目以上の湿布を合算すると63枚を超えているのに、理由のコメントが無い 品目ごとに数えると63枚以内に見える。処方料・処方箋料まで落ちる
63枚を超えた理由が「患者希望」など、医師の判断が読み取れない 必要性が認められない
処方箋の備考に理由が無い 薬局から疑義照会。レセプトと処方箋の両方が要件
湿布の行に1日用量または投与日数が無い 830100204の記載が無い
63枚を超える湿布をリフィル処方箋で出した 貼付剤はリフィル処方できない(留意事項通知)
がんの鎮痛目的で使っているのに、レセプトから目的が読めない 枚数制限の対象と見なされる

リフィル処方箋については、留意事項通知の処方箋料の項で「投与量に限度が定められている医薬品及び貼付剤については、リフィル処方箋による処方を行うことはできない」とされています。湿布は枚数にかかわらずリフィルの対象外です。

よくある質問

63枚ちょうどなら理由は要りませんか

要りません。通則5は「63枚を超えて」投薬した場合なので、63枚までは理由の記載は不要です。ただし、1日用量または投与日数のコメント(830100204)は枚数にかかわらず必要です。

理由を書けば何枚でも出せますか

告示に枚数の上限はありませんが、医師が疾患の特性などから必要と判断した場合に限られます。理由がカルテの記録と合っていないと、審査で必要性が認められないことがあります。

別の日に分けて処方すれば63枚を超えてもよいですか

63枚は1処方あたりの上限です。ただし、制限を避ける目的で処方を分けても、短い間隔で湿布の処方が続いていれば審査で投与量を確認されます。必要な枚数が63枚を超えるなら、理由を書いて1回で出すのが筋です。

湿布が保険で出せなくなると聞きました。枚数制限と関係ありますか

別の制度です。OTC類似薬の保険給付の見直しは2027年3月からの予定で、枚数制限とは仕組みが違います。患者への説明は「湿布や花粉症の薬が保険適用外になるのはいつから」にまとめています。

まとめ

湿布は1処方63枚までで、品目を合算して数えます。超えるときは、医師が必要と判断した理由をレセプト(830000052)と処方箋の備考の両方に書きます。書かないと、院内処方では処方料などと超過分の薬剤料、院外処方では処方箋料が算定できません。63枚以内でも、湿布の行には1日用量または投与日数(830100204)が要ります。

院内処方での薬剤料の出し方は「薬剤料の計算方法」で解説しています。

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参考

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対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、