法別番号53(児童福祉法の措置等医療)のレセプト|受診券で確かめる3つの欄、2者併用と公費単独の判定表、窓口負担と請求先

児童養護施設の職員に付き添われた子どもが、保険証と一緒にピンク色の紙やカードの「受診券」を出してきたら、それは法別番号53、児童福祉法の措置等医療の公費です。年に数回しか来ないクリニックも多く、そのたびに「窓口でいくらもらうのか」「レセプトはどう出すのか」で手が止まりがちです。

法別番号53の扱いは、ほかの公費に比べると単純です。窓口では負担をもらわず、保険の有無に応じて2者併用か公費単独でレセプトを出します。迷うのは、受診券の記載の読み方と、保険に入っていない子どもの扱いくらいです。

この記事は、クリニックの受付・医療事務の方に向けて、受診券の確かめ方、窓口負担、レセプトの組み立て方をまとめたものです。施設側の手続きや、措置そのものの制度は扱いません。法別番号の全体は公費負担医療制度の法別番号一覧で整理しています。

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目次
  1. 法別番号53(児童福祉法の措置等医療)の対象になる子ども
  2. 法別番号53の受診券で確かめる3つの欄
  3. 法別番号53の窓口負担は「もらわない」
  4. 2者併用か公費単独かの判定表
  5. 法別番号53で指定医療機関の申請は要るか
  6. 法別番号53の受付で迷う3つの場面
  7. よくある質問
    1. 法別番号53のレセプトに特記事項は要りますか
    2. 子どもが中学生以上でも窓口負担は0円ですか
    3. 法別番号53と生活保護(法別12)はどう違いますか
  8. まとめ
  9. 参考

法別番号53(児童福祉法の措置等医療)の対象になる子ども

法別番号53は、児童福祉法にもとづいて施設に入所したり、里親に委託されたりしている子どもの医療費を、公費で負担する仕組みです。宮城県と東京都の案内をあわせると、対象は次のような子どもです。

  • 乳児院、児童養護施設、児童自立支援施設、児童心理治療施設などに入所している子ども
  • 里親やファミリーホームに委託されている子ども
  • 施設によっては、一時保護中の子ども(東京都の案内)

対象になる病気の限定はなく、措置されている期間の医療費が対象です。子どもを連れてくるのは施設の職員や里親で、保護者本人が来ることはほとんどありません。

法別番号53の受診券で確かめる3つの欄

法別番号53では、児童相談所などが発行する「受診券」を、受給者証の代わりに使います。様式は自治体ごとに違い、宮城県では2018年4月から一部の施設・里親の分がカードサイズに変わりました。それ以外は、従来のピンク色の紙のままという自治体もあります。

受付で確かめるのは次の3つです。

欄 確かめること 間違えやすい点
公費負担者番号 8桁で、先頭の2桁が「53」 都道府県分と市区町村分で番号が違う。東京都は下4桁が「6008」なら都、それ以外は区市町村の番号
保険の有無 「有(国)」「有(社)」「無」など、加入している保険の記載 「無」の子どもに、手元にある古い保険証を使ってしまう
有効期間・対象者 受診日が期間内か、本人の氏名・生年月日 措置が解除された後の受診券がそのまま出される

受給者番号の欄の有無や書き方は自治体によって違います。受診券に受給者番号が書かれていない場合のレセプトの入れ方は、所在地の支払基金・国保連合会の案内か、受診券を発行した自治体に確かめてください。

緊急時には、従来の様式に手書きで発行された受診券が出てくることもあります。記載が手書きでも、上の3つの欄の確かめ方は同じです。

法別番号53の窓口負担は「もらわない」

宮城県の案内(2018年4月掲載)は、受診券を持つ子どもからは、医療機関の窓口で自己負担額を徴収しないように求めています。東京都も、医療保険を先に適用したうえで残りを全額公費で負担し、患者負担はないとしています。

保険の3割(未就学児は2割)にあたる部分も公費が負担するので、窓口での会計は0円です。自費の文書料や予防接種など、保険診療でないものは公費の対象外なので、別に扱います。

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2者併用か公費単独かの判定表

法別番号53のレセプトは、受診券に書かれた保険の有無で組み立てが変わります。宮城県の案内をもとにすると、次のとおりです。

受診券の保険欄 レセプト 請求先
有(国)=国民健康保険に加入 国保と法別53の2者併用 国保連合会
有(社)=社会保険(協会けんぽ・健保組合など)に加入 社保と法別53の2者併用 支払基金
無=保険に入っていない(生活保護世帯など) 法別53の公費単独 支払基金

保険がある子どもは「保険優先」です。保険で7割(未就学児は8割)を請求し、残りの自己負担分を法別番号53で請求します。保険がない子どもは、医療費の全額を法別番号53だけで請求します。

迷いやすいのは、ほかの公費と重なる場合です。小児慢性特定疾病(法別52)や自治体の子ども医療費助成と重なったときの順番は、自治体ごとに決まりがあります。受診券や受給者証の記載で判断がつかなければ、受診券を発行した自治体に確かめるのが確実です。

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法別番号53で指定医療機関の申請は要るか

宮城県の案内では、指定医療機関の申請は不要で、保険医療機関・保険薬局であれば、所在地の都道府県にかかわらず受診券を使えるとしています。他県の施設に入所している子どもが旅行中に受診した、といった場合も、受診券があれば同じように扱えます。

一方、東京都は、接骨院や鍼灸院では受診券を使えないとしています。東京都の場合、接骨院では保険適用後の自己負担分を窓口で支払い、後日東京都に請求する流れです。ほかの自治体の扱いは、受診券を発行した自治体の案内を確かめてください。

法別番号53の受付で迷う3つの場面

場面 対応
受診券を忘れたが、施設の職員が付き添っている 保険証だけで受け付け、自己負担をいったん預かるか、後日受診券を確認して公費で請求し直すかを院内で決めておく。施設に連絡すれば、受診券の有無はすぐ確かめられる
受診券の保険欄が「有」なのに、保険証を持ってきていない オンライン資格確認で保険の資格を確かめる。資格が確かめられなければ、自治体に確認する
措置解除の前後で受診した 受診日が受診券の有効期間内かで判断する。期間外の受診は一般の保険診療になる

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よくある質問

法別番号53のレセプトに特記事項は要りますか

法別番号53だけを理由に入れる特記事項は、一般にはありません。公費の欄に負担者番号を入れ、受診券に受給者番号があれば入れます。入れ方に迷うときは、所在地の支払基金・国保連合会の記載要領を確認してください。

子どもが中学生以上でも窓口負担は0円ですか

受診券がある限り、年齢にかかわらず窓口負担はもらいません。年齢で変わるのは、保険で請求する割合(未就学児は8割、それ以外は7割)だけです。

法別番号53と生活保護(法別12)はどう違いますか

生活保護は世帯単位で福祉事務所が医療券を出す仕組み、法別番号53は施設入所や里親委託の子どもに児童相談所などが受診券を出す仕組みです。保険がない子どもの53は公費単独になる点が、生活保護の単独レセプトと似ています。

まとめ

法別番号53の受診券を出されたら、負担者番号の先頭「53」、保険の有無、有効期間の3つを確かめます。窓口負担はもらわず、保険があれば2者併用、なければ公費単独で請求します。ほかの公費と重なったときの順番だけは自治体ごとの決まりを確かめてください。

参考

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