スタッフルームは、事務や看護師が仕事前に準備したり休憩したりするスペースです。準備の際には着替えて身なりを整えると同時に気持ちも整えるものですし、休憩時には心身をリラックスさせることで午後の英気を養います。
しかし、スタッフルームの居心地が悪ければ、気持ちを整えることもリラックスすることも困難。しかも、気持ちの切り替えができない状態が毎日続くと、ストレスが溜まって気持ちよく仕事できなくなるでしょう。
そうなると、みんながイライラをぶつけあって人間関係が悪くなったり、場合によっては退職者が出たりすることもあり得ます。それを防ぐためにも、快適な空間を用意しておくことは必須。
そこでこの記事では、クリニックのスタッフルームをより良い環境にするためのポイントについて解説します。
着替え用のスペースと休憩スペースは分ける
スタッフルームでよくあるのが、着替え用のスペースとの仕切りがないケース。これではプライバシーが確保されません。カーテンなどで仕切っている場合もありますが、同室内であっても壁で仕切るなどして、着替え用のスペースと休憩用のスペースを別にしましょう。こうすることで安心して着替えることができますし、休憩中のスタッフが着替えている側を気にすることもなくなります。
またスタッフルームの「広さ」に関しては、スタッフの人数にもよりますが、一般的なビルテナントの内科クリニックでスタッフ数が5名前後の場合、24平米程度が必要とされています。
24平米の部屋に着替えスペースと休憩スペースを設けるとなると、空間をうまく使わないと狭く感じられることが想像できるはず。着替えスペースには人数分のロッカーはもちろんのこと、テーブルを設置するとそれだけでだいぶ狭くなってしまうので、設置する設備には工夫が必要となります。
院長室と距離を離す
スタッフルーム設置の際に多くあげられるアドバイスの一つに「院長室とスタッフルームは離すこと」が挙げられます。
スタッフルームと院長室が隣接していると、お互いの会話内容が聞こえてしまうことがあります。「院長の悪口を聞かれないように」というわけではありませんが、壁を通して声が漏れる環境では落ち着きませんし、プライベートが保たれません。
スペースの問題もありますが、できれば院長室とスタッフルームは間に距離を取るようにしましょう。
患者さんから見えないように別の動線を作る
スタッフルームは可能な限り診察室や待合室から離し、休憩するスタッフと患者さんが接触しないようにすることがポイントです。
スタッフが休憩する部屋が近いと、休憩中の会話が診察室や待合室に漏れる可能性もありますし、休憩するスタッフも落ち着きません。
ビルテナントなどスペースが確保できないクリニックには、同じビル内の別の部屋に休憩室を設けるなどして、リラックスできる環境作りを行っているケースも見られます。
採光できるスペースに作る
奥まった日の光も差さない場所ではリラックスできません。可能ならば、窓が設置されているスペースにスタッフルームを設けるようにしましょう。日光が取り入れられるだけでなく、窓を開けて換気もできます。
この場合もすでに間取りが決まっている場合はフレキシブルに対応するのは難しくなりますが、スタッフがリラックスできる環境を作り、モチベーションを高めるためにも考慮すべきでしょう。
アメニティーの充実も快適さアップのポイント
スタッフルームはあくまで着替えと休憩用ですので、そこまで設備を充実させる必要はないと思いますが、快適さを上げるためには家具の質やアメニティーの導入も考慮するといいでしょう。
例えば、イスだけではなくソファーを設置してくつろげる空間を作っているケースや、スタッフ用のドリンクバーや置き菓子サービスを導入するクリニックもあります。スタッフルームに多くの予算を割くのは難しいですが、こうしたアメニティーの充実も快適さをアップさせる方法の一つです。
用途に応じて機能を特化させる
休憩するためのスタッフルームですが、用途に応じて機能を特化させるのもポイントです。例えば、スタッフが食事を取ることが多いのなら、ミニキッチンやコンロのほか、レンジや電子ポットなどの家電を充実させるといった形です。
休診時間に何人ものスタッフが一度に休憩して食事をするのなら、順番待ちにならないようレンジを2台設置するなど工夫すると、快適さは増すでしょう。
スタッフルームにも感染予防対策を
コロナ禍の今、クリニックでは待合室や受付、診察室とさまざまなシーンで感染予防対策を施しているでしょう。しかし、スタッフルームには配慮できていないケースも少なくありません。例えば、テーブルに飛沫防止用のパーテーションを設置するなど、スタッフが安心して休憩できる空間作りをしましょう。
「スタッフルームにお金をかけたくない」という意見もありますが、スタッフルームを快適にすることで、スタッフが十分にリラックスでき、より良い医療の提供につながります。実際にクリニックのスタッフルームをWebで公開している医療機関も見られますから、開業の際の参考にしてはいかがでしょうか?
特徴
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診療科目
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この記事は、2021年6月時点の情報を元に作成しています。
執筆 CLIUS(クリアス )
クラウド型電子カルテCLIUS(クリアス)を2018年より提供。
機器連携、検体検査連携はクラウド型電子カルテでトップクラス。最小限のコスト(初期費用0円〜)で効率的なカルテ運用・診療の実現を目指している。
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