外来データ提出加算の要件は?

2022年度の診療報酬改定において、2023年10月から外来の患者さんも対象にできることとこれまで入院のときのみだったデータ加算が外来でも行われることとなりました。

今回は外来データ提出加算の要件について解説します。

 

目次
  1. 改めて「データ提出加算」とは?
  2. 外来データ提出で加算できる項目
    1. 生活習慣病管理料
    2. 在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料及び在宅がん医療総合診療料
    3. 疾患別リハビリテーション料
    4. 電子カルテも確認
  3. 外来データ提出加算の算定要件・届出期限(スケジュール)
    1. 外来データ提出加算の届出期限・スケジュール
  4. 外来データ提出加算の注意点
  5. まとめ

改めて「データ提出加算」とは?

まずは、改めて「データ提出加算」について、その概要や仕組みを簡単におさらいします。

データ提出加算とは、書いて文字通り「(特定のフォーマットに沿った)データを提出するとその分診療報酬を加算できますよ」というもの。

もともとは、医療の質の向上と在院日数の短縮を目的とし、無駄のない効率的な医療の追求による医療費の抑制、全国のDPC(診断群分類別包括評価)対象病院から集められたデータの公開による医療の平準化を目指して始まりました。 参照:厚生労働省/DPC導入の影響評価に関する調査:統計の概要

ざっくり言うと、「いろんなデータを集めておくとパターン化でき、時間やコストも削れて便利になる。そのためのデータを提出すれば診療報酬をつけられる」という取り組みです。

当初は入院患者のみを対象として行われていたものですが、2022年度の診療報酬改定において、2023年10月から外来の患者さんも対象にできることとなりました。

これまでの国の方針傾向として、開始当初は加算項目として評価されるものの、改定を重ねると義務になることも考えられます。これらを踏まえた上で、以下では外来データ提出加算の要件について解説します。

 

外来データ提出で加算できる項目

外来のデータ加算で新設される項目は、以下の3種類です。

  • 生活習慣病管理料
  • 在宅時医学管理料等
  • 疾患別リハビリテーション料

生活習慣病管理料

診療所及び許可病床200床未満の病院において、脂質異常症・高血圧症・糖尿病を主病とする外来患者に対して、総合的治療管理を行った場合に月1回算定ができるものです。

今回の外来データ提出加算では、月1回、50点が加算されるようになりました。

在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料及び在宅がん医療総合診療料

通院が困難な患者に対し、計画的な医学管理の下で定期的な訪問診療を行っている場合に、月1回算定できるものです。

今回の外来データ提出加算では、在宅データ提出加算として月1回、50点が加算されます。

疾患別リハビリテーション料

今回の外来データ加算では、

  • 心大血管疾患
  • 脳血管疾患等
  • 運動器
  • 呼吸器
  • 廃用症候群

これらの疾患別リハビリテーションのデータ提出に月1回、50点の加算ができるようにしました。

電子カルテも確認

電子カルテによっては、これらの項目がオーダーに追加されない場合もありますので、確認が必要です。このメディアを運営するDONUTSが提供しているクラウド型電子カルテCLIUSの場合は、前月にORCAのマスターが更新されます。

 

外来データ提出加算の算定要件・届出期限(スケジュール)

算定要件としては、以下の3つが挙げられます。

  • 施設基準
  • 診療報酬の請求状況
  • 治療管理の状況

施設基準については、「外来/在宅/リハビリテーション データ提出加算に係る届出書」(様式7の11)による届出を行う必要があります。

届出書にはいくつかの確認事項とチェック項目があり、それらにチェックとサインを入れるのみですので、むずかしくはありません。

チェック項目は以下の通りです。

  • データ提出加算に係る届出を行っていない。
  • 「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」に適切に参加できる。
  • 診療記録(過去5年間の診療録及び過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されている。
  • 診療記録の保管・管理のための規定が明文化されている。
  • 患者についての疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病分類がされている。
  • 保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できる。

参照: 特掲診療料の届出一覧(令和4年度診療報酬改定)「外来データ提出加算」

外来データ提出加算の届出期限・スケジュール

データの提出を希望する場合の全体の流れとしては、以下の通りです。

  1. 「様式7の10」を、地方厚生(支)局医療課長を経由(つまり、かく地方厚生局に届出を提出する※郵送も可)して、厚生労働省保険局医療課長に届け出る。※先述した「様式7の11」の提出前に行う必要があるため注意
  1. 届出期限である月の翌月から起算して2月分の試行データを外来医療等調査事務局が提供するチェックプログラムにより作成し、指定する期日までに外来医療等調査事務局に提出
  1. 試行データが適切に提出されていた場合、データ提出の実績が認められた保険医療機関として、外来医療等調査事務局から各医療機関の担当者宛てに電子メールにて事務連絡(データ提出事務連絡)を送信
  1. 「様式7の11」を用いて、地方厚生(支)局長宛て届出を行う。届出が受理された翌月の1日から加算開始となり、届出が受理された月の属する四半期から本データを提出する。

詳細については、下記のPDFをご確認ください。

参照: 厚生労働省保険局医療課「令和5年度外来データ提出加算等に係る説明資料」

 

外来データ提出加算の注意点

外来データ提出加算の注意点として、データの作成は3カ月単位で行うものとし、「作成されたデータには第1月の初日から第3月の末日までにおいて対象となる診療に係るデータが全て含まれていなければならない」としています。

またデータの提出が遅れてしまった際には、当該月の翌々月には、当該の加算が算定できません。これは「継続してデータを提出してもらい、蓄積して活かすこと」が目的であるため、提出ができない場合のペナルティと言えます。

またデータ提出の遅延については、厚労省では以下の発表も行っていますので、注意しましょう。

“各調査年度において、累積して3回データ提出の遅滞等が認められた場合は、 適切な提出が行われていないことから、3回目の遅延等が認められた日の属する月に速やかに変更の届出を行う(様式40の8の提出)こととし、当該変更の届出を行った日の属する月の翌月から算定できない。”

参照: 令和5年度における「データ提出加算(A245)」の取扱いについて

 

まとめ

必要事項やすべきことはあるものの、加算できるのはうれしいもの。

届出できるなら是非とも期限に遅れないよう、余裕をもって準備していきましょう。

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