会社の健康診断で「要精密検査」と出ても、紹介状が無いから受診できない、ということはありません。近くのクリニック(診療所)なら、健診の結果票を持って行けば紹介状なしで受診できます。紹介状が問題になるのは、大きな病院へいきなり行く場合です。
この記事では、要精密検査の通知を受け取ったものの紹介状を渡されていない方、または渡されたまま使っていない方に向けて、どこで受けるかを自分の条件で決める目安と、受診の日に持って行くものを整理します。検査項目ごとの意味や数値の読み方は扱いません。結果の解釈は、受診先の医師に確かめてください。
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要精密検査は紹介状なしでも受診できる。紹介状が要るのは大病院へ行くとき
紹介状(診療情報提供書)は、受診の資格ではありません。医療機関どうしで情報を引き継ぐための書類です。クリニックは紹介状が無くても受診でき、健診の結果票があれば、どの項目で何を指摘されたかは医師に伝わります。
一方で、特定機能病院や、一般病床200床以上の地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関などに紹介状なしで初診にかかると、診察代とは別に「選定療養費」として医科7,000円以上の特別の料金がかかります(全国健康保険協会の案内による)。金額は病院ごとに決めるため、7,000円より高い病院もあります。対象や、払わずに済むケースは「選定療養費とは」で詳しく解説しています。
健診機関・近くのクリニック・大病院、どこで精密検査を受けるかの境界線
受診先は、順位ではなく「自分がどれに当てはまるか」で決めます。
| 受診先 | 向いている条件 | 紹介状 |
|---|---|---|
| 健診を受けた健診機関 | 結果票に「当院で二次検査を受けられます」などの案内がある/同じ建物に外来があり、前回の画像やデータをそのまま比べてほしい | 不要なことが多い。結果票で足りる |
| 近くのクリニック(内科・消化器内科・循環器内科など) | 指摘された項目に合う診療科が通える範囲にある/平日の夕方や土曜に受けたい/まずどの程度の検査が要るかを相談したい | 不要。結果票で足りる |
| 大病院(200床以上の病院など) | 健診機関やクリニックで「大きな病院で詳しく」と言われた/すでにその病院に通院している/結果票に至急の受診を勧める記載がある | 紹介状があったほうがよい。無いと選定療養費がかかる |
迷ったら、指摘された項目に合う診療科のクリニックを先に受診するのが近道です。そこで追加の検査が必要と判断されれば、大病院への紹介状を書いてもらえます。紹介状を書いてもらう流れは「紹介状のもらい方」にまとめています。
なお、健診機関が渡す「精密検査依頼書」や「紹介状」を、大病院が選定療養費のかからない紹介状として扱うかは、病院によって違います。手元にある場合は、受診前に病院の窓口へ電話で確かめると確実です。
判定区分の書き方は健診機関で違う。「D」「要精検」の表記を確かめる
結果票の判定は、健診機関によって記号や言い回しが違います。日本人間ドック・予防医療学会の判定区分(2026年4月1日改定)は、次の5段階です。
| 判定 | 表記 |
|---|---|
| A | 異常なし |
| B | 軽度異常 |
| C | 要再検査・生活改善 |
| D | 要精密検査・治療 |
| E | 治療中 |
この改定で、以前の「D1 要治療」「D2 要精検」は「D」にまとめられました。精密検査をするか治療を始めるかは、受診先が決めるためです。前年までの結果票や、別の基準を使う健診機関では、D1・D2 の表記が残っていることがあります。
「C 要再検査」は、結果票に書かれた時期に再検査を受ける区分で、精密検査とは扱いが違います。この記事で扱うのは「D」や「要精検」の表記がある場合です。
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精密検査を受けに行く日の持ち物チェックリスト
紹介状が無い分、結果票が医師への情報源になります。次のものをそろえて行ってください。
- [ ] 健康診断の結果票(指摘された項目のページだけでなく、全体をそのまま)
- [ ] 前年までの結果票(あれば。数値や所見の変化を比べられる)
- [ ] マイナ保険証(マイナンバーカード)、または資格確認書などの保険証にあたるもの
- [ ] お薬手帳、または飲んでいる薬が分かるもの
- [ ] 会社から渡された「精密検査結果報告書」などの書類(あれば)
- [ ] 健診機関から渡された紹介状や精密検査依頼書(あれば)
- [ ] 費用(検査の内容によって負担額が変わるため、多めに)
胃カメラや大腸の検査、腹部の超音波検査などは、食事を抜くなどの準備が要ることがあります。電話やWeb予約の段階で「健診で要精密検査と言われた」と伝え、当日の準備を聞いておくと二度手間になりません。
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精密検査は保険診療になることが多い。健診と費用の扱いが違う
会社の健康診断は、病気の診断や治療ではないため健康保険は使いません。一方、要精密検査を受けて医療機関を受診すると、医師が必要と判断した検査は診療として行われ、多くの場合は健康保険が使えます。窓口での負担は、70歳未満なら原則3割です。
検査の種類によって費用は大きく変わります。予約の際に、およその費用を聞いておくと安心です。
もう一つ、労災保険の「二次健康診断等給付」という制度があります。定期健康診断で、血圧・血中脂質・血糖・腹囲またはBMIの4項目すべてに異常所見があった場合などに、指定の医療機関で精密検査と保健指導を無料で受けられます。原則として健診の受診日から3か月以内に受ける必要があります。対象になりそうな方は、会社の健康管理の担当者に確かめてください。
受診結果を会社へ返す書類があるか、結果票と同封物で確かめる
会社によっては、健診の結果と一緒に「精密検査結果報告書」「二次検査結果連絡票」といった用紙が渡されます。受診先の医師に記入してもらい、会社の担当者や産業医へ提出する書類です。
厚生労働省の「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」では、会社は精密検査が必要な従業員に受診を勧め、その結果を意見を聴く医師等に出すよう働きかけるのが適当とされています。会社が結果を求めるのは、勤務時間や業務内容への配慮(就業上の措置)を、できるだけ詳しい情報で決めるためです。
用紙が渡されていなければ、受診の前に担当者に提出の要否を聞いておきます。医師に記入を頼む書類には、医療機関によって文書料がかかることがあります。
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よくある質問
健診機関で精密検査を受けてもいいですか
受けて構いません。外来がある健診機関なら、前回の画像やデータと比べながら検査できる利点があります。外来の無い健診機関では検査ができないので、結果票の案内を確かめてください。
紹介状なしで大病院へ行ったら診てもらえませんか
診察は受けられます。ただし選定療養費がかかるほか、病院によっては予約が取りにくかったり、待ち時間が長くなったりします。急ぐ理由が無ければ、クリニックを先に受診するほうが早く済むことが多いです。
精密検査はいつまでに受ければいいですか
結果票に受診の目安が書かれていれば、それに従ってください。書かれていなければ、できるだけ早めに予約を入れます。労災保険の二次健康診断等給付を使う場合は、健診の受診日から3か月以内が原則です。
まとめ
要精密検査は、結果票を持って近くのクリニックへ行けば紹介状なしで受けられます。紹介状が要るのは大病院へ行くときで、迷ったらクリニックから始めて、必要なら紹介状を書いてもらう流れが近道です。会社へ返す書類があるかは、受診の前に確かめておきましょう。
参考
- 日本人間ドック・予防医療学会「判定区分(2026年4月1日改定)」
- 厚生労働省「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」
- 全国健康保険協会「ちゃんと知ろう!大病院の特別の料金」
- 宮城労働局「労災保険の二次健康診断等給付をご存じですか?」
特徴
対象規模
オプション機能
提供形態
診療科目
この記事は、時点の情報を元に作成しています。
