労災の様式6号とは|転院してきた労災患者の受付で確認する欄、様式5号・第16号の4との使い分け判定表

労災の様式第6号は、労災保険で治療を受けている患者が、通院先を別の労災指定医療機関に変えるときに出す届です。正式名称は「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届」。患者が書いて、転院先の医療機関を経由して労働基準監督署に出します。

つまり、様式第6号を受け取るのは転院先の受付です。「前の病院で労災にしているので、こちらに移りたい」と言われたときに、様式第5号をもう一度出してもらうのか、様式第6号なのか、通勤災害なら何号なのかを判断できないと、請求が止まります。

この記事では、転院してきた労災患者を受ける診療所の受付・医事の方に向けて、様式第6号を受け取る場面の判定、受付で確認する欄、会計で気をつける点を整理します。

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目次
  1. 労災の様式6号はどんなときに使うか
  2. 様式6号・5号・7号・16号の4の判定表
  3. 通勤災害の転院は様式第16号の4
  4. 様式6号の欄と、転院先の受付が確認すること
    1. 事業主の証明が要らない場合
  5. 転院してきた労災患者の受付の流れ
  6. 様式6号で受け付けた患者の会計で気をつけること
  7. よくある質問
    1. 前の医療機関で様式第5号を出していれば、転院先で様式第6号は要らないのでは
    2. 前の医療機関が労災指定でなかった場合も様式第6号ですか
    3. 様式第6号はどこで手に入りますか
  8. まとめ
  9. 参考

労災の様式6号はどんなときに使うか

様式第6号の根拠は、労働者災害補償保険法施行規則第12条第3項です。療養の給付を受けている労働者が指定病院等を変更しようとするときは、届書を「新たに当該療養の給付を受けようとする指定病院等を経由して」所轄の労働基準監督署長に出す、と定めています。

使う場面は、次の3つがそろったときです。

  • 仕事中のけが・病気(業務災害)で、労災保険の療養の給付を受けている
  • これまで通っていたのが労災指定医療機関(指定病院等)である
  • 次に通うのも労災指定医療機関である

施行規則には転院の理由を限る定めはありません。転居、通いやすさ、専門的な治療を受けたいなど、患者の事情で変えられます。様式の「変更理由」欄に理由を書いてもらいます。

指定病院等には、病院・診療所のほか薬局と訪問看護事業者も含まれます。様式の宛先欄にも「病院・診療所・薬局・訪問看護事業者 経由」と並んでいます。院外処方の患者が薬局を変える場合も、同じ様式第6号の対象です。

様式6号・5号・7号・16号の4の判定表

転院してきた患者を受けたら、業務災害か通勤災害か、前の医療機関と自院が労災指定かどうかで様式が決まります。

前の医療機関 自院(転院先) 業務災害 通勤災害
労災指定 労災指定 様式第6号 様式第16号の4
労災指定でない 労災指定 様式第5号 様式第16号の3
労災指定 労災指定でない 様式第7号(1) 様式第16号の5(1)
労災指定でない 労災指定でない 様式第7号(1) 様式第16号の5(1)
(同じ傷病が治った後に再発して受診) 労災指定 様式第5号 様式第16号の3

迷いやすいのは2行目です。厚生労働省の案内では、労災指定でない医療機関で療養していた人が指定医療機関に変わるときは、様式第6号・第16号の4は不要で、様式第5号または第16号の3を出すとしています。前の医療機関では費用請求(様式第7号)で処理していたため、自院で初めて「療養の給付」が始まるからです。

自院が労災指定でない場合は、転院であっても様式第6号は使いません。患者がいったん費用を払い、様式第7号(1)(通勤災害は第16号の5(1))で労働基準監督署に請求します。自院が書く欄は「労災の様式7号とは|様式5号との違いと医療機関が書く欄」で整理しています。

通勤災害の転院は様式第16号の4

通勤途中のけがで療養している患者が転院する場合は、様式第16号の4「療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届」を使います。施行規則第18条の5第3項が、業務災害の第12条第3項を通勤災害に準用しています。

欄の並びは様式第6号とほぼ同じです。違うのは次の2点です。

項目 様式第6号(業務災害) 様式第16号の4(通勤災害)
⑤災害の原因及び発生状況の書き方 どのような場所で、どのような作業をしているときに、どのような災害が発生したか どのような場所を、どのような方法で移動している際に、どのようにして災害が発生したか
事業主が証明する範囲 ④負傷又は発病年月日と⑤災害の原因及び発生状況 ④負傷又は発病年月日だけ。事業主が知り得なかった場合は証明不要

受付では、業務災害か通勤災害かを最初に聞きます。ここを取り違えると、様式の番号がすべてずれます。

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様式6号の欄と、転院先の受付が確認すること

様式第6号には、様式第7号のような医療機関の証明欄がありません。書くのは患者本人と事業主です。転院先の医療機関は様式を受け取り、経由して労働基準監督署に出す立場です。

それでも、受付で記載を確かめておかないと、届が不備で戻り、その間の診療費の請求が進みません。欄ごとに確認することをまとめます。

欄 書く人 受付で確認すること
宛先(労働基準監督署長)・経由する医療機関 患者 経由の区分(診療所)に○が付いているか。宛先は前の医療機関で出した様式第5号と同じ所轄の労働基準監督署か
届出人の住所・氏名 患者 受付で確認した本人の住所・氏名と一致しているか
①労働保険番号 患者(事業主に確認) 空欄でないか。勤務先の労働保険番号で、前の医療機関と同じ番号か
③労働者の氏名・生年月日・住所・職種 患者 届出人欄と食い違っていないか
④負傷又は発病年月日・時刻 患者 前の医療機関に出した様式第5号と同じ日付か
⑤災害の原因及び発生状況 患者 前の医療機関での内容と矛盾していないか
事業主の証明 事業主 事業の名称・所在地・事業主の氏名が書かれているか
⑥変更前の指定病院等の名称・所在地・労災指定医番号 患者 前の医療機関が労災指定医療機関か。番号が書けない場合は、そもそも前の医療機関が指定外でないかを確かめる
⑥変更後の指定病院等の名称・所在地 患者 自院の正式名称・所在地になっているか
⑥変更理由 患者 空欄でないか(転居、通院の便など)
⑦傷病補償年金を受けることとなった後の指定病院等 患者 傷病補償年金の受給者だけが書く欄。通常の転院では空欄でよい
⑧傷病名 — 前の医療機関で労災として扱っていた傷病と同じか
⑨その他就業先の有無(裏面) 患者 副業・兼業がある場合の記載。複数事業労働者療養給付の扱いに関わる

⑥の「労災指定医番号」欄は、判定表の2行目を見分ける手がかりになります。前の医療機関に番号がない、つまり指定外だった場合は、様式第6号ではなく様式第5号を出してもらいます。

事業主の証明が要らない場合

様式第6号の裏面の注意書きでは、次の場合は事業主の証明を受けなくてよいとしています。

  • 傷病補償年金(または複数事業労働者傷病年金)の受給者が提出する場合。この場合は①④⑤の記載も不要
  • 上記以外で、提出が離職後である場合

それ以外の転院では、事業主の証明が必要です。「転院のときは会社の証明は要らない」と思い込んでいる患者もいるので、空欄なら勤務先で証明をもらうよう案内します。

患者に選ばれるための動線

初診の予約から受付までのどこで離脱が起きているか。集患のために整えておきたい点をまとめました。

集患の資料を見る

転院してきた労災患者の受付の流れ

業務災害で、前の医療機関も自院も労災指定医療機関の場合の流れです。

  1. 受付で「仕事中のけがか、通勤中のけがか」と「これまでどこに通っていたか」を聞く
  2. 前の医療機関で労災として受診していたことを確かめ、判定表で様式を決める
  3. 様式第6号(通勤災害は第16号の4)を持っているか確かめる。持っていなければ、勤務先に用意してもらうか、厚生労働省のサイトから入手できることを伝える
  4. 受け取った様式の欄を、上の表に沿って確認する。不備があれば、その場で直せるものは直してもらい、事業主の証明が抜けていれば勤務先に回してもらう
  5. 診療し、労災として扱う。窓口で一部負担金は受け取らない
  6. 様式第6号を、自院を経由して所轄の労働基準監督署に出す

様式が当日そろわない場合の会計の扱い(預かり金にするか、後日精算にするか)は、初めて労災で受診する患者と同じ考え方で院内で決めておきます。受付での聞き取り項目や、健康保険で受診してしまった後の切り替えは「労災の受診の流れ|「仕事中のけが」で来院した患者に受付がすること」にまとめています。

様式6号で受け付けた患者の会計で気をつけること

労災診療費算定マニュアル(令和8年6月版)では、療養の給付請求書取扱料2,200円について「転医始診(様式第6号又は第16号の4)の場合は算定できません」としています。取扱料を算定できるのは、様式第5号・第16号の3を取り扱った場合で、それも再発の場合は除かれます。

受け取った様式 療養の給付請求書取扱料(2,200円)
様式第5号・第16号の3(初めての労災受診) 算定できる
様式第5号・第16号の3(再発) 算定できない
様式第6号・第16号の4(転院) 算定できない
様式第7号・第16号の5(費用請求) 算定できない

初診時の救急医療管理加算(入院外1,250円)も、転院では場合が分かれます。マニュアルの例では、最初の医療機関で応急処置だけをして転院した場合や、長期間たっても症状が安定せず再手術などのために転院した場合は、転院先でも算定できます。一方、傷病から数か月がたち、症状が安定した後に転院した場合は算定できません。

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よくある質問

前の医療機関で様式第5号を出していれば、転院先で様式第6号は要らないのでは

要ります。様式第5号は、その医療機関で療養の給付を受けるための請求書です。別の指定医療機関に移るときは、施行規則第12条第3項により、新しい医療機関を経由して変更の届を出すことになっています。

前の医療機関が労災指定でなかった場合も様式第6号ですか

いいえ。厚生労働省の案内では、指定外の医療機関から指定医療機関に移るときは様式第6号は不要で、様式第5号(通勤災害は第16号の3)を出します。前の医療機関では様式第7号で費用請求をしていたはずなので、患者に確かめると判断がつきます。

様式第6号はどこで手に入りますか

厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー」に、様式第6号と第16号の4のPDFとWord版があります。勤務先が用意していることもあります。受付に数枚置いておくと、患者に一度帰ってもらわずに済みます。

まとめ

様式第6号は、労災指定医療機関から労災指定医療機関へ移るときに、患者が転院先を経由して出す届です。前の医療機関が指定外なら様式第5号、通勤災害なら第16号の4に変わります。受付では、業務か通勤か、前の医療機関が労災指定か、の2つを最初に聞き、⑥欄の労災指定医番号と事業主の証明が埋まっているかを確かめてください。

参考

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対象規模

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、