75歳到達月のレセプト|月の途中で後期高齢者になる患者の2枚の分け方、自己負担限度額2分の1の計算例、特記事項とコメントの考え方

月の途中で75歳の誕生日を迎える患者は、誕生日の前日までは協会けんぽや国保などそれまでの保険、誕生日からは後期高齢者医療の被保険者になります。同じ月に保険が2つあるので、その月のレセプトは保険ごとに2枚に分かれます。

もう1つ気をつけるのが、窓口の負担です。75歳になる月に限り、移る前の保険と後期高齢者医療のそれぞれで、高額療養費の自己負担限度額が本来の2分の1になります。外来の負担が限度額を超える患者では、窓口で受け取る額と、レセプトの一部負担金額欄の額が、ふだんの月と変わります。

この記事は、レセプトを作る医療事務の方に向けて、75歳到達月の患者のレセプトの分け方、限度額2分の1の計算例、特記事項欄やコメントの考え方、点検で見るところをまとめたものです。受付で高齢受給者証から後期高齢者医療へ切り替えるときの確認は「高齢受給者証の受付確認」で扱っています。

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目次
  1. 75歳到達月のレセプトは保険ごとに2枚に分ける
    1. 受診日ごとに保険を付け替える
  2. 75歳到達月の自己負担限度額2分の1の特例|根拠と対象
  3. 75歳到達月の限度額2分の1を計算例で確かめる
    1. 計算例:10月15日に75歳になる、一般の区分の患者
    2. 現役並み所得者の計算式も2分の1になる
  4. 75歳到達月のレセプトの特記事項とコメントの考え方
  5. 75歳到達月のレセプトで返戻・再審査になりやすいところ
  6. よくある質問
    1. 75歳到達月に入院と外来の両方がある場合はどうなりますか
    2. 後期高齢者医療の資格確認書がまだ届いていない患者は、どちらの保険で受け付けますか
    3. 限度額2分の1の特例を窓口で当て忘れた場合はどうなりますか
  7. まとめ
  8. 参考

75歳到達月のレセプトは保険ごとに2枚に分ける

レセプトは、患者ごと・保険者ごとに1枚ずつ作ります。75歳到達月は保険者が月の途中で変わるため、同じ患者でも2枚になります。

項目 1枚目(移る前の保険) 2枚目(後期高齢者医療)
対象の診療日 その月の1日から、75歳の誕生日の前日まで 75歳の誕生日から月末まで
保険者番号 協会けんぽ・健保組合・国保など、それまでの保険者 後期高齢者医療広域連合(保険者番号は「39」で始まる8桁)
負担割合 70〜74歳の割合(2割または3割) 後期高齢者医療の割合(1割・2割・3割)
特記事項欄の所得区分 70歳以上の区分のコード 後期高齢者医療の区分のコード
診療実日数 誕生日の前日までに受診した日数 誕生日以降に受診した日数
自己負担限度額 本来の2分の1 本来の2分の1

誕生日が1日の患者は、その月の初めから後期高齢者医療に入るので、レセプトは後期高齢者医療の1枚だけです。限度額2分の1の特例も対象になりません。

受診日ごとに保険を付け替える

電子カルテ・レセコンでは、患者の保険情報に「後期高齢者医療(誕生日から有効)」を追加し、それまでの保険の有効期限を誕生日の前日にします。そのうえで、その月の受診日ごとにどちらの保険で入力したかを確かめます。月の途中で保険を追加したあと、誕生日より前の受診日の入力まで後期高齢者医療に変わっていないかが、いちばん間違えやすいところです。

保険者が変わっただけでは、初診料を算定し直すことはできません。同じ病気で通院を続けている患者なら、後期高齢者医療に変わった日も再診として入力します。

75歳到達月の自己負担限度額2分の1の特例|根拠と対象

限度額の特例は、それぞれの保険の政令に書かれています。

移る前・移った後 根拠 書いてあること
協会けんぽ・健保組合など(70〜74歳) 健康保険法施行令第42条 75歳到達時特例対象療養は、外来・世帯の限度額をそれぞれ2分の1にした額とする
後期高齢者医療 高齢者の医療の確保に関する法律施行令第15条 同上
市町村国保(70〜74歳) 国民健康保険法施行令第29条の3 同上

特例の対象は、月の2日以降に75歳になる人です。本人が75歳になったことで、その被扶養者が協会けんぽなどから国保へ移る場合も、移った月は同じように限度額が半分になると、市区町村の国保の案内に書かれています。

75歳到達月の限度額2分の1を計算例で確かめる

2026年8月診療分からの限度額で計算します。一般の区分の外来(個人ごと)の限度額は、70〜74歳・後期高齢者医療ともに月22,000円で、75歳到達月はそれぞれ11,000円です。

区分 ふだんの月の外来の限度額 75歳到達月の外来の限度額
一般(70〜74歳の2割、後期高齢者医療の1割・2割) 22,000円 11,000円
住民税非課税(低所得Ⅱ) 11,000円 5,500円
住民税非課税(低所得Ⅰ) 8,000円 4,000円

計算例:10月15日に75歳になる、一般の区分の患者

受診 保険 医療費(10割) 本来の窓口負担 到達月の限度額 窓口で受け取る額
10月3日・10日 協会けんぽ(2割) 70,000円 14,000円 11,000円 11,000円
10月17日・24日 後期高齢者医療(1割) 60,000円 6,000円 11,000円 6,000円

協会けんぽの分は、2割の14,000円が限度額11,000円を超えるので、窓口では11,000円までになります。ふだんの月の限度額22,000円なら超えないので、到達月だから窓口の額が変わった例です。後期高齢者医療の分は、1割の6,000円が11,000円に届かないので、そのまま6,000円です。

窓口で限度額までに止めるのは、マイナ保険証でオンライン資格確認をしたときや、限度額適用認定証の提示があったときです。一般の区分の外来は、認定証がなくても限度額で止められる区分です。所得区分ごとの限度額と認定証の要否は「限度額適用認定証とは」で整理しています。

現役並み所得者の計算式も2分の1になる

70〜74歳の現役並み所得者の計算式は、金額の部分と、1%をかける基準の医療費の両方が半分になります。健康保険法施行令第42条では、たとえば「85,800円+(医療費−286,000円)×1%」の区分が、到達月は「42,900円+(医療費−143,000円)×1%」になると書かれています。レセコンが限度額を自動で計算する場合も、到達月の特例が設定されているかを一度確かめておくと安心です。

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75歳到達月のレセプトの特記事項とコメントの考え方

75歳到達月のレセプトでも、特記事項欄に入れるのはふだんと同じ所得区分のコードです。厚生労働省が示した後期高齢者医療のレセプトの計算事例(令和4年9月13日の事務連絡)では、75歳到達月の外来の事例でも、特記事項欄は所得区分の「41 区カ」だけで、到達月であることを示す別のコードは入っていません。一部負担金額欄には、2分の1の限度額を当てたあとの額を書いています。

欄 書くこと
保険者番号 それぞれの保険の番号。2枚で番号が違う
特記事項 それぞれの保険での所得区分のコード(70〜74歳は「29 区エ」など、後期高齢者医療は「41 区カ」など)
一部負担金額 限度額で止めた場合は、2分の1の限度額を当てた額
摘要欄 記載要領で決まった記載事項はふだんどおり

限度額が半分になったことを、レセプトでどう伝えるかが気になるところです。75歳到達月であることは、2枚の保険者番号と患者の生年月日から読み取れます。一部負担金額が通常の限度額より低い理由を念のため示したいときは、摘要欄にフリーコメントで「75歳到達月」と書き添える方法もあります。記載要領で求められた記載ではないので任意で、地域の審査支払機関から案内があればそれに合わせます。

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75歳到達月のレセプトで返戻・再審査になりやすいところ

起きやすい誤り 何が起きるか 点検のしかた
誕生日より前の受診まで後期高齢者医療で請求した 後期高齢者医療の資格がない日の請求として返戻 受診日と誕生日を1件ずつ照らす
誕生日以降の受診をそれまでの保険で請求した 資格喪失後の受診として返戻 同上
誕生日が1日の患者を2枚に分けた 前月末までで資格がない保険の請求として返戻 誕生日が1日かどうかを先に見る
一部負担金額をふだんの限度額で計算した 患者から多く受け取りすぎる。後で差額の返金が要る 到達月の患者を月初めに一覧にしておく
特記事項の所得区分を、移る前の保険の区分のまま後期高齢者医療の分にも入れた 所得区分と負担割合が合わず返戻 2枚目は後期高齢者医療の資格情報で区分を入れ直す
本人と一緒に保険が変わった被扶養者の保険を更新していない 被扶養者の分が資格喪失後の受診になる 本人が75歳になる月は、家族の受診も確かめる

到達月の患者は、生年月日から前もって分かります。毎月、翌月に75歳になる患者をレセコンで抽出し、受付と会計で共有しておくと、窓口の負担もレセプトも初回から正しく作れます。

よくある質問

75歳到達月に入院と外来の両方がある場合はどうなりますか

外来の限度額と、入院を含めた世帯の限度額のどちらも、到達月はそれぞれ2分の1になります。入院がある場合は、外来の分を先に限度額で止め、そのうえで世帯の限度額を当てる順番は、ふだんの月と同じです。

後期高齢者医療の資格確認書がまだ届いていない患者は、どちらの保険で受け付けますか

誕生日以降の受診は、後期高齢者医療で受け付けます。マイナ保険証ならオンライン資格確認で後期高齢者医療の資格を確かめられます。資格確認書が手元にないときは、広域連合や市区町村から届いている書類を確かめ、届いていなければ資格の確認ができるまで会計を保留にします。

限度額2分の1の特例を窓口で当て忘れた場合はどうなりますか

患者は、限度額を超えて払った分を、高額療養費として加入先の保険者に申請すれば払い戻しを受けられます。医療機関がレセプトを請求する前に気づいたなら、窓口の額とレセプトの一部負担金額を直し、患者に差額を返すほうが、患者の手続きが要らずに済みます。

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まとめ

  • 月の途中で75歳になる患者のその月のレセプトは、移る前の保険と後期高齢者医療の2枚に分ける。誕生日が1日なら1枚
  • 到達月は、どちらの保険でも高額療養費の自己負担限度額が2分の1になる(健康保険法施行令第42条、国民健康保険法施行令第29条の3、高齢者の医療の確保に関する法律施行令第15条)
  • 2026年8月診療分からの一般の区分の外来の限度額は22,000円で、到達月は11,000円
  • 特記事項欄は、それぞれの保険の所得区分のコードを入れる。到達月だけの専用コードは計算事例にない
  • 摘要欄に「75歳到達月」と書き添えるのは任意

翌月に75歳になる患者を月初めに一覧にしておくと、保険の付け替えと限度額の計算を、受付・会計・レセプトの3か所で取り違えずに済みます。

参考

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提供形態

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診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、