生活保護の患者が医療券なしで受診したとき|受付の対応判定表、福祉事務所への確認、休日・夜間とオンライン資格確認での扱い

生活保護を受けている患者が、医療券を持たずに受付に来ることは珍しくありません。医療券は福祉事務所が発行し、医療機関へ直接郵送されることも多いため、患者の手元に紙がないのはむしろ普通の形です。厚生労働省の資料でも、患者は医療券を持たず、受診の時点で医療機関に届いていないケースもあると説明されています。

受付で決めるべきことは、診療を断るかどうかではありません。「この患者がいま医療扶助を受けているか」をどの手段で確かめるか、窓口でお金を受け取るかどうか、医療券が届くまで何を控えておくか、の3つです。

この記事は、生活保護の患者を受け付ける医療事務の方に向けて、医療券なしで受診したときの対応を場面ごとにまとめたものです。医療扶助の仕組みと医療券の流れの全体は「生活保護の医療費はどうなる?」、指定医療機関の申請と義務は「生活保護指定医療機関になるには」で扱っています。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

目次
  1. 生活保護の患者が医療券なしで受診したときの対応判定表
  2. 医療券なしで受診しても断らない|指定医療機関医療担当規程と医療券が届かない理由
  3. 平日の診療時間内:福祉事務所に確認して医療券を後日受け取る手順
    1. 窓口で受け取るのは、医療券に書かれた本人支払額だけ
  4. 休日・夜間に医療券なしで受診したとき:休日・夜間診療依頼書と保護決定通知書
  5. オンライン資格確認で医療扶助の資格を確かめる|紙の医療券がない受診が増えている
  6. 保護の申請中で医療券が出ていない患者|自費で受けるか、預かり金にするか
  7. 医療券が届かないまま月が変わったときのレセプト請求
  8. 医療券なしの受診で受付が控えておく記録
  9. よくある質問
    1. 患者が「自費で払うので診てほしい」と言ったら、受け取ってよいですか
    2. 患者が「医療券を取りに行けない」と言っています
    3. 自院が生活保護の指定医療機関ではない場合はどうなりますか
    4. 院外処方の場合、薬局にも連絡が要りますか
  10. まとめ
  11. 参考

生活保護の患者が医療券なしで受診したときの対応判定表

まず、患者がどの状況で来たかで分けます。

来院したときの状況 受給の確かめ方 窓口でのお金 医療券の受け取り
平日の診療時間内。受給中で、自院に通院している 患者の担当の福祉事務所(ケースワーカー)に電話で確認 受け取らない(医療券に本人支払額がある場合はその額だけ) 福祉事務所から後日郵送されるのを待つ
平日の診療時間内。受給中で、自院は初めて 福祉事務所に電話。診療依頼書が出ているかも聞く 受け取らない 福祉事務所が自院あてに医療券を発行する
休日・夜間で福祉事務所が閉まっている 休日・夜間用の依頼書と、最新の保護決定通知書を見せてもらう(用意している自治体の場合) 受け取らない 患者が後日福祉事務所に届け出て、医療券が発行される
マイナ保険証で受診し、オンライン資格確認に医療扶助の資格が出た オンライン資格確認の画面 受け取らない 紙の医療券が送られない場合がある(自治体と自院の対応状況による)
保護を申請中で、まだ決定が出ていない 福祉事務所に申請の状況を確認 福祉事務所の指示に従う(いったん自費で受け取り、決定後に返金する扱いの自治体がある) 保護が決まれば発行される
受給しているかどうか確認できない 確認できるまで判断を保留 通常の保険診療・自費と同じ扱いで、確認後に精算 受給が確認できれば発行の手続きへ

判定表の左の列は、受付で患者に「福祉事務所はどちらですか」「今日はお休みの日の書類をお持ちですか」と聞けば、その場で分かります。

医療券なしで受診しても断らない|指定医療機関医療担当規程と医療券が届かない理由

指定医療機関の診療のルールは、指定医療機関医療担当規程(昭和25年厚生省告示第222号)に書かれています。第2条は「有効な医療券を所持する患者の診療を正当な事由がなく拒んではならない」、第3条は「医療券を提出して診療を求められたときは、その医療券が本人のもので有効であることを確かめてから診療する」と定めています。

医療券を持っていないこと自体は、診療を断る理由として書かれていません。医療扶助は、福祉事務所が指定医療機関に医療を委託して行う仕組み(生活保護法第34条第2項)で、医療券は「福祉事務所がこの医療機関に委託した」ことを示す書類です。そのため、紙が患者を経由せず、福祉事務所から医療機関へ直接届く運用が多くの自治体で取られています。

医療券が受診日に届いていない主な理由は、次のとおりです。

理由 よくある場面
医療券が月単位で発行され、月初めにまだ届いていない 毎月通院している患者の、月の最初の受診
受診してから福祉事務所に連絡する流れになっている 急に具合が悪くなった、初めての医療機関にかかる
福祉事務所が電話で診療を依頼し、医療券を後から送る 緊急で受診先を手配した場合
オンライン資格確認に資格が登録され、紙を省略している 医療扶助のオンライン資格確認を始めた自治体

平日の診療時間内:福祉事務所に確認して医療券を後日受け取る手順

診療時間内で福祉事務所が開いているなら、その場で確かめるのが一番早く確実です。

  1. 患者に、担当の福祉事務所(区役所の保護課など)と、ケースワーカーの名前を聞く
  2. 患者本人に電話してもらうか、自院から福祉事務所に電話する
  3. 受給中であること、自院あての医療券を発行してもらえるか、受診する診療科を伝える
  4. 医療券に本人支払額が出る世帯かどうかも聞いておく
  5. 診療後、受付の控えに「確認した日時・相手の名前・確認した内容」を書く

自治体の手引きの中には、医療券を持たずに初めて受診した患者について、患者本人に福祉事務所へ連絡させて受給の有無と医療券の交付を確かめるよう求めているものがあります。患者が電話をためらうときは、自院から連絡しても構いません。

窓口で受け取るのは、医療券に書かれた本人支払額だけ

医療扶助は現物給付で、患者は原則として窓口で支払いません。例外は、医療券の「本人支払額」欄に金額がある場合です。この額は患者から受け取り、レセプトに転記します。本人支払額があるかどうかは医療券を見ないと分からないため、医療券が届く前の受診では、福祉事務所に確かめておくと会計をやり直さずに済みます。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

休日・夜間に医療券なしで受診したとき:休日・夜間診療依頼書と保護決定通知書

休日・夜間は福祉事務所に電話がつながりません。そのため、受給中であることを示す書類を世帯にあらかじめ渡している自治体があります。

自治体の例 患者が持ってくる書類 医療機関がすること
札幌市 休日・夜間診療依頼書と、直近の保護変更決定通知書(または保護開始決定通知書) 書類で受給中を確かめて診療し、依頼書の指定医療機関記載欄に記入して患者に返す
埼玉県 受給証(生活保護を受けていることの証明書) 受給証で確かめて診療。後日医療券が出ない場合は、受給証を発行した福祉事務所に連絡する

札幌市の手引きでは、患者が後日速やかに区の保健福祉部へ受診を連絡し、そのときに医療券が発行されると案内されています。書類の名前や使い方は自治体ごとに違い、こうした書類を発行していない福祉事務所もあります。近隣の自治体の手引きを一度確かめておくと、休日当番や夜間の外来で迷いません。

書類がないまま休日・夜間に来た場合も、受給中だと患者が話しているなら、翌開庁日に福祉事務所へ確かめる前提で診療し、会計は確認がとれるまで保留にする形が多く取られています。

オンライン資格確認で医療扶助の資格を確かめる|紙の医療券がない受診が増えている

生活保護法第34条第5項により、被保護者は指定医療機関で、マイナンバーカードによる電子資格確認などで医療扶助の受給者であることの確認を受けることになっています。医療扶助のオンライン資格確認は2024年3月から始まり、福祉事務所が資格情報と、委託した医療機関の情報をシステムに登録します。

オンライン資格確認で医療扶助の資格が出れば、医療券がなくても受給中であることと、公費負担者番号・受給者番号を画面で確かめられます。紙の医療券を省く自治体も出てきており、患者の手元にも医療機関にも紙が届かない受診が増えていきます。

ただし、次の場合は画面だけでは判断できません。

画面で確かめられない場合 対応
自院のシステムが医療扶助の資格確認に対応していない(医療保険のオンライン資格確認とは別の改修が要る) 福祉事務所に電話で確認し、紙の医療券を発行してもらう
患者がマイナ保険証を使わない、または持っていない 同上
資格情報の更新が月1回で、受診の時点ではまだ反映されていない 同上。札幌市の手引きは、データ更新が月末ごろの月1回のため閲覧できない場合があると案内している
資格は出るが、自院への委託の情報が出ない 福祉事務所に自院あての委託(医療券の発行)を依頼する

厚生労働省の資料も、マイナンバーカードで資格確認ができない場合は医療券を併用し、受診に支障がないようにするとしています。医療扶助のオンライン資格確認に対応しているかどうかは、レセコン・電子カルテの業者に確かめてください。

オンライン資格確認の対応状況をまとめた資料があります

受付での確認や返金の手間は、資格確認をオンラインで完結できるかどうかで変わります。経過措置の考え方と、対応ベンダーの一覧をまとめました。

オンライン資格確認の解説と対応ベンダー一覧を見る

保護の申請中で医療券が出ていない患者|自費で受けるか、預かり金にするか

保護を申請したばかりの人は、まだ被保護者ではありません。保護が決まるまで、収入の調査などに時間がかかります。札幌市の手引きでは、おおむね2週間程度としています。

この間に受診した人の扱いは、福祉事務所の指示で決まります。

福祉事務所の指示 窓口でのお金 保護が決まったら
医療要否意見書に「診察料等は患者から徴収」とある(札幌市の例) 患者から受け取る 医療券が発行されたら、受け取ったお金を患者に返し、医療扶助で請求し直す
申請日にさかのぼって医療扶助を適用するので、受け取らないよう依頼された 受け取らない 医療券を待って請求する
保護が却下された — 通常の保険診療・自費として精算する

申請中の人が健康保険に入っているなら、保護が決まるまでは健康保険で受診し、自己負担分だけを後から調整する形になることもあります。窓口で受け取ったお金を後で返す可能性があるときは、領収書に「生活保護申請中」と控えを残しておくと、返金の手続きが速く済みます。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

医療券が届かないまま月が変わったときのレセプト請求

医療扶助のレセプトは、診療月の医療券に書かれた公費負担者番号と受給者番号で請求します。受給者番号は月によって変わることがあるので、毎月その月の医療券(またはオンライン資格確認の画面)で確かめます。

医療券が届かないまま請求すると、福祉事務所の側で「医療券の送付がない患者に対する請求」として再審査にかけられることがあります。請求の締めまでに届かないときは、次の順で対応します。

  1. 福祉事務所に、医療券の発行と送付の状況を問い合わせる
  2. 届くまでそのレセプトは保留にし、翌月以降に請求する
  3. 保護が却下された・受給していなかったと分かったら、患者に連絡して通常の保険診療・自費として精算する

診療報酬の請求権は、診療日の属する月の翌月1日から5年で時効になると、自治体の手引きでも案内されています。保留にしたレセプトは、一覧にして月ごとに見直すと請求の忘れを防げます。健康保険と生活保護を併用している患者のレセプトの書き方は「生活保護と社会保険の併用レセプトの書き方」で紹介しています。

医療券なしの受診で受付が控えておく記録

医療券が届くまでの間、受付で次の項目を控えておくと、問い合わせや請求で困りません。

  • [ ] 受診日と、患者が医療券を持っていなかったこと
  • [ ] 担当の福祉事務所とケースワーカーの名前
  • [ ] 受給を確かめた方法(電話・休日夜間の書類・オンライン資格確認)と、電話なら日時と相手の名前
  • [ ] 本人支払額の有無と、窓口で受け取った額
  • [ ] 申請中の患者から受け取ったお金と、返金の要否
  • [ ] 医療券が届いた日と、レセプトに転記した公費負担者番号・受給者番号

よくある質問

患者が「自費で払うので診てほしい」と言ったら、受け取ってよいですか

受給中であることが分かっているなら、窓口で全額を受け取らず、医療券を待つのが基本です。医療扶助は現物給付で、受給中の患者の医療費は福祉事務所が負担するためです。患者が受給を隠して自費で受診したいと言う場合は、本人の意向を尊重しつつ、後で医療扶助に切り替える可能性があることを伝えておきます。

患者が「医療券を取りに行けない」と言っています

医療券は、患者が福祉事務所の窓口に取りに行かなくても、福祉事務所から医療機関へ直接送られる運用が多くあります。患者には、福祉事務所に電話で受診先を伝えるよう案内してください。来院できない事情があれば、自院から福祉事務所に連絡しても構いません。

自院が生活保護の指定医療機関ではない場合はどうなりますか

医療扶助は原則として指定医療機関に委託して行うので、指定を受けていない医療機関では医療券は発行されません。ただし生活保護法第34条第7項は、急迫した事情その他やむを得ない事情がある場合に、指定を受けていない医療機関でも医療の給付を受けられると定めています。急病で来院した場合は、福祉事務所に連絡して扱いを相談してください。

院外処方の場合、薬局にも連絡が要りますか

薬局も、調剤券という別の書類か、オンライン資格確認で医療扶助の資格を確かめます。医療券が届いていない段階で院外処方箋を出すときは、患者に「薬局でも福祉事務所に確認が入ることがある」と伝えておくと、薬局の窓口で止まりにくくなります。

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

まとめ

  • 生活保護の患者が医療券を持っていないのは珍しくない。医療券は福祉事務所から医療機関へ直接送られることが多い
  • 平日は福祉事務所に電話で受給と医療券の発行を確かめ、窓口では本人支払額だけを受け取る
  • 休日・夜間は、休日・夜間用の依頼書や受給証と保護決定通知書で確かめる自治体がある
  • オンライン資格確認で医療扶助の資格が出れば、紙の医療券がなくても受給を確かめられる。出ないときは福祉事務所に確認する
  • 申請中の患者は福祉事務所の指示で、自費で受け取るか、受け取らずに待つかが決まる
  • 医療券が届かないレセプトは保留にし、福祉事務所に問い合わせてから請求する

医療券なしの受診は、確認の手段と控えておく項目を院内で決めておけば、受付の誰が対応しても同じ流れで処理できます。

参考

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、