美容クリニックの福利厚生はどんなものを用意すべき?

医療現場では常に人手が足りないといわれていますが、けがや病気の治療ではなく、患者の美をサポートする美容クリニックにおいても同じこと。いい人材を確保するために、多くのクリニックがさまざまに工夫を凝らしています。

そのひとつに「福利厚生を充実させること」がありますが、具体的にはどんな福利厚生を用意すると働き手に喜ばれるのでしょうか?早速みていきましょう。

目次
  1. 美容クリニックでいい人材をキープすることは難しい?
  2. 選ばれる美容クリニックの福利厚生とは?
    1. 社会保険
    2. 住宅手当
    3. 時短勤務(短時間制職員制度)、産休・育休制度
    4. 家族手当
    5. 残業手当
  3. 美容クリニックならではの福利厚生とは?
    1. レーザーなどの施術や外科的処置を割引価格で提供
    2. ドクターズコスメの割引販売
    3. 女性たちに「安心」を提供する各種制度
  4. 福利厚生として施術やコスメを安く提供することのメリットは?
  5. 福利厚生の設定に悩んだら社労士に相談を!

美容クリニックでいい人材をキープすることは難しい?

美容クリニックのなかでも美容皮膚科は、ドクターではなくスタッフが患者に施術を行うケースが多いため、クリニックとしては、即戦力になる経験者やコミュニケーション能力が高い人、美容に関心が高くやる気に満ち溢れている人を採用したいと考える傾向があります。

しかしそのために、一定数の応募者がいても、クリニックが求める条件に合わない場合が多々あるのです。

また、離職率の高さも、良い人材をキープすることの難しさにつながっています。やる気満々で入社したとしても、なかなか施術のコツをつかめなかったり、患者とのコミュニケーションや営業ノルマにストレスを感じたりして早期に退職するスタッフは多いとされています。

また、美容クリニックの患者は基本的に仕事終わりや休みの日に来院するため、遅い時間帯や土日の出勤を免れないことで、嫌気がさしてくるケースもあるようです。

以上のことから、まずは「いい人材を確保すること」、そして「その人材に長く働き続けてもらうための施策を考えること」の2つがとても重要です。

参照: 人材不足に悩む美容クリニック業界。解決の鍵は面接?

 

選ばれる美容クリニックの福利厚生とは?

続いては、働き手から選ばれる、働き手が長く働き続きたいと思う美容クリニックになるために、どんな福利厚生を用意するといいのかを考えていきましょう。

まずは、できる限り用意しておきたい福利厚生から挙げていきます。

社会保険

基本中の基本ですが、社会保険は必ず用意しておきたいところです。具体的には、雇用保険、厚生年金、健康保険、労災保険などです。

住宅手当

地方のクリニックで、ほとんどのスタッフが持ち家の場合はあまり関係ありませんが、都市部のクリニックで、多くのスタッフが賃貸物件に住んでいる場合、住宅手当や社宅の用意があるか否かで、求人の応募数は大きく変わってくるでしょう。

たとえば東京都内のクリニックの場合、「(家賃が高い)23区内だと月3万円、それ以外のエリア在住だと月2万円の家賃補助支給」などとして求人を行うケースが多いようです。また、同様に通勤手当も支給することが基本です。

時短勤務(短時間制職員制度)、産休・育休制度

時短勤務OKで産休・育休制度が整っていれば、子育て中、介護中でも安心して働けます。

ただし、時短勤務OKにすると、通常勤務のスタッフに仕事が集中して不平不満が出る場合があるので、スタッフ全員のメンタルのケアにも、通常以上に力を入れることが大切です。

家族手当

配偶者や子どもがいるスタッフに対して、会社が支給する手当です。シングルマザーなどのスタッフには特に喜ばれる手当といえるでしょう。

残業手当

法定外休日の労働や深夜残業、法定休日の労働・深夜残業に対する割増率は法定でも定められています。

 

美容クリニックならではの福利厚生とは?

続いては、美容クリニックならではの福利厚生をみていきましょう。

レーザーなどの施術や外科的処置を割引価格で提供

最新の施術、人気の施術を安く受けられることは、美容に関心が高い人にとって大きなメリットです。

割引率はクリニックによって異なりますが、30%オフ~50%オフで施術を提供しているクリニックが多いようです。また、「レーザーなどの原価がかからないものは無料」「注射や薬剤の原価のみ」としているところもあります。

ドクターズコスメの割引販売

ドクターズコスメを市場販売価格より安く入手できることも大きな魅力です。特に、近年、女性たちからの支持が熱い「ZO SKIN HEALTH(ゼオスキンヘルス)」などは元が高額なことから、値引きされるとなると興味を持つ人は多いはず。

ただし、ドクターズコスメの割引販売に関しては気をつけなければいけないことがあります。具体的には、施術や外科的処置は本人が受けることをその場で確認できますが、化粧品など持ち帰って使うものは転売の可能性もゼロではありません。

スタッフを信用して本数無制限で提供する場合、必ず「転売しないでね」と本人に伝えるのはもちろん、本人やその家族が使いきれる量を考えたうえで個数制限を設けるか、転売される可能性があるとわかったうえで、原価に上乗せして売るなどの選択肢も考えられます。

女性たちに「安心」を提供する各種制度

美容クリニックで働くスタッフは女性がほとんどであることを考えると、女性目線で福利厚生を考えていく必要があります。

産前産後・育児休暇や育児短時間勤務制度、女性に特化した検診プランがある健康診断はもちろん、ユニークなところだと、『SBCメディカルグループ』が用意している「卵子凍結支援制度」などがあります。これに関しては、産婦人科を含む複数の診療科を運営しているグループならではの制度なので、どこもが真似できるわけではありませんが、「どうすれば女性のライフプランをサポートできるだろうか?」と考えることで、自院ならではの制度を考案できるかもしれません。

参照: SBCメディカルグループ採用情報「福利厚生」

そのほか、家賃補助をはじめとする一般的な福利厚生に関してももちろん充実しているに越したことはありません。ほかにどんな福利厚生があるのかは、医療従事者の求人サイトなどで、競合たちの募集をチェックしてみるといいでしょう。

 

福利厚生として施術やコスメを安く提供することのメリットは?

美容クリニックの福利厚生の目玉は、施術やコスメの安価・無料提供であることは間違いありませんが、これらの福利厚生を充実させることは、クリニックにとってもよいことです。

ひとつの理由は、前述の通り、求人への反響がよくなること。そしてもうひとつは、スタッフ自身が施術やコスメを試すことで、患者に的確なアドバイスができるようになることです。

たとえば、「このレーザーは肌に当てたときに痛みを感じますか?」と患者から聞かれたとして、体験したことがなければ想像でしか答えられません。また、「こういう症状に悩んでいるのですが、どのコスメがおすすめですか?」の質問に対しても、さまざまなコスメを自分で試していれば、よりよいアドバイスを提供することができるでしょう。

 

福利厚生の設定に悩んだら社労士に相談を!

福利厚生を充実させることはクリニックにさまざまなメリットをもたらしますが、たとえば施術やコスメを割引価格で提供するにしても、自院にとっては何%が妥当であるのかを考えることが必要です。

また、そのほかの一般的な福利厚生に関しても適切に設定していくことが大切。

どういった福利厚生を用意すればいいか迷ったときは、社労士に相談することをおすすめしますよ!

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執筆 CLIUS(クリアス )

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