開業医の年収はいくら? 勤務医との違い・診療科別の実態・手取り・節税対策まで解説

医師の代表的な働き方は勤務医と開業医です。そのほかにフリーランス医師などもいますが、ほとんどの医師は勤務医か開業医であるため、勤務医と開業医の違いについて考えたことのある人は多いでしょう。なかでも気になることの1つが年収ですが、開業医の年収はどのくらいで、勤務医の年収とはどのくらいの違いがあるのでしょうか? また、診療科別の実態や実際の手取り額も気になるところです。そこで今回は、開業医の年収や収入構造、手取りを増やすためのポイントについて詳しく解説していきます。

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目次
  1. 開業医の年収は高い? 平均年収はどのくらい?
    1. 令和6年における開業医の平均年収は約2,885万円
    2. 勤務医の平均年収との差は?
    3. 開業医と勤務医の「年収」と「手取り」の違い
      1. 勤務医の手取り
      2. 開業医の手取り
    4. 開業医の手取りは「法人化」と「節税対策」によって変わる
      1. 院長へ役員報酬を支給できる
      2. 法人税と所得税のバランスを調整できる
      3. 退職金制度や各種控除・共済を活用できる
      4. 所得分散による節税が可能になる場合がある
      5. 経費として認められる範囲が広がる場合がある
  2. 開業医の収入構造を分解する
    1. 課税所得の計算
    2. 所得税
    3. 住民税
    4. 個人事業税
    5. 社会保険料
    6. 診療収入-(税金+社会保険料)
    7. 「診療収入-(税金+社会保険料)」のすべてが懐に入るわけではない
  3. 診療収入から出ていく必要経費はどのくらい?
    1. 開業初期は借入返済と固定費が重くのしかかる
    2. 診療科によって必要経費や損益分岐点が大きく異なる
    3. 診療収入から出ていく必要経費のうち節約できるものは?
      1. 人件費
      2. 医療材料費・消耗品費
      3. 光熱費
      4. システム利用料
      5. 医療機器の維持費
      6. 通信費・事務用品費
      7. 広告・集患費
      8. レセプト関連コスト
  4. 「開業医は儲からない」は本当か
    1. 儲からないクリニックの共通点
      1. 集患(対策)不足
      2. 固定費が高すぎる
    2. 収益を左右する3要素
      1. 立地
      2. 集患
      3. 業務効率
  5. 開業医の年収を安定させるためにできること
    1. レセプト精度の向上
    2. 人件費と業務効率のバランスの最適化
    3. ≪開業医の収益安定を支える電子カルテとは?≫
  6. 開業医の年収UPや収入維持のためには、適切な対策をとることが不可欠

開業医の年収は高い? 平均年収はどのくらい?

開業医は、一般的に勤務医よりも年収が高い傾向にあります。

ただし、開業医の場合、「年収=自由に使えるお金」ではありません。そのため、「勤務医より開業医のほうが儲かっている」と考えるのは早計です。

どういうことかというと、開業医は診療所の経営者でもあるため、年収の一部を、経営に必要な投資や返済、あるいは将来への備えに充てなければならない場合があるため、給与所得である勤務医とは単純に比較できないというわけです。

⇒参照:厚生労働省「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について

令和6年における開業医の平均年収は約2,885万円

開業医の平均年収に関する正式なデータのうち、もっとも新しいものは、令和7年実施の「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」で確認できます。こちらのデータによると、調査が実施された令和6年における開業医の平均年収は28,551,085円とされています。

ただし、前述の通り、開業医は診療所経営による「事業所得ベース」であるため、28,551,085円をそのまま懐に入れられるわけではありません。

⇒参照:第25回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告 p.682

勤務医の平均年収との差は?

勤務医の平均年収に関する正式なデータのうち、もっとも新しいものは、厚生労働省が公表している「令和7年賃金構造基本統計調査」で確認できます。こちらのデータによると、令和7年の勤務医の平均年収は約1,512万円です。

つまり、単純に数字の差だけ見ると、開業医の平均年収と勤務医の平均年収との差は、約1,373万円ということになります。しかし、先に触れた通り、開業医の年収は「事業所得ベース」であるため、そのうちのどの程度を自分のものとして使うことができるのかを考える必要があります。

⇒参照:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

開業医と勤務医の「年収」と「手取り」の違い

開業医、勤務医それぞれの年収の構造を考えず、単純に数字だけ比較すると開業医に軍配が上がることがわかりましたが、実際に個人の懐に入るお金は年収ではなく「手取り」であるため、手取りの算出方法にも目を向ける必要があります。

まず、それぞれの言葉の基本的な意味は次の通りです。

  • 年収:税金(所得税や住民税など)や社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料・雇用保険料・40歳以上は介護保険料)などを差し引く前の総支給額。基本給に加えて、残業代や各種手当、ボーナスも含まれる
  • 手取り:税金や社会保険料などを差し引いた後、実際に受け取ることができる金額

ただし、開業医の場合、手取りを算出するためには、自院で雇用しているスタッフに支払う人件費や家賃なども差し引く必要があります。

しかも、さらにそこから、医療機器の更新費、建物の修繕費、借入金の返済、将来の退職資金、万一の休業への備えなどの資金を確保する必要があります。

つまり、次のような流れになります。

勤務医の手取り

病院から給与が支払われる

税金・社会保険料を控除

手取り

開業医の手取り

診療収入

人件費・家賃・医療機器・薬品代などを支払う

利益

税金・社会保険料などを支払う

手取り

開業医の手取りは「法人化」と「節税対策」によって変わる

開業医が自院を医療法人化した場合、手取りの金額が大きく変わる可能性があります。なぜかというと、個人事業主の場合と法人化した場合とでは、お金の流れや税金の仕組みが異なるためです。

主な理由は次の5つです。

  • 院長へ役員報酬を支給できる
  • 法人税と所得税のバランスを調整できる
  • 退職金制度を活用できる
  • 所得分散による節税が可能になる場合がある
  • 経費として認められる範囲が広がる場合がある

ただし、法人化が必ずしも手取りの増加につながるとは限りません。 法人設立・維持コスト(設立費用、税理士報酬、社会保険料、法人住民税など)がかかるため、クリニックの利益水準や将来の事業計画などによっては、かえって手取りが少なくなる可能性もあります。

それを踏まえたうえで、まずは5つのポイントへの理解を深めていきましょう。

理由 手取りが変わる仕組み
①役員報酬 利益を給与へ移せるため税負担を調整しやすい
②法人税と所得税の調整 法人と個人に所得をわけられる
③退職金制度 税制優遇を受けながら老後資金を準備できる
④所得分散 家族への適正な給与で世帯全体の税負担を軽減できる場合がある
⑤法人ならではの制度 福利厚生や保険などを活用して、税負担や手取りを改善できる可能性がある

院長へ役員報酬を支給できる

【個人開業医の場合】
・診療所で得た利益がそのまま院長個人の所得になる
・利益が増えるほど所得税率も高くなる(累進課税)

【医療法人の場合】
・院長は法人の「理事長・役員」となり、法人から「役員報酬(給与)」を受け取る
・役員報酬は法人の“経費”になるため、法人の利益を減らせる

つまり、法人の利益を適切に抑えながら、院長へ給与として収入を移せるため、税負担を調整しやすくなるということです。

法人税と所得税のバランスを調整できる

個人と法人では、適用される税金に次のような違いがあります。

【個人開業医】
・利益すべてに所得税・住民税がかかる
・所得が高いほど税率が上がる(累進課税)

【医療法人】
・法人の利益には法人税
・院長の給与には所得税

つまり、利益を「法人」と「個人」に分けられるため、どちらか一方だけに高い税率が集中しにくくなります。

退職金制度や各種控除・共済を活用できる

個人事業では、「自分自身に退職金を支払う」という制度は基本的にありません。一方、医療法人は、院長が役員を退任する際の退職金を法人から支給できます。

さらに、個人開業医・医療法人問わず、次のような節税・資産形成ツールを活用することで、税負担を抑えながら老後資金を効率的に準備できます。

  • 小規模企業共済(個人開業医向け):掛金全額が所得控除の対象となり、高い節税効果が得られる
  • 経営セーフティ共済(倒産防止共済):法人の損金(経費)に算入でき、将来の設備投資やリスクに備えられる
  • 企業型確定拠出年金(401k):役員やスタッフの福利厚生として導入し、掛金を非課税で積立・運用できる
  • 退職金(医療法人向け):法人側で損金処理しつつ、受け取る個人側も「退職所得控除」という大幅な優遇措置を受けられる

所得分散による節税が可能になる場合がある

医療法人では、配偶者や親族が実際に法人で働いている場合、配偶者や親族を役員や職員として、給与を支給することができます。

これによって、院長一人に所得が集中せず、たとえば次のように所得をわけられることがあります。

  • 院長:1,800万円
  • 配偶者:400万円

その結果、高い税率がかかる所得を減らせるため、世帯全体の税負担が軽くなることがあります。

ただし、配偶者や親族への給与額は業務内容に見合う適正な金額である必要があります。

経費として認められる範囲が広がる場合がある

法人化すると、役員報酬や退職金のほかにも、法人ならではの制度を活用できる場合があります。たとえば次の通りです。

  • 生命保険(一定条件を満たす場合、一部損金算入可能)
  • 福利厚生費
  • 社宅制度
  • 出張旅費規程による日当

これらを適切に利用することで、法人の利益を圧縮して、院長個人の手取りを増やせる可能性があります。

ただし、制度には細かな要件があり、税務上認められる範囲で運用する必要があるので、実際に運用する際には、満たすべき要件についてしっかり調べましょう。

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開業医の収入構造を分解する

開業医の収入構造は、先程説明した通り、次の図で表すことができます。

診療収入

人件費・家賃・医療機器・薬品代などを支払う

利益

税金・社会保険料などを支払う

手取り

このうち、人件費や家賃などの必要経費はクリニックによって大きく異なるため、いったん経費部分は無視して、まずは税金部分についてどの程度引かれるのかを考えてみましょう。

※ただし本来であれば、人件費や家賃などの必要経費を差し引いた後でなければ、正しい税金は計算できません。

課税所得の計算

令和6年の開業医の平均年収である約2,885万円で、国民健康保険加入、40歳以上(要介護保険料)の場合、まずは次の項目について控除されます。

  • 青色申告控除:65万円
  • 基礎控除:0円
  • 国民年金保険料1年分:約22万円(令和8年の場合:215,040円)
  • 国民健康保険料:113万円(東京都新宿区・令和8年度の場合)

なお、所得税の基礎控除は合計所得金額に応じて変わります。合計所得金額が2,500万円を超える場合、基礎控除額は0円です。

⇒参照:国税庁「基礎控除」

⇒参照:東京都新宿区 令和8年度 国民健康保険料 概算早見表(総所得金額等)

つまり、課税所得は次の通りです。
2,885万円-(65万円+22万円+113万円)=2,685万円

課税所得がわかったところで、支払う必要がある税金および社会保険料を整理していきます。

所得税

所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、所得金額によって7段階にわけられています。課税所得が2,885万円の場合、6段階目の「税率:40%、控除額:2,796,000円」に該当するため、計算式は次の通りです。

2,885万円×40%-279万6,000円=874万4,000円

⇒参照:国税庁「所得税の税率」

住民税

住民税は一律10%+均等割りとして1年間に約5,000円生じます。
計算式は次の通りです。

2,885万円×10%+5,000円=289万円

個人事業税

個人事業税とは、所得税や住民とは別に課される都道府県税で、特定の業種に該当する個人事業主が対象とされています。税率は業種によって異なります。医業は5%です。計算式は次の通りです。

2,885万円×5%=144万2,500円

⇒参照:東京都主税局「個人事業税」

社会保険料

社会保険料は先に触れた通り、国民健康保険に加入で40歳以上の場合、次の通りです。

  • 国民年金保険料1年分:約22万円(令和8年の場合:215,040円)
  • 国民健康保険料:113万円(東京都新宿区・令和8年度の場合)

診療収入-(税金+社会保険料)

ここまでをまとめると、診療収入-(税金+社会保険料)は次の金額になります。

2,885万円-
-所得税 約874.4万円
-住民税 約289万円
-個人事業税 144.3万円
-社会保険料 約135万円
=約1,442.3万円

「診療収入-(税金+社会保険料)」のすべてが懐に入るわけではない

先程注意書きした通り、ここまでの計算については、いったん経費部分を無視していますが、実際には、税金を計算する前に、人件費や家賃などの必要経費を差し引く必要があります。つまり、約1,442.3万円の一部を使って人件費や家賃などを支払う必要があるということになります。

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診療収入から出ていく必要経費はどのくらい?

ここまできて気になるのが、「診療収入から出ていく必要経費はどのくらいなのか?」ということです。

具体的にどのくらいの金額であるのかは医療機関によりけりですが、留意すべきポイントがいくつかあります。代表的なポイントは次の通りです。

開業初期は借入返済と固定費が重くのしかかる

開業医は、診療所を開設する際に数千万円から1億円以上の資金が必要になることも珍しくありません。そのため、多くの開業医は金融機関から融資を受けて開業します。

借入金は毎月返済する必要があるため、開業直後は診療収入があっても自由に使えるお金はそれほど多くありません。

具体的には、次のような借り入れ返済が毎月発生します。

  • 建物・内装工事費の返済
  • CT・MRI・内視鏡・レントゲンなど医療機器の返済
  • 電子カルテ・レセコンなどIT設備のリース料
  • 開業資金の借入返済
  • 金利の支払い

さらに、開業当初は患者数がまだ安定していないことも多く、診療収入が計画どおりに伸びないケースもあります。そのため、借入返済と人件費・家賃などの固定費が経営を圧迫して、資金繰りが厳しくなることがあります。

日本医師会も、開業医の収支からは税金や設備投資、借入返済などを支払う必要があり、収支差額がそのまま自由に使える所得ではないことを示しています。

⇒参照:日本医師会総合政策研究機構「開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査」

⇒参照:日本医師会「健保連の提言に対する日本医師会の見解」

診療科によって必要経費や損益分岐点が大きく異なる

開業医の必要経費は、「どの診療科を開業するか」によって大きく変わります。

たとえば、画像診断装置や手術設備が必要な診療科では、設備投資額や維持費が非常に高額になり、損益分岐点となる患者数も高くなります。一方、比較的シンプルな設備で診療できる診療科では、設備費を抑えやすい傾向があります。

主な診療科の必要経費の特徴は次の表の通りです。

診療科 必要経費の特徴
内科 聴診器・心電図・エコー・血液検査機器などが中心で、比較的設備費は抑えやすい
小児科 内科に近い設備に加えて、予防接種や感染対策用品などの費用がかかる
皮膚科 レーザー機器や光線治療器などを導入すると設備投資が大きくなる
眼科 OCT、視野計、手術顕微鏡など高額機器が多く、設備投資が非常に大きい
整形外科 X線装置、リハビリ機器、骨密度測定装置など高価な設備が必要
耳鼻咽喉科 ユニット、内視鏡、聴力検査機器など専門設備が多い
消化器内科 内視鏡システムや洗浄設備など導入・維持費が高額
精神科 高額医療機器が少なく、比較的設備費は低いが、人件費やカウンセリング体制が重要になる

また、次の費用についても診療科によって大きく異なります。

  • 看護師・医療事務・臨床検査技師・放射線技師などの人件費
  • 医療材料費
  • 検査試薬
  • 保守・メンテナンス費
  • 消耗品費

そのため、同じ診療収入であっても、必要経費の割合が異なれば最終的な利益や手元に残るお金は大きく変わります。診療科ごとの収益性を考える際は、「売上(診療収入)」だけでなく、「どれだけ経費がかかるか(粗利率・固定費)」まで含めて見ることが重要です。

⇒参照:クリニック開業資金のリアルな相場:診療科目別の目安・自己資金・最適融資ルート

診療収入から出ていく必要経費のうち節約できるものは?

前述の通り、借入金は基本的には毎月決まった額を返済する必要がありますし、設備投資のために融資してもらった資金についても然りです。

ただし、なかには、運営方法を見直すことによって節約できる費用もあります。節約できる費用および方法は次の通りです。

人件費

【節約方法】
・スタッフ配置を適正化する
・業務の繁閑に応じてシフトを調整する
・Web予約や自動受付・自動精算機を導入して、受付業務を効率化する
・電子カルテ・レセコン連携で事務作業を削減する

【ポイント】
人件費を単純に削るのではなく、ITを活用して少ない人数でも運営できる体制をつくることが重要です。

医療材料費・消耗品費

【節約方法】
・複数の仕入先を比較する
・医療材料を共同購入する
・在庫管理を徹底して、期限切れによる廃棄を減らす
・適正在庫を維持する

【ポイント】
必要以上に在庫を抱えないことがコスト削減につながります。

光熱費

【節約方法】
・LED照明へ切り替える
・空調設定を見直す
・省エネ性能の高い医療機器を導入する
・電力会社・料金プランを見直す

システム利用料

【節約方法】
・電子カルテやレセコンの契約内容を見直す
・不要なオプションを解約する
・必要十分な機能を備えたクラウドサービスを利用する

【ポイント】
料金だけでなく、業務効率の向上による人件費削減効果も考慮することが大切です。

医療機器の維持費

【節約方法】
・(これから追加で導入する場合など)本当に必要な機器だけを導入する
・新品だけでなく中古機器やリースも検討する
・保守契約の内容を定期的に見直す

【ポイント】
高額機器は購入価格だけでなく、保守費や更新費も含めて判断します。

通信費・事務用品費

【節約方法】
・インターネット回線・電話回線を見直す
・ペーパーレス化を進める

広告・集患費

【節約方法】
・費用対効果を定期的に検証する
・効果の低い広告を見直す
・ホームページやGoogleビジネスプロフィール、口コミ対策など比較的低コストの集患施策を活用する

【ポイント】
広告費を単純に削るのではなく、「費用に対してどれだけ患者が増えたか」を基準に判断しましょう。

レセプト関連コスト

【節約方法】
・レセプト点検機能を活用して査定・返戻を減らす
・スタッフ教育を徹底して入力ミスを防ぐ
・電子カルテとレセコンを連携して二重入力をなくす

【ポイント】
査定や返戻を減らすことは、コスト削減だけでなく診療報酬の取りこぼし防止にもつながります。

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「開業医は儲からない」は本当か

「開業医は儲かる」「開業医は儲からない」という意見はどちらも耳にしますが、一概にはいえません。

開業医は勤務医より高い収入を得られる可能性がありますが、その一方で、ここまで解説してきた通り、家賃や人件費、医療機器のリース料など多くの必要経費を負担しなければなりません。また、患者数が伸びなければ利益は大きく減少するため、経営者としての手腕も求められます。

つまり、「開業すれば必ず儲かる」わけでも、「開業医は儲からない」わけでもなく、経営次第で大きく差がつく働き方であるといえます。

儲からないクリニックの共通点

利益が出にくいクリニックにはいくつか共通する特徴がありますが、もっとも利益が出にくくなるポイントは次の2つです。

  • 集患(対策)不足
  • 固定費が高すぎる(損益分岐点が高い)

詳しく説明していきます。

集患(対策)不足

クリニックの売上は、基本的に「患者数 × 1人あたりの診療単価」で決まります。

そのため、「立地が悪い」「認知度が低い」「口コミ評価が低い」などの理由で患者数が伸びないと、十分な診療収入を確保できません。当然、集患対策が不十分であれば、マイナス要素の影響を受けやすくなります。

また、近隣に競合クリニックが多い地域では、集患対策を講じても、患者が分散して思うように集患できないこともあります。

固定費が高すぎる

患者数が少なくても、毎月必ず発生する固定費は支払わなければなりません。

固定費とは、たとえば次のような費用です。

  • 医師・看護師・医療事務の人件費
  • テナント家賃
  • 医療機器のリース料・借入返済
  • 電子カルテ・レセコン利用料
  • 光熱費・保守契約費 など

固定費が高すぎると、売上が多少増えても利益が残りにくくなります(損益分岐点が高くなる)。特に開業直後は患者数が安定しないため、固定費にお金をかけ過ぎると、経営を圧迫する原因になります。

収益を左右する3要素

クリニックの収益性は、主に次の3つの要素で決まります。

  • 立地:患者が来院しやすい場所を選ぶ
  • 集患:患者に選ばれる仕組みをつくる
  • 業務効率:限られた人員で質の高い医療を提供する

それぞれのポイントをみていきましょう。

立地

立地は、患者数に直結する重要な要素です。

たとえば、次のような要素によって来院患者数は大きく変わります。

  • 駅から近いかどうか
  • 商業施設内などの人が集まる場所かどうか
  • 駐車場の有無
  • 視認性が確保されているか
  • エリア内の競合クリニックの数 など

なお、特に都市部以外では、診療科によっても適した立地は異なります。たとえば、小児科は住宅街、整形外科は駐車場付き、皮膚科や眼科は駅前や商業施設内が有利なケースが多いです。

車移動よりも電車移動のほうが多いエリアであれば、駅からの近さなどの重要度が高いですが、心療内科やAGAクリニックなどの場合は、「通っているところを知り合いに見られたくない」と考える患者が多いことから、人通りが少ない立地のほうが好まれることもあります。

集患

良い立地でも、患者に選ばれなければ収益は伸びません。

最近では、次のような要素も集患に大きく影響します。

  • ホームページの充実度(SEO対策・MEO対策)
  • Googleマップの口コミ管理
  • Web予約システム導入の有無
  • SNSによる情報発信

さらに、「待ち時間が短い」「スタッフの対応が良い」「説明が丁寧」といった患者満足度の高さは、口コミや紹介につながり、安定した集患を支える重要な要素です。

業務効率

同じ患者数でも、業務効率によって利益は大きく変わります。

たとえば次のような要素によって、スタッフの負担や人件費を抑えながら、より多くの患者をスムーズに診療できるようになります。

  • 電子カルテ・レセコン連携による事務作業の効率化
  • Web予約・自動受付による受付業務の省力化
  • キャッシュレス決済・自動精算機の導入
  • スタッフ配置の最適化
  • レセプト点検システムによる返戻・査定の削減

⇒参照:【2026年版】クリニックの集患・増患の完全講義|新規集患×リピート率UPで黒字化する21の施策

⇒参照:標準型電子カルテとは? 2027年に向けてクリニックが今やるべき7つの準備

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開業医の年収を安定させるためにできること

開業医の年収は、単に多くの患者を診療すれば増えるわけではありません。診療報酬を適切に請求して、無駄なコストを抑えながら効率的にクリニックを運営することが、安定した収益につながります。

また、2年に1回実施される「診療報酬改定」の動向を迅速にキャッチアップし、算定可能な加算を漏れなく取得することや、院長自身が疾病やケガで休業した際のリスク対策(所得補償保険や医師賠償責任保険の整備)を行っておくことも、年収と経営の安定には欠かせません。

安定した収益のためにまず取り組みたい基本が、「レセプト精度を向上させること」と「人件費と業務効率のバランスを考えること」の2つです。

この2つに取り組むことによって、次のような効果が見込めます。

  • レセプト精度の向上 → 診療報酬の取りこぼしを防げるため、売上が安定する
  • 人件費と業務効率のバランスの最適化 → 最低限必要な人員を確保しつつ、ICT導入などによる業務効率改善にも注力することで、効率的なクリニック運営が実現する

さらに詳しく解説していきます。

レセプト精度の向上

クリニックの売上は、診療後に提出するレセプト(診療報酬明細書)が適正に審査されることで確定します。

しかし、レセプトに記載漏れや算定ミス、病名との整合性の不備などがあると、「査定(診療報酬の減額)」や「返戻(レセプトの差し戻し)」となり、本来であれば受け取れるはずの診療報酬が減ってしまいます。

年収を安定させるためには、こうした取りこぼしを減らすことが重要です。

具体的には、次のような取り組みが役立ちます。

  • レセプト点検ソフトを活用する
  • 電子カルテとレセコンを連携させることで入力ミスを減らす
  • 算定ルールや診療報酬改定の内容を定期的に確認する
  • スタッフへの教育・研修を継続的におこなう
  • 査定・返戻の内容を分析して、同じミスを繰り返さない

レセプトの精度が高まれば、診療報酬の取りこぼしが減るだけでなく、再請求や修正作業も少なくなり、事務スタッフの負担軽減にもつながります。

人件費と業務効率のバランスの最適化

多くのクリニックにおいて、必要経費のなかでも大きな割合を占めるのが人件費です。

だからといって人件費を削減しすぎると、スタッフ一人あたりの負担が増え、次のようなことが生じる可能性が出てきます。

  • 待ち時間の長期化
  • 医療サービスの質の低下
  • ミスやクレームの増加
  • スタッフの離職

その結果として、患者満足度や収益の低下につながる可能性があります。

一方で、人員を過剰に配置すると、人件費が利益を圧迫してしまいます。そのため重要なのは、「人件費を減らすこと」ではなく、「適正な人員で効率よく運営すること」です。

たとえば、次のような工夫が考えられます。

  • Web予約システムで電話対応を減らす
  • 自動受付機・自動精算機を導入する
  • 電子カルテ・レセコンを連携して入力作業を効率化する
  • 業務マニュアルを整備して、誰でも同じ品質で対応できるようにする
  • スタッフの役割分担を見直して、業務の重複をなくす

これらの工夫によって、患者サービスを維持しながら業務効率を高めることができます。

≪開業医の収益安定を支える電子カルテとは?≫

「レセプト精度の向上」「人件費と業務効率のバランスの最適化」の両方に取り組むのは時間もかかるし大変……と感じるかもしれませんが、多彩な機能を備えた電子カルテを導入すれば、レセプト精度向上と業務効率改善を同時に実現することができます。

たとえば、クラウド型電子カルテ「CLIUS」もその一つです。CLIUSの大きな特徴は、日本医師会が開発した日医標準レセプトソフト「webORCA」をエンジンとして使用することによって、診療予約から会計までのすべての事務をCLIUS上で完結させられることです。つまり、別途、レセコンに入力する必要がないため、作業時間が短縮できるのはもちろん、入力ミスが生じる確率がぐっと低くなります。

また、予約機能やweb問診機能をはじめ、患者の待ち時間短縮や医療サービスの質向上、業務効率改善に役立つさまざまな機能が標準で備わっています。

⇒参照:CLIUSの機能

クラウド型電子カルテ「CLIUS」

クラウド型電子カルテ「CLIUS」は、予約・問診・オンライン診療・経営分析まで一元化できる機能を備えています。効率化を徹底追求し、直感的にサクサク操作できる「圧倒的な使いやすさ」が、カルテ入力業務のストレスから解放します。

詳しい内容を知りたい方は下記フォームからお問い合わせください。

開業医の年収UPや収入維持のためには、適切な対策をとることが不可欠

開業医は、毎月決まった給与が保証されているわけではなく、患者数や診療内容によって金額が大きく変動します。しかし、毎月の振れ幅が大きいと精神的にも安心できないため、安定した経営を続けられるよう、収入を維持・向上させるための取り組みをおこなうことが大切です。

立地や診療圏を踏まえた集患対策、ホームページやWeb予約システムの活用、口コミ対策、患者からの紹介の獲得などは、継続的な患者数の確保につながる重要な要素です。さらに、レセプトの精度を高めて査定・返戻を減らすこと、適切な節税対策(小規模企業共済や医療法人化など)を行うこと、そして電子カルテ・レセコンを活用して業務効率と人件費のバランスを最適化することが、収益と手取りの安定化に大きく貢献します。

Mac・Windows・iPadで自由に操作、マニュア ルいらずで最短クリック数で診療効率アップ

特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、