SGLT2阻害薬を慢性腎臓病で処方するときのレセプトコメント|ジャディアンス・フォシーガ・カナグルの記載事項の判定表、糖尿病・心不全で使う場合との違い

ジャディアンスやフォシーガを慢性腎臓病で処方するときは、レセプトの摘要欄に記載事項があります。同じ薬を2型糖尿病や慢性心不全で処方するときは、別表上の記載事項はありません。同じ処方でも、どの効能で使っているかでコメントの要否が変わります。

この記事は、腎臓内科・糖尿病内科・循環器内科・一般内科の診療所で、SGLT2阻害薬のレセプトを作る医療事務の方と、記載内容を確認する院長に向けたものです。薬ごとの記載事項とコメントコード、糖尿病・心不全で使う場合との違い、ケレンディア(フィネレノン)を併用するときの区別を扱います。どの患者に投与するか、どの値で始めるかといった治療の判断は扱いません。効能・効果は、PMDAの添付文書で確かめてください。

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目次
  1. SGLT2阻害薬の慢性腎臓病のコメントは記載要領の別表Ⅱで決まる
  2. SGLT2阻害薬ごとの慢性腎臓病のレセプトコメント判定表
  3. ジャディアンス・フォシーガの「判断した理由」と「指標の値」の書き方
  4. カナグルを2型糖尿病を合併する慢性腎臓病で使うときのコメント
  5. SGLT2阻害薬を糖尿病・心不全で使う場合とのコメントの違い
  6. ケレンディアを併用するときのレセプトコメントの境界
  7. SGLT2阻害薬のコメントを入れ忘れない院内の仕組み
  8. よくある質問
    1. 他院で開始されたSGLT2阻害薬を慢性腎臓病で引き継いだ場合もコメントは要りますか
    2. eGFRの値は小数点以下まで書きますか
    3. フォシーガを1型糖尿病で処方するときはどうなりますか
  9. まとめ
  10. 参考

SGLT2阻害薬の慢性腎臓病のコメントは記載要領の別表Ⅱで決まる

個別の医薬品について摘要欄に書く事項は、記載要領(令和8年3月27日保医発0327第2号)の「別表Ⅱ 診療報酬明細書の『摘要』欄への記載事項等一覧(薬価基準)」に定められています。2026年7月30日訂正後の別表Ⅱで、SGLT2阻害薬の慢性腎臓病に関する行があるのは次の3剤です。

  • ジャディアンス錠10mg(慢性腎臓病)
  • フォシーガ錠5mg・10mg(慢性腎臓病)
  • カナグル錠100mg・カナグルOD錠100mg(2型糖尿病を合併する慢性腎臓病)

どの行も「投与開始に当たっては」記載するという書き方です。電子レセプトでは、別表Ⅱのコードを選び、文章や数値を入力します。

SGLT2阻害薬ごとの慢性腎臓病のレセプトコメント判定表

3剤は記載事項の型が違います。ジャディアンスとフォシーガは「判断した理由と指標の値」、カナグルは「eGFRの値と検査日」です。

薬剤 別表Ⅱが対象にしている効能 記載事項 コメントコード
ジャディアンス錠10mg 慢性腎臓病 適応患者であると判断した理由 830600159
〃 〃 判断に用いた指標の値等(eGFRの値を含む) 830600160
フォシーガ錠5mg・10mg 慢性腎臓病 適応患者であると判断した理由 830600074
〃 〃 判断に用いた指標の値等(eGFRの値を含む) 830600075
カナグル錠100mg・OD錠100mg 2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 投与開始時のeGFRの値 842600028
〃 〃 eGFR検査の実施年月日 850600181

ジャディアンスは、慢性腎臓病の効能が10mg錠だけに付いています。別表Ⅱの行も10mg錠だけです。25mg錠を処方しているレセプトで慢性腎臓病の記載事項を入れようとしている場合は、処方内容と効能の組み合わせを医師に確かめます。

ジャディアンス・フォシーガの「判断した理由」と「指標の値」の書き方

別表Ⅱは、この2剤について、添付文書の効能又は効果に関連する注意で「慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準等を参考に、適応患者を選択すること」などとされていることを受けて、記載を求めています。

書く中身は2つに分かれます。

  • 判断した理由(830600159/830600074): 医師が慢性腎臓病の患者として投与が必要と判断した理由を文章で書く
  • 指標の値等(830600160/830600075): 判断に使った検査値を書く。eGFRの値は必ず含める。ほかに判断に使った値があれば、あわせて書く

指標の値は、検査日とあわせて書いておくと、審査側がいつの値かを読み取れます。他院の検査結果を使った場合は、紹介状などで値と日付を確かめてから入れます。

理由の文章は、事務が作るものではありません。医師が診療録に書いた判断の記録を転記します。「腎保護のため」だけのように、判断に使った所見が読み取れない書き方は避け、診療録の記載と食い違わないようにします。

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カナグルを2型糖尿病を合併する慢性腎臓病で使うときのコメント

カナグルの慢性腎臓病の効能は「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」です。別表Ⅱは、投与開始時のeGFRの値(842600028)と、そのeGFR検査の実施年月日(850600181)を求めています。

ジャディアンス・フォシーガと違い、理由の文章を書くコードはありません。値と日付の2つを入れます。2型糖尿病だけで処方している場合は、この行は当たりません。

SGLT2阻害薬を糖尿病・心不全で使う場合とのコメントの違い

ジャディアンスとフォシーガは、慢性腎臓病のほかに2型糖尿病や慢性心不全の効能も持っています(フォシーガは1型糖尿病も)。別表Ⅱに行があるのは慢性腎臓病の効能だけです。

処方の場面 別表Ⅱの記載事項 レセプトで見ておくこと
慢性腎臓病で使う(ジャディアンス10mg・フォシーガ) あり(理由+指標の値) 投与開始の月にコメントが入っているか
2型糖尿病を合併する慢性腎臓病で使う(カナグル) あり(eGFRの値+検査日) 値と日付の両方が入っているか
2型糖尿病で使う なし 傷病名欄に糖尿病の傷病名があるか
慢性心不全で使う なし 傷病名欄に心不全の傷病名があるか
糖尿病と慢性腎臓病の両方がある患者 どの効能で使っているかで決まる 医師にどの効能での処方かを確かめる

「別表Ⅱに記載事項がない」は「何も見なくてよい」という意味ではありません。糖尿病薬は、記載要領で傷病名の記載を省略できる薬から外されています。どの効能で使っていても、傷病名欄と処方内容がつながっているかは点検の対象です。

糖尿病と慢性腎臓病の両方を持つ患者で迷いやすいのは、「どちらの効能で処方しているか」が事務からは見えないことです。初回の処方時に医師がどちらの効能で始めたかを診療録に残す運用にしておくと、慢性腎臓病の記載事項を入れるかどうかで迷いません。

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ケレンディアを併用するときのレセプトコメントの境界

慢性腎臓病の患者では、SGLT2阻害薬とケレンディア(フィネレノン)が一緒に処方されることがあります。ケレンディアはSGLT2阻害薬ではなく、別表Ⅱの記載事項もまったく別です。

薬剤 効能 別表Ⅱの記載事項
ケレンディア 2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 なし
ケレンディア錠10mg・20mg(別表Ⅱの行) 慢性心不全 左室駆出率の計測年月日(850600248)と値(842600052)。他院で測った場合は医療機関名(830600215)

ケレンディアの慢性心不全のコードは、どれも「令和8年6月1日適用」の印が付いています。記載要領はこの印のコードを令和8年10月診療分以降に選択すればよいとしていたので、2026年10月診療分からは記録します。

別表Ⅱの記載事項は薬剤ごとに定められています。SGLT2阻害薬の理由や指標の値はSGLT2阻害薬の記載事項として、ケレンディアの左室駆出率はケレンディアの記載事項として、それぞれ入れます。

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SGLT2阻害薬のコメントを入れ忘れない院内の仕組み

慢性腎臓病の記載事項は投与開始時のものなので、毎月の処方ではつい忘れがちです。逆に、2か月目以降も入れるかどうかは、別表Ⅱの文言だけでは決めきれません。継続処方の月の扱いは、審査支払機関の案内に沿って院内で決めておきます。

  • 慢性腎臓病の効能で開始した患者は、電子カルテの患者メモなどに「CKDで開始」「開始時eGFR」と残す
  • 対象の薬剤を初めて処方した月に、別表Ⅱのコメント入力を促す設定にする
  • 糖尿病・心不全で処方中の患者に、途中から慢性腎臓病の効能で処方を続ける場合も、医師に確かめて開始時と同じ記載事項を用意する

似た型のコメントは、エンシュアを外来で処方するときのレセプトコメントでも整理しています。摘要欄の位置とコメントコードの引き方はレセプトの摘要欄はどこ?にまとめています。

よくある質問

他院で開始されたSGLT2阻害薬を慢性腎臓病で引き継いだ場合もコメントは要りますか

別表Ⅱは「投与開始に当たっては」記載するとしています。引き継いだ月を自院での投与開始として扱うかどうかは、審査支払機関の案内で確かめてください。入れる場合は、紹介状などで判断の根拠となった値を確かめてから転記します。

eGFRの値は小数点以下まで書きますか

別表Ⅱは「eGFRの値を含む」とだけ定めていて、桁の決まりはありません。検査結果に記載された値を、そのまま転記するのが確実です。

フォシーガを1型糖尿病で処方するときはどうなりますか

2026年7月30日訂正後の別表Ⅱには、フォシーガの1型糖尿病についての行はありません。傷病名欄と処方内容のつながりを、ほかの糖尿病薬と同じように確かめます。

まとめ

SGLT2阻害薬で別表Ⅱの記載事項があるのは、慢性腎臓病の効能で使う場合です。ジャディアンス10mgとフォシーガは判断した理由と指標の値、カナグルはeGFRの値と検査日を入れます。2型糖尿病・慢性心不全で使うときは記載事項がありませんが、傷病名とのつながりは見られます。ケレンディアはSGLT2阻害薬とは別の記載事項なので、薬剤ごとに分けて入れます。

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参考

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提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、