処方箋の書き方ルール|欄ごとの記載事項、一般名処方・変更不可欄・リフィル欄の書き方と、疑義照会を減らす記載のコツ【令和8年6月の様式改正対応】

院外処方箋の書き方は、医師の好みで決まるものではありません。保険医療機関及び保険医療養担当規則(療担規則)第23条が「様式第二号(または第二号の二)の処方箋に必要な事項を記載しなければならない」と定め、何をどう書くかは厚生労働省の「診療報酬請求書等の記載要領等について」の「処方箋の記載上の注意事項」に欄ごとに書かれています。

薬局からの疑義照会の多くは、このルールから外れた書き方が原因です。この記事は、処方箋を書く院長と、電子カルテの処方セットや手書き処方箋を確認する医療事務の方に向けて、欄ごとのルールと、令和8年6月1日の様式改正で増えた欄を整理したものです。どの薬を何日分出せるかという投与日数の上限や、薬剤ごとの処方の可否は扱いません。

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目次
  1. 処方箋の書き方ルールの根拠は療担規則第23条と記載要領
  2. 処方箋の欄ごとの書き方早見表|患者欄・医療機関欄・交付年月日・使用期間
  3. 処方欄の書き方ルール|医薬品名・分量・用法用量
    1. 医薬品名は一般名処方か、薬価基準の名称で書く
    2. 内服薬・外用薬・頓服薬で違う「分量」の書き方
    3. 外用薬は1回量・1日回数・投与日数をそろえる
  4. 後発医薬品への変更不可欄と患者希望欄の書き方
  5. リフィル処方箋の書き方|リフィル可欄と総使用回数
  6. 処方箋の備考欄に書くこと
  7. 令和8年6月からの処方箋様式の変更点
  8. 手書き処方箋で疑義照会が来やすい書き方と防ぎ方
  9. よくある質問
    1. 処方箋の使用期間を書かなかったら、いつまで使えますか
    2. 処方箋の大きさや紙の様式は自由に変えてよいですか
    3. 後発医薬品を銘柄名で処方して「変更不可」にするとき、理由は要りますか
  10. まとめ
  11. 参考

処方箋の書き方ルールの根拠は療担規則第23条と記載要領

処方箋のルールは、次の3層で決まっています。

層 名称 決めていること
省令 療担規則第23条 様式第二号・第二号の二の処方箋に必要事項を書くこと、リフィル処方箋には使用回数の上限を書くこと、薬剤師の疑義照会に適切に対応すること
省令 療担規則第20条第2号 投薬量は予見できる必要期間に従うこと、14日分・30日分・90日分の上限がある薬
通知 記載要領「処方箋の記載上の注意事項」 欄ごとの具体的な書き方(医薬品名、分量、用法用量、変更不可欄、備考欄など)

疑義照会への対応は、療担規則第23条第3項で保険医の義務とされています。照会が来たときの答え方と記録の残し方は「疑義照会とは?薬局から問い合わせが来る理由と、クリニック側の答え方・記録の残し方」で扱っています。

処方箋の欄ごとの書き方早見表|患者欄・医療機関欄・交付年月日・使用期間

処方欄以外の欄は、電子カルテやレセプトコンピュータから自動で印字されることがほとんどです。それでも、手書きで出すときや、印字内容が正しいかを確かめるときの基準になります。

欄 書き方のルール よくある誤り
患者(氏名・生年月日・性別) 投薬を受ける本人の姓名・生年月日を書き、性別を○で囲む 家族が受け取りに来たときに家族の名前を書く
区分(被保険者・被扶養者) 該当するものを○で囲む —
保険医療機関の所在地及び名称 地方厚生(支)局に届け出た所在地・名称を書く 通称やビル名だけの略記
電話番号 原則として書く(必要がなければ省略可) —
保険医氏名 処方医が署名するか、姓名を記載して押印する 代診の医師の処方なのに院長名のまま印字される
都道府県番号・点数表番号・医療機関コード 都道府県番号2桁、医科は「1」、医療機関コード7桁(レセプトと同じ番号) —
交付年月日 患者に処方箋を交付した年月日 診察日と交付日が違うのに診察日を書く
処方箋の使用期間 交付日を含めて4日以内なら書かなくてよい。長期の旅行など特殊な事情で期間を変えるときだけ年月日を書く 何も事情がないのに使用期間を延ばす

使用期間を延ばしてよい場面と書き方は「処方箋の期限延長ができるケースと書き方」にまとめています。

処方欄の書き方ルール|医薬品名・分量・用法用量

処方欄には「投薬すべき医薬品名、分量、用法及び用量」を書き、余白には斜線などで余白であることを示します。余白の斜線を忘れると、あとから書き足せる処方箋になってしまいます。

医薬品名は一般名処方か、薬価基準の名称で書く

医薬品名の書き方は2つしか認められていません。

  • 一般名処方:一般的名称に剤形と含量を付けた書き方(例:【般】アムロジピン錠5mg)。会社名(屋号)は付けない
  • 薬価基準に記載されている名称(銘柄名):同じ薬に2つ以上の規格があるときは、規格も書く

記載要領は「可能な限り一般名処方を考慮する」としています。一方で、医療機関と薬局の間で取り決めた略号や記号(いわゆる約束処方)での記載は認められていません。院内で通じる略語や「いつもの」は、薬局には通じない前提で書きます。

一般名処方加算を算定するための施設基準や院内掲示は「一般名処方加算の施設基準」で解説しています。

内服薬・外用薬・頓服薬で違う「分量」の書き方

記載要領は、分量を薬の種類ごとに決めています。

薬の種類 分量に書くもの 書き方の例
内服薬 1日分量 1日3錠 1日3回毎食後 7日分
内服用滴剤 投与総量 —
外用薬 投与総量 全量20g 1日2回 患部に塗布
注射薬 投与総量 —
屯服薬 1回分量 1回1錠 疼痛時 5回分

用法・用量には、1回あたりの服用(使用)量、1日の回数、服用時点(毎食後、就寝前、疼痛時、○時間ごとなど)、投与日数(回数)、服用の留意事項を書きます。

内服薬では「1日3錠 分3」と1日量だけ書く処方箋もまだ多く見られますが、記載要領は、内服薬の書き方について平成22年の「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書」も参考にするよう求めています。報告書は、1回量と1日量の取り違えによる調剤の誤りを防ぐため、分量を1回量で書き、1日の回数・服用時点・日数を添える書き方を標準として示しています。電子カルテの処方入力で1回量が併記される設定になっているかは、一度確かめておくと疑義照会が減ります。

外用薬は1回量・1日回数・投与日数をそろえる

外用薬で照会が来やすいのは、全量だけ書いて使い方が分からない処方箋です。特に、鎮痛・消炎の効能を持つ貼付剤(湿布)は、1回の使用量と、1日の使用回数または投与日数を必ず書くことが記載要領で決まっています。1処方で63枚を超えて出すときは、その必要性を判断した趣旨を備考欄に書きます。

書き方 判定
ロキソプロフェンNaテープ100mg 全量28枚 使い方が分からないので照会が来る
ロキソプロフェンNaテープ100mg 1回1枚 1日1回 腰部に貼付 28日分(全量28枚) 必要事項がそろっている

湿布の枚数制限とレセプトのコメントは「湿布の枚数制限は1処方何枚まで」で扱っています。

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後発医薬品への変更不可欄と患者希望欄の書き方

処方欄には、医薬品ごとに「変更不可(医療上必要)」欄と「患者希望」欄があります。どちらに印を付けるかで、薬局の調剤と患者の負担が変わります。

処方医の判断 書き方 薬局でできること
後発医薬品へ変えてよい 何も書かない 後発医薬品への変更調剤ができる
医療上の必要があり、後発医薬品に変えられない その医薬品の「変更不可(医療上必要)」欄に「✓」か「×」、備考欄の「保険医署名」欄に署名等。「患者希望」欄には書かない 銘柄名どおりに調剤する
後発医薬品への変更はよいが、含量規格や剤形は変えられない 「保険医署名」欄に署名等をし、銘柄名の近くに「含量規格変更不可」「剤形変更不可」と書く 同じ規格・剤形の後発医薬品にのみ変更できる
患者の希望で長期収載品を銘柄名で処方する 「患者希望」欄に「✓」か「×」 銘柄名どおりに調剤し、長期収載品の選定療養の扱いになる

一般名処方に「変更不可(医療上必要)」の印を付けることは、一般名処方の趣旨からありえないとされています。電子カルテの処方セットで、一般名処方の薬に変更不可の印が残っていないかを確かめます。

「患者希望」欄に印を付けた長期収載品は選定療養の対象になり、患者に特別の料金がかかります。2026年6月の見直しを含めた会計と掲示の実務は「長期収載品の選定療養とは?」を参照してください。

リフィル処方箋の書き方|リフィル可欄と総使用回数

リフィル処方箋を出すときは、処方欄の「リフィル可」欄に「✓」を付け、総使用回数を書きます。上限は3回です。療担規則第23条第2項でも、リフィル処方箋には「その旨」と「使用回数の上限」を書くことが定められています。

処方欄に書く日数は、リフィル処方箋1回の使用での投与日数です。たとえば28日分を3回使えるように出すなら、処方欄は28日分、総使用回数は3回と書きます。外用薬をリフィル処方するときは、1回の使用量と1日の使用回数を書いた場合でも、投与日数を必ず書きます。

リフィル処方箋にできない薬や、患者への説明は「リフィル処方箋とは?」で解説しています。

算定を間違えないカルテの選び方

算定や記録の抜け漏れは、カルテ側で必要な情報が見えるかどうかで変わります。選ぶときに何を見ればよいかを整理した資料です。

一番やさしい電子カルテの選び方ブックを見る

処方箋の備考欄に書くこと

備考欄は、薬局が調剤するときに知っておくべきことを書く欄です。記載要領が書くよう定めているものを並べます。

書く場面 備考欄に書くこと
未就学者 「6歳」
高齢受給者(70〜74歳)で一般・低所得者 「高一」
後期高齢者で8割給付・9割給付 「高8」「高9」
高齢受給者・後期高齢者で7割給付 「高7」
麻薬を処方する 患者の住所と麻薬施用者の免許証の番号
14日分が上限の薬を、長期の旅行など特殊な事情で14日を超えて出す その理由
薬局に分割調剤を指示する 分割の回数と分割ごとの調剤日数
オンライン診療(情報通信機器を用いた診療)で処方箋を出す 「情報通信」
地域包括診療加算・地域包括診療料を算定していて、書面を添付せずに薬局へ伝える 算定している旨
貼付剤(湿布)を1処方63枚を超えて出す 投与が必要と判断した趣旨
保険薬局が残薬を確認したときの対応を指示する 該当するチェック欄に「✓」か「×」

高齢受給者の負担割合の確認は「高齢受給者証の受付確認」、日数の上限がある薬は「処方日数制限の一覧」で確かめられます。オンライン診療で処方箋を出す流れは「オンライン診療の処方箋はどう出す?」にまとめています。

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令和8年6月からの処方箋様式の変更点

令和8年度の改定にあわせて療担規則が改正され、処方箋の様式(様式第二号・第二号の二)が令和8年6月1日から変わりました。変更点は2つです。

変更点 内容 クリニックですること
リフィル処方箋の説明の追加 患者の認知度を上げるため、様式にリフィル処方箋の説明が加わった 院内で印刷している処方箋の様式が新しいものか確かめる
残薬確認欄の選択肢の追加 「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供」の項目が加わり、指示するときは□欄に「✓」を付ける 減数調剤を任せるかどうか、院内の方針を決めておく

「減量した上で情報提供」に印が付いた処方箋では、薬局は残薬を確認したうえで、用法・用量は変えずに投与日数などを減らして調剤でき(減数調剤)、原則として翌営業日までに処方元へ情報提供します。日数や数量を0にすることはできず、その場合は従来どおり処方医への事前の照会になります。どちらにも印がない処方箋や「疑義照会した上で調剤」に印がある処方箋では、薬局は残薬を確認して減らす必要があると判断したときに、調剤の前に処方医へ照会します。

残薬確認欄のチェックの付け方と薬局から来る連絡は「調剤時残薬調整加算とは?」で詳しく扱っています。

手書き処方箋で疑義照会が来やすい書き方と防ぎ方

電子カルテで出す処方箋は印字のルールがそろっていますが、往診先や停電時、システム障害時に手書きで出すと、記載の抜けが起きやすくなります。照会が来やすい書き方を並べます。

照会の原因 防ぎ方
内服薬の分量が1日量か1回量か分からない(「3錠」だけ) 「1回1錠 1日3回」と回数を書き、1日量も添える
規格が2つ以上ある薬で規格が抜けている 銘柄名で書くときは必ず規格を書く。迷うときは一般名処方にする
外用薬の使用部位・回数がない 1回量・1日回数・使用部位・日数(全量)を書く
頓服薬の回数(何回分)がない 「疼痛時 1回1錠 5回分」のように回数を書く
余白に斜線がない 最後の薬の下に斜線を引く
保険医の署名・押印がない 署名するか、記名して押印する
院内の略号・約束処方 薬局が読める正式名称で書く

手書き用の処方箋用紙は、令和8年6月以降の新しい様式を一定数手元に置いておくと、システム障害のときに慌てずに済みます。

よくある質問

処方箋の使用期間を書かなかったら、いつまで使えますか

交付日を含めて4日以内です。土日や連休を挟んでも延びません。長期の旅行など特殊な事情があるときだけ、処方医が使用期間の欄に年月日を書いて期間を変えられます。

処方箋の大きさや紙の様式は自由に変えてよいですか

療担規則は「様式第二号若しくは第二号の二又はこれらに準ずる様式」と定めているので、記載事項がそろった準ずる様式なら使えます。サイズの考え方は「処方箋のサイズに決まりはある?」で扱っています。

後発医薬品を銘柄名で処方して「変更不可」にするとき、理由は要りますか

備考欄の注意事項では、後発医薬品を処方する際に変更不可欄に印を付けるときは、その理由を書くこととされています。電子処方箋では、薬品補足情報の欄に理由を書けば備考欄への記載は省略できます。

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まとめ

処方箋の書き方は、療担規則第23条と記載要領の「処方箋の記載上の注意事項」で欄ごとに決まっています。処方欄は、内服薬は1日量・外用薬は総量・頓服薬は1回量を基本に、1回量と回数・日数をそろえて書くと照会が減ります。令和8年6月から様式が変わり、残薬確認欄に「減量した上で情報提供」が加わったので、手元の用紙と電子カルテの帳票が新しい様式になっているかを確かめてください。

参考

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特徴

1.使いやすさを追求したUI・UX ・ゲーム事業で培って来た視認性・操作性を追求したシンプルな画面設計 ・必要な情報のみ瞬時に呼び出すことが出来るため、診療中のストレスを軽減 2.診療中の工数削減 ・AIによる自動学習機能、セット作成機能、クイック登録機能等 ・カルテ入力時間の大幅削減による患者様と向き合う時間を増加 3.予約機能・グループ医院管理機能による経営サポート ・電子カルテ内の予約システムとの連動、グループ医院管理機能を活用することにより経営サポート実現 ・さらにオンライン診療の搭載による効率的・効果的な診療体制実現

対象規模

無床クリニック向け 在宅向け

オプション機能

オンライン診療 予約システム モバイル端末 タブレット対応 WEB予約

提供形態

サービス クラウド SaaS 分離型

診療科目

内科、精神科、神経科、神経内科、呼吸器科、消化器科、、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、美容外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管科、小児外科、皮膚泌尿器科、皮膚科、泌尿器科、性病科、肛門科、産婦人科、産科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、気管食道科、放射線科、麻酔科、心療内科、アレルギー科、リウマチ科、リハビリテーション科、、、、